「かそけきサンカヨウ」父親の再婚によりちょっと複雑な気持ちになる娘を繊細に描いていました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「かそけきサンカヨウ」を観てきました。

 

ストーリーは、

高校生の陽は、幼い頃に母の佐千代が家を出て、父の直とふたり暮らしをしていた。しかし、父が再婚し、義母となった美子とその連れ子の4歳のひなたとの4人家族の新たな暮らしが始まった。そんな新しい暮らしへの戸惑いを、同じ美術部に所属する陸に打ち明ける。実の母・佐千代への思いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。

というお話です。

 

 

幼い頃に母が家を出て、ひとりで暮らしを整えられるようになっていった陽は、帰宅してすぐに台所に立ち、父とふたり分の夕飯の支度にとりかかるのが日課だ。

ある夜、父が思いがけないことを陽に告げる。

「恋人ができた。その人と結婚しようと思う」
ふたり暮らしは終わりを告げ、父の再婚相手である美子とその連れ子の4歳のひなたと、4人家族の新たな暮らしが始まる。



 

新しい暮らしへの戸惑いを同じ高校の美術部に所属する幼なじみの陸に打ち明ける陽。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、それが母であることは伏せたまま、画家である佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。当日、二人で個展の会場に入り、絵を見ていると佐千代が入ってくるのだが、陽の顔を見ても気が付かない様子だった。ショックを受けた陽は、陸とのデートを中断して、家に帰ってしまう。

 

陽は、いいようのない不安と怒りが溜まってしまい、どうしたら良いのか分からなくなってしまう。そして陸も、陽に対して、どう接したら良いのか分からなくなり・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

父子家庭に育った陽が、父親の再婚を喜びながらも、複雑な気持ちになる繊細な心の動きが描かれていて、静かな映画だったけど、よい映画だなと思いました。

 

主人公の陽は、子供の頃に両親が離婚し、母親が家を出てしまったので、それ以来、ほとんど会うことはしていません。母親のことを知ってはいても、連絡をしたいと父親に話したことはありませんでした。それは、何となく、母親に会うことが、父親に悪いかなという気持ちからだったと思います。でも、父親が再婚することになり、本当の自分の母親のことが気になり始めたのだと思います。

 

 

父親は、陽に、母親と連絡を取ることを禁止している訳ではなく、自分でしたいと思ったらしてもいいんだよと言っています。でも、長い間、会うことも無かった母親に会いに行くのは、とても怖かったのかなと思います。だから、大好きな陸に一緒に行ってもらおうと思ったのだと思います。

 

一方、陸は、サッカーを頑張っていたのに、心臓病が見つかって、手術が必要となり、もう二度と激しい運動は出来ないと言われて、サッカーを諦めました。突然に未来が無くなってしまい、何をしてよいのか、これからどうしていこうかと悩んでいます。陸も、陽を好きなのですが、本当に恋愛として好きなのか、すべてに自信が無くなってしまいます。

 

 

陽は、物分かりが良くて、新しい母親と妹にも、いつも良い顔をしているのですが、やっぱり自分を抑えているんです。何か言いたくても、我慢しているんです。なので、家族となっても、どーも壁があるような感じなのですが、本当の母親とのこととか、陸とのことを経て、成長し、新しい家族と本当に信頼しあえるようになっていきます。それは、大人になるというよりも、信頼関係が構築出来るということなのかなと思いました。

 

微妙な心の動きが描かれていて、上手く言葉で表現が出来ないのですが、モヤモヤしていた陽が、段々とすっきりして、本当の家族に慣れていく様子がわかりました。陸も、未来が見えずにモヤモヤしているのですが、陽に告白され、悩みながらも、まだ若いのだから色々な選択が出来るということに気が付き、陽との関係も悩むこともないのだと気が付く姿が、良く描かれていました。

 

 

そんな若い二人の姿は、陽の父親や陸の母親など、周りの人々によって守られているのだという安定感と、誰もが味方なんだという安心感によって、確実にそこに確率されていきます。色々な問題があっても、そこにしあわせがあるのだと理解が出来て、観ていて、気持ちよくなりました。陽の父親役の井浦さんと陸の母親の西田さんが良かったです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。静かな映画だけど、好きな映画でした。これは、観て欲しい映画だと思いました。派手な映画が好きな人には、ちょっと物足りないと思われるかもしれないけど、単館系の映画を観る人には、静かに感動出来る映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「かそけきサンカヨウ」