「ファイター、北からの挑戦者」感動作でした。生きている事のしあわせを感じられる映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ファイター、北からの挑戦者」をオンライン試写会で観ました。Fan’s Voice独占最速オンライン試写会で当たりました。

 

ストーリーは、

ソウルの小さなアパートにたどり着いた脱北者のリ・ジナ。残してきた父を呼び寄せるため多くのお金を稼ぎたい彼女は、食堂と清掃の仕事を掛け持ちする中で、ボクシングジムの館長とトレーナーのテスと出会う。悲惨な過去と怒りを抱えるジナは彼らに対して壁を作るが、館長とテスはそんな彼女の中に静かに燃えるファイティングスピリットを感じ取る。ボクシンググローブを手渡されたジナは、次第にボクシングの世界にのめり込んでいく。

というお話です。

 

 

韓国、ソウル。ひとりの女が小さなアパートに辿り着いた。脱北者、リ・ジナ。国からの援助は出るものの、遊んではいられない。休む間もなく食堂で働き出した彼女は、中国に残した父を呼び寄せるためにより多くのお金を稼ぎたいと思っていた。

探して貰ったところ、ボクシングジムの清掃の仕事を掛け持ちすることにした。そこは、館長とトレーナーのテスが2人で切り盛りするボクシングジムだった。ジムでは、男性だけでなく女性もボクシングを楽しんでおり、ジナが今まで見たことのない世界が広がっていた。



 

ジナは、真面目に働いていたが、表情が乏しく笑いもせず、言葉もつっけんどんなので、あまり周りから良く思われない。その上、いつも”脱北者なんだって”という言葉に傷ついていた。

そんなある日、館長がジナを呼び、ボクシングをやってみるかと話しかける。悲惨な過去と怒りを抱えて壁を作るジナに、館長とテスは静かに燃えるファイティングスピリットを感じ取ったのだった。

グローブを渡されたジナは、次第にボクシングの世界にのめり込んでいく。父親の事、母親の事、そしてこれからの自分を不安に思いながらも、全てをボクシングに打ち込んで行く。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

脱北者という言葉は、結構、よく聞くのですが、実際には会った事も無いし、北朝鮮という国が、本当はどんな国なのか、謎ですよね。強制収容所に入れられて、死ぬまで働かされるとか、そんな話は映画で観たことがあるけど、実際のところを見ていないので、何とも言えません。でも、沢山の脱北者がいるということは、それだけ住みにくい国なんだろうとは思います。日本からも、結婚してあちらに行った方がいらっしゃるそうですが、どうされているのか。ご家族は心配しているんだろうなぁ。

 

そんな北朝鮮という国から逃げてきた脱北者のジナ。無表情で、本当にこちらの話を聞いているのか心配になるくらい表情が無いので、ちょっと驚きました。脱北出来たのだから嬉しいんじゃないの?と思うんだけど、そうではないようなんです。父親は中国に脱北していて、中国から韓国に呼び寄せなきゃいけないようで、お金が沢山いるようでした。なので、韓国に来れたのは良いけど、まだまだ、幸せになれるのは先という事のようでした。

 

 

とりあえずは補助金を貰い、部屋を借りて、仕事を見つけます。掛け持ちで2つの仕事を頑張り始めるんです。このジナは、父親を呼び寄せる目的もあるのですが、、脱北してもう一つ、やりたい事がありました。実は、ジナの母親は、ジナが小さい頃に、父親とジナを捨てて、一人で脱北したのでした。ジナは、母親に会いたいという願いを持っていましたが、脱北ブローカーの男性に母親の行方を捜してもらうと、住所を調べてくれたのですが、”会わない方が良いかも”という事を言われます。

 

難しい選択ですよね。自分を捨てた母親が、今、幸せに暮らしていたら、文句を言わずにいられないかもしれない。でも、脱北する気持ちは痛いほど解るので、責めるのはどうなのかという事です。ジナは、我慢が出来ずに、母親に会いに行くのですが・・・。母親との関係は、映画で観てくださいね。実際に、こんな感じになるのかなと思いました。この監督さんは、脱北者のドキュメンタリーも作っていた方で、実際の話を沢山聞いているそうなので、よりリアルなのだと思います。

 

 

そして、ジナは、ボクシングを始めます。邦画「百円の恋」を、ちょっと思い出すような感じでした。ひとつひとつ覚えていき、弱いながらも練習を積んで、ボロボロになりながらも強くなっていくという姿が、身体だけではなく、精神的にも強くなっていくように見えて、特に彼女は、人間らしくなっていくように見えるんです。そこに新しい女性が生まれていくような、そんな雰囲気に見えて、ちょっと素敵でした。感動しました。決して、カッコイイ訳じゃないんだけど、そこがカッコイイんですよ。ちょっと変だけど、そうなんです。

 

人間的に成長して行くので、それまで表情が無かったのに、段々と表情も豊かになっていくんです。笑うと、とっても可愛いんです。それが、良かったなぁ。人間は、こうでなくちゃいけないんだよなぁと、しみじみ感じられて、自分も笑っているかしらと振り返ってしまいました。忙しかったりすると、どんな国に生きていても、笑いを忘れて、表情が無くなっちゃうでしょ。そうならないようにとは思っていても、忘れちゃう時ってあると思うんです。そんな気持ちに気付かせてくれる映画でした。

 

 

この映画、脱北者を主人公に、その境遇の大変さなども描いているのですが、それだけじゃなくて、人間が生きて行くために必要なモノって何だろうという事を描いていて、誰が観ても、何となく、自分を振り返ることが出来るのではないかと思えるような映画でした。ジナの境遇は、あまりにも大変なので、共感は出来ないにしても、生きていくのは、一人ではないという事に気が付いて行くジナを観ていると、しあわせな気持ちになり、自分の周りの人にも感謝しようかなっていう気持ちが湧き上がってきました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。良い映画なのですが、まだ上映館が少ないようなので残念です。良い映画でした。私は、好きな映画だったなぁ。ジナは、最初は一重まぶたの暗くて嫌な女という感じなのに、表情が出てきたら綺麗に見えるんですよ。笑顔が素敵な女性なの。彼女を見て、生きているしあわせを感じて欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ファイター、北からの挑戦者」