「東京国際映画祭 2021」今年は酷い状態でした。ぜひ来年は考え直して欲しいです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「東京国際映画祭 2021」が開催され、1日だけ行かせていただきました。そして、映画祭に付随したイベント「コリアン・シネマ・ウィーク 2021」に参加させていただき、オンラインにて、韓国映画を6作品、観せていただきました。

 

映画祭で観たのは、

「ザ・ドーター」コンペティション部門

「復讐は神にまかせて」ワールドフォーカス部門

「ベネシアフレニア」ワールドフォーカス部門(ラテンビート映画祭)

の3作品です。

 

「ザ・ドーター」は、少年犯罪者の更生施設に住む少女が妊娠する。施設の教師とその妻は、人目を避けて出産できるように少女と山小屋で共同生活を始める。

 

 

展開が面白く、良い人のように見えていた人たちが、段々と悪い人に見えてきて、弱いと思っていた人物が、どんどん強くなっていくという、バランスの変化が楽しめる作品でした。これは、日本で普通に公開されても、楽しめる作品なんじゃないかなと思いました。人の心の奥底に潜む狂気を描きながら、美しい自然の中でそれが展開されるというのも、面白いなと思いました。これは良い作品でした。

 

「復讐は神にまかせて」は、マッチョな荒くれ者の青年は、ケンカに強い女性と恋に落ちるが、実は性的不能のコンプレックスを抱えていた。

 

 

恋愛映画なのに、バイオレンス部分も多々あり、面白いかと思ったんだけど、何だか、途中から展開がよく解らなくなってきちゃって、誰が誰に復讐したいのか、どうしたいのかが、こんがらがってしまって、理解が出来ずに、眠くなってしまいました。だって、映画の雰囲気も単調なんですもん。これは、人に薦められない映画だなぁ。理解が出来ませんでした。

 

「ベネシアフレニア」は、ヴェネチアを訪れたスペイン人観光客が次々と殺害される。その陰には街を外国人から取り戻そうとする秘密結社の存在があった。

 

 

この映画、今のヴェネチアの状態を理解している人には、観光客に帰れという地元住民たちの気持ちも解らないではないと思いました。最初、スペイン人観光客が豪華大型客船でヴェネチアに観光に来るんです。ヴェネチアは、確かに観光が主な産業なんだけど、大型客船により潟の浸食が進むので、入ってくるなと住民や市長が10年くらい言い続けているのに、一向に止める気配がないんです。とうとうキレた住民たちは、秘密結社を作って、観光客を排除し始めます。

 

 

やり方が凄い残酷で、周りに沢山の人がいるのに、目の前で殺すんです。仮面をかぶって、ベニス名物のイベントですと言って、大袈裟にやるので、観光客はスマホで動画を撮り放題。どう見ても死んでいるのに、”起きろ!”とか言って、連れて行くので、それで終わってしまうんです。残酷さと、観光客の無神経さに驚きました。でも、こんなもんなのかもしれません。そして、狙われたスペイン人観光客たちは、一人、また一人と殺されていき・・・。この映画、ホラー映画として公開したら面白いと思うけどなぁ。ヴェネチアの現状もアピール出来て、知って貰う事が出来るし、温暖化を考える1つになると思います。この映画は、日本公開して欲しいなぁ。これは、皆さんにお薦めしたいと思う映画でした。

 

以上3作品を観ました。3作の内、2作が良かったから、まぁ、当たりだったかな。邦画は、日本公開してくれると思ってハズしました。

 

 

「コリアン・シネマ・ウィーク 2021」は、6作品ありまして、こちらも良い映画がありましたよ。

 

「担保」

「私は私を解雇しない」

「ハンガー」

「私にはとても大切なあなた」

「最善の人生」

「子どもたちはたのしい」

の6本です。

 

「担保」という映画は良かったなぁ。幼い子供を借金の担保として連れて来るのですが、担保のつもりが、自分たちが世話をすることになり、挙句の果てに養子にまでしなければならなくなり、愛情が生まれていき・・・というお話でした。これは、日本公開して欲しいくらいの作品だったな。

 

「私は私を解雇しない」は、パワハラ、セクハラは当たり前の酷い雇用者に使われる女性社員と下請け業者のお話で、ちょっと辛くて嫌でした。

 

「ハンガー」は、架空の街のお話だけど、貧富の差をあからさまに描いた作品で、ちょっとファンタジーになっていました。

 

「私にはとても大切なあなた」は、ジェシクは、事務所の所属タレントが亡くなり、その娘ウネを面倒見る事になるけど、視覚・聴覚ともに不自由なヘレンケラーのような娘でした。でも、娘の面倒を見る事で、亡くなった母親が横領したお金を手に入れられると考えて、必死で面倒を見るのですが・・・。うーん、ちょっと辛い映画でした。

 

「最善の人生」は、女子高生が、外の世界に夢を馳せて家出をするんだけどってお話なんです。でも、私、イマイチ、この気持ちを理解してあげられずに、あまり楽しめなかったかな。

 

「子どもたちはたのしい」は、病気の母親を持つダイの日常を描いています。この映画は、ちょっと日本の沖田監督っぽい感じで、私は好きでした。子供たちの活き活きした姿が、何とも愛らしくて、子供のコミュニティの中でも、色々な事が起きているのだという事が解って、楽しめました。これは、日本公開して欲しいような作品でした。

 

6作品観せていただいたのですが、「担保」と「子どもたちはたのしい」は、皆さんにお薦めしたいような作品でした。特に、「子どもたちはたのしい」に出演している子役たちが可愛いんですよ。韓国映画の子役って、あんまりかわいい子がいないと思っていたんだけど、この作品に出演している子どもたちは、本当に可愛いの。愛嬌もあって、子役から大人になっても、イケメンになるから成功しそうだなーって感じなんです。

 

今年の「東京国際映画祭」は、申し訳ないけど、全く行こうという気持ちにならないような内容でしたし、行ってみたら酷い状態でした。「映画祭」なのに、学校の授業みたいで楽しそうじゃないのよね。大学教授とか、そういう人の話は聞きたくないのよ。それは学校で聞けばよいでしょ。そうじゃなくて、コロナ禍での映画界事情や、スポンサーが減った現状での映画祭をどうやって盛り上げるかじゃないの?有楽町駅前にブースを作って、そこでチケットやプログラム販売をしているんだけど、まるで見世物小屋みたいになっていて、プログラム1冊買うのが恥ずかしかったです。

 

 

これでは、色々な俳優さんたちも協力する意味が無いと思っちゃうよね。だって、盛り上げる雰囲気じゃないんだもん。レッドカーペットをやれとかいう訳じゃなくて、コロナで小さな映画館が大変だったんだから、応援イベントなどをして寄付を募るとか、そういう映画界のためになることが出来ないのかしら。大手映画会社の為だけの映画祭なら、やる意味が無いんです。少し考えて欲しいです。こんなんじゃ、もっとスポンサーは離れていきますよ。税金を当てにするとか、辞めてくださいね。自分が払った税金を、こんな映画祭に使われるのかと思うと哀しくなります。

 

キツい言い方をしてしまいましたが、本当に観に行きたい作品が無くなってしまい、ガッカリでした。昨年までは、コンペティション部門は全て観ていたのですが、なんか、ホントにフィルメックスと被っていて、面白そうじゃなかったな。同じような作品を選ぶなら、一緒にやればいいのに。それぞれの映画祭の特徴が全く無いなんて、酷い状況だと思います。選ぶ人を変えて欲しい。

 

という訳で、今年はこんな感じで東京国際映画祭は終わりです。私は、11月中旬の「フランス映画祭」を楽しみにして、ゆっくり待ちます。「フランス映画祭」は、良い作品が揃っているようですよ。まぁ、ほとんど公開されると思うので、お楽しみに。

明日からは、通常の映画感想に戻りたいと思います。

では。また、明日。カメ

 

 

「フランス映画祭 2021」

 

「駐日韓国文化院」

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