「リスペクト」アレサ・フランクリンの半生をジェニファー・ハドソンが演技と歌で描いて行きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「リスペクト」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

少女の頃から、その抜群の歌唱力で天才と称されたアレサは、ショービズ界でスターとしての成功を収めた。しかし、彼女の成功の裏には、尊敬する父、愛する夫からの束縛や裏切りがあった。すべてを捨て、彼女自身の力で生きていく覚悟を決めたアレサの魂の叫びを込めた圧倒的な歌声が、世界中を歓喜と興奮で包み込んでいく。

というお話です。

 

 

少女のころから抜群の歌唱力で天才と称され、牧師である父の教会で歌を歌っていたアレサ。神を信じて疑わない少女だったが、ある事件が彼女の心に暗い影を落とす。

成長して、どんどんその表現力を増して行ったアレサは、父親の薦めで彼女の歌唱力を認めたコロンビアレコードと契約し、そこでレコードを発売することに。レコード会社が提供する曲を、どんなジャンルでも歌っていたアレサだったが、ダイナ・ワシントンに”何が歌いたいの?”と聞かれて答えられず、自分の歌がヒットしないのは選曲が悪いのだと考え始め、父親との対立が深まってしまう。

ヒット曲を出したいと思っていたアレサは、父親と対立していた音楽業界のテッドをマネージャーとして迎え、のちに結婚をします。彼との共作などをしながら、新しいアルバムを作り始めますが、アトランティックレコードが提供したスタジオのスタッフが白人だった為に、テッドとの問題が起きてしまいます。



 

アレサは技術さえあれば白人でも黒人でも関係無いという考えでしたが、テッドは、アレサが白人と親しくするのに耐えられず、強い束縛をするようになり、暴力も振るい始めます。夫の暴力に耐えられなくなったアレサは家を出て、テッドと離婚することに。

制作途中だったアルバムは発売され、とうとうヒット曲となります。実家に帰り、家族の協力を得て、アレサは煌びやかなショービズ界の華となっていきました。



 

しかし、彼女を子供の頃から悩ませていた病気が顔を出し、アルコール依存症に陥り、ステージに穴を開けたりと問題が起きますが、家族の支えもあり、立ち直っていきます。

すべてを捨て自分の力で生きて行く覚悟を決めたアレサは、ステージに立ち観客にこう語り掛けます。
「この曲を、不当に扱われている全ての人に贈ります」
自らの心の叫びを込めたアレサの圧倒的な歌声は、やがて世界を歓喜と興奮で包み込んで行く。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

有名なアメリカの歌手、アレサ・フランクリンの半生を描いた伝記映画です。今年の6月に、アレサ・フランクリンの教会でのライブを映画化した作品が公開されたのですが、この映画では、アレサのゴスペルソングのアルバム制作秘話と、この教会でのライブを何故撮影していたのかという内容も描かれています。この映画を観た後に、「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」という映画を観ると、映画がピッタリと繋がると思います。

 

私は、アレサ・フランクリンという歌手の方を知らなかったのですが、彼女が映画の中で歌っている曲は、たくさん知っていました。名前は憶えていなくても、曲は素晴らしいので覚えていたのでしょう。今年の6月の教会でのライブドキュメンタリー映画を観て、名前を初めて認識したんです。でも、2018年まで、生きていらして、歌を歌われていたんですね。驚きました。彼女の70代の映像が最後に流れるのですが、驚くほど声は出ているし、美しいし、ビックリしました。

 

 

でも、あれだけ美しく、強く、心に響く曲を歌う彼女が、長い間苦しんで苦しんで、あの深みのある曲を身に着けたのかと思うと、涙が出てきます。彼女の生まれた時代は、まだ女性は男性の所有物のように扱われ、男のいう事を聞くもんだと教えられていたので、彼女は父親にも、夫にも言い返せず、長く苦しむんです。でも、そのままでは、彼女が願っていたトップの座は手に入らないと気が付き、とうとう父親から離れ、DV夫からも離れて、一人で立ち上がって、生きて行く決意をします。

 

アレサのような方がいらしたから、女性の地位は上がって来たし、自立した女性が認められるようになってきたんです。映画の中では、アレサが、いつも父親の言うなり、そしてその束縛から逃れるために一緒になったテッドは、またも束縛し、DVまでする男でした。全く、女を何だと思っているんだ。娘は父親のモノでも無いし、妻は夫のモノでもありませんよ。どちらも人間としては対等です。勘違いするなっつーの。

 

 

そして、この映画では、アレサの子供の頃の、恐ろしい事件も描かれています。当時は、随分と話題になり、悪い噂も出ていたようですが、映画ではっきりさせています。これ、重大な性的幼児虐待ですからね。今でも逮捕して欲しいくらいです。教会という所は、神のいる場所と言いながら、影で汚いことが行われている事も多いんです。

 

そんな事件があったことから、アレサは神を信じながらも、どこか正面から向き合えないという気持ちを抱えていたように見えました。それが、成長し、良い事も悪い事も受け入れて、自分で立ち上がった時に、やっと神とも向き合えたのかなと思いました。だからこそ、教会でのライブが出来たのだと思います。素晴らしいライブでした。

 

 

この映画でアレサを演じているジェニファー・ハドソンは、生前にアレサと親交があり、彼女のライブの前座なども務めていたそうです。そして、もし伝記映画を作るなら、自分の役はジェニファーしかいないと言っていたそうです。アレサ・フランクリンも凄いけど、ジェニファー・ハドソンも凄いですよね。だって、歌を聞いていると、あまりに素晴らしくて、涙が自然と出てしまっていましたもん。声っていうのは、神が与えたものなので、自然と涙を誘うのかもしれません。素晴らしかったです。

 

映画の最後に、本物のアレサ・フランクリンの映像が流れて、70歳代の時のライブ映像が出てきます。70歳なのに、凄い声なんですよ。どんな腹筋しているんだろう。70歳のお祖母ちゃんなのに、腹筋が6つに割れていたりしてね。声も、あんなに歌っていても、全く枯れることが無く、素晴らしいです。本当に神の声ですね。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。ここ最近では、一番素晴らしい映画だと思いました。内容も楽しめるし、歌も楽しめると言う、とても豪華な映画でした。この映画のサントラは、絶対に買うべきだと思いました。だって、歌が凄いんだもん。言葉で伝えきれない素晴らしさがありました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「リスペクト」