「ほんとうのピノッキオ」ディズニーしか知らず、本当のお話のダークファンタジーさに魅了されました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ほんとうのピノッキオ」をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始める。ピノッキオと名付けられた、その人形は、ジェペットのもとを飛び出し、導かれるように森の奥深くへと分け入っていく。「人間になりたい」と願うピノッキオは、道中で出会った心優しい妖精の言いつけも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さず、ひたすら冒険を続けるが・・・。

というお話です。

 

 

貧しい木工職人のジェペット爺さんは、ある日、自分の師匠の所へ行き、木を分けて欲しいと頼む。材料も買えない状態だったのだ。すると師匠は、鼓動が聞こえる不思議な丸太を気味悪がり、ジェペットに譲ることにする。

丸太を持って帰り、人形を掘り出すと、その人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始める。家族が居なかったジェペット爺さんは大喜びで自分の子供として、ピノッキオと名前をつけて育て始める。

ジェペット爺さんは自分の事は二の次にして、ピノッキオの為に学校の教科書を買い与え、学校まで送って行く。しかし好奇心旺盛なピノッキオは、ジェペット爺さんの目を盗み、人形サーカスを見に行ってしまう。すると、そこで捕まってしまい、連れ去られてしまう。



 

ジェペット爺さんは、ピノッキオが居なくなった事に気が付き、世界の何処までも探しに行くからと言って、旅立つことにする。

ピノッキオは、サーカス団で自分の間違いに気が付き、何とかお爺さんの所に戻ろうとするが、またも、目の前に、キツネとネコという悪人が立ちはだかる。

ピノッキオは、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも全く耳を貸さずに、何度も選択を間違えて危機に陥ってしまう。命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子共になりたい」という願いを叶えられるのだろうか。 後は、映画を観てくださいね。


 

ピノキオというと、ディズニーのアニメを思い出してしまい、本当のピノキオがどんなお話なのか全く知らなかったので、この映画、楽しみにしていました。そして、予告などでビジュアルを見たら、まるでギルレモ・デル・トロっぽいダークな感じで、ちょっとぞわぞわするような感覚に、嬉しくなりました。

 

原作に忠実なピノッキオは、そのビジュアルもとてもリアルで、顔の木目などはしっかり描かれていて、年月が経つと乾燥でひび割れなども出たりして、木屑で埋めている場面もありました。木で作られている人形だという事を印象付けているように見えました。

 

 

そんなピノッキオは、少年の姿をしているけど、産まれたばかり。何にでも興味を示し、お爺さんや妖精やコオロギが何を言おうと、突き進んで行ってしまいます。妖精に、気を付けなさいと言われるけど、まだ、生まれたばかりなんだから、何に気を付けたら良いのか、何が悪くて何が良いのかなんて、解りませんよね。これから教育しなくちゃいけないんですから。だから、騙されもするし、間違いも冒して、嘘もついてしまい鼻が伸びてしまったりします。この辺りは、ディズニーの作品と同じですよね。今回は、鼻が伸びると、妖精が鳥を呼んで、突いて貰って短くしていました。

 

ピノッキオは、お爺さんの所に帰ろうとするんだけど、騙されたり、捕まったりして、戻ることが出来ません。でも、危機に陥ると、決まって、妖精が現れて、助けてくれるんです。こんなに助けてくれるなら、最初から妖精が教育してくれれば、危険な目に遭わないんじゃないの?と思ったけど、「可愛い子には旅をさせよ」って事なのか、危機に陥らないと助けてはくれません。

 

 

この妖精、何故か年を取っていきます。時間の経過を表しているのかなとも思ったけど、ピノッキオやお爺さんの時間は、それほど経っていなかったので、もしかしたら、この妖精は、木の妖精で、ピノッキオの分身なのかなとも思いました。ピノッキオが成長していくにつれ、妖精の力がピノッキオに移って年を取っていく。だから、ピノッキオに全ての力を渡してしまったら、消えてしまうのかなと思いました。

 

そうそう驚いたのが、ピノキオは旅をしていて、海でクジラに飲み込まれていたでしょ。それが原作に忠実だと、サメに飲み込まれるんです。え?サメ?小さいんじゃないの?って思ったけど、原作ではそうなっているようでした。そして、このサメのお腹の中で、ジェペット爺さんと再会するのですが、そのサメのお腹の中に、マグロもいるんです。もちろん、マグロも話しますよ。そして、マグロの言い分ですが「水の中で死ぬなら良かった、油まみれは嫌だ」というんです。それって、”ツナ缶”のこと?そんなにツナ缶にされるの嫌なの?美味しいのになぁとツッコミを入れてしまった私です。


 

このマグロのように、映画には、独特なキャラクターが沢山出てきます。マグロは顔だけCGで人間が演じているので、ちょっとグロいです。マグロというよりもシーマンかな。後は、カタツムリおばさんが出てきて、上半身だけだとナメクジっぽいんだけど、ちゃんと殻がついていました。コオロギや、狐や猫、猿とか、色々出てきましたよ。どれも、ツッコミどころ満載で、本当に良く出来ていました。特殊メイクが素晴らしいです。ロバに変身させられちゃうところも、良かったですよ。ま、私は、マグロが好きですけどね。そんなにツナ缶が嫌なのかっ!(笑)

 

ちょっと、写真を見ていただきたいのですが、この顔の木目、CGではなく、特殊メイクをしているそうです。細かいでしょ。耳の部分までも、ちゃんと木目を描いていて、時間が経つにつれて乾燥するので木目が濃くなっていくんです。そして、木目が割れていく。それをお爺さんが詰めるという、本当に細かい演出がされていました。驚きました。

 

 

話を戻して、ピノッキオは、旅を経て、色々な経験をして、自分で考えて行動するということを身に付けていきます。そして、自分の欲望だけでなく、人の為に行動をするという優しい心も身に付けていきます。ジェペット爺さんの為に、必死になって考えて行動するピノッキオが現れていくんです。子供の成長は、見守ることも大切ですね。守るだけではダメなのかもしれない。身をもって、自分で経験しなければ、何も学習は出来ないのかもしれません。

 

子供の頃に観たり読んだりしただけのピノキオでしたが、今回の「ほんとうのピノッキオ」を観て、深い内容なのだという事に気が付きました。内容も良いのですが、この映画、素晴らしい出来でした。ビジュアルが美しいし、役者さんたちが良かったなぁ。少しレトロっぽく描きながら、伝えるところは伝えて、何とも素晴らしい映画でした。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画、ピノキオだからと言って、子供向けとは思わないでください。このピノッキオは、大人向けだと思います。このビジュアルは、子供が観たら怖がってしまうかもしれません。ちょっとホラーです。でも、大人が観れば、この素晴らしさが解ると思います。この木目は凄い!デザインが素晴らしいです。何度も言うけど、マグロはシーマンだったけどね。でも、好きなのよ。これは、この秋、観るべき映画だと思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ほんとうのピノッキオ」