「クライム・ゲーム」凄く面白い内容だけど難しいので、今回はネタバレです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「クライム・ゲーム」を”THE RIVER”独占オンライン試写会( @the_river_jp )で観ました。

 

ストーリーは、

1955年のデトロイト。ある書類を盗むために集められた3人の男たちは、書類のありかを知る男の家に押し入り、男の家族を人質にする。簡単な任務のはずだったが、計画は大幅に狂い始め、予想外の展開に陥ってしまう。3人は謎の雇用主の正体と本当の目的を探るべく奔走するが・・・。

というお話です。

 

 

1954年、ミシガン州デトロイト、ギャングのカートは、街を出たがっていたが、その為の資金が不足していた。そんなカートに、ダグ・ジョーンズから仕事の依頼が入る。「会計事務所の金庫からある書類を盗み出してほしい」という依頼だった。

オファーを快諾したカートが指定の場所に向かうと、そこには見知らぬギャングであるロナルドとチャーリーがいた。2人もまたダグに雇われたのだという。その後、3人は会計士のマットの家に押し入り、家族を人質にして金庫を開錠するよう迫った。必死の思いで金庫を開けたマットだったが、そこには何も入っていなかった。

3人は偽の文書をダグに渡すことに決め、マットを連れて彼の自宅に戻った。その直後、チャーリーは突然銃を手に取り、マットとその家族を皆殺しにしようとした。カートとロナルドには大量殺人に加担する気はなかったため、やむなくチャーリーを射殺した。

ここに至り、2人は「たかが文書ごときで人殺しをするなんておかしい。俺たちは何かヤバい案件に関わってしまったのではないか」と思い始め、罠に嵌められたことに気が付く。だが、時すでに遅かった。実は、その文書にはデトロイトの根幹を揺るがすような情報が書かれており、裏社会どころか、表社会をも巻き込む形で文書の争奪戦が展開されていたのである。 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、只のギャング映画かと思って観たら、凄い社会派の作品でした。車業界の裏をゴリゴリに暴いている、面白い内容でした。こんな事があったんですね。但し、ちょっと登場人物が多いのと、話が難しいので、今回はネタバレさせていただきます。私も自分で整理しながら書いていきますので。この映画は、はっきり言って、ネタバレを読んでから観た方が良いと思います。でないと、内容が早いし、まして何の説明もしてくれないので、付いていけないと思います。

 

車会社がアメリカを引っ張っていた時代のお話です。私、車のシステムとか、全く解っていないので、上手く説明が出来ないけど、排ガス規制のシステム(触媒コンバーター)を車業界が、談合、隠ぺい、していたって事みたいなんです。車のメーカーたちは、そのシステムを既に開発していたのに、今ある車を売り切っちゃうまで隠しておいて、時期が来たら、排ガス規制に適合するシステムを導入するつもりだったのかなと思います。

 

その隠しているシステムの書類をギャングが見つけて、これで脅せるぞって思ったんだと思うんです。この書類が表に出たら、車会社は、今ある車に全てコンバーターを取り付けなくてはいけなくなり、経費がかかり過ぎて、赤字転落しかねないという事なんです。そして、その排ガスに関しての開発を急げと指導している国にも怒られるでしょって事なんです。

 

そして、一番セキュリティが甘そうなGM社から盗むんだけど、実は、国の運輸局も知っていながら知らない振りをしているという話なんです。世界の流れから、排気ガスを減らして行こうという指針が出てしまった為、国も表向きには舵を切るのですが、実は、今の車産業が好調なので、このまま進めたいというのが大前提なんです。なので、触媒コンバーターが開発し終わっていても、お蔵入りにしておきたいんです。

 

 

国も車メーカーの景気を悪くさせないために、この書類が表に出て貰っちゃ困るという事で、車関係を統括している部署が、名前を伏せてお金を用意して、とりあえず書類を取り戻して、そして、お金を回収するという、極悪な立ち回りをするんです。

 

最後にギャングの上の人が言っていますが、手を出しちゃいけないところに手を出してしまった奴がいたという事で、回りまわって、バカな奴は始末されて、命が惜しい人は口を噤んで、その地域を去るという、そういう話でした。

 

この時代、戦争後の混乱時期からやっと脱してきて、どんどん景気を上向きにしている最中で、ガンガン行こうぜって感じだったハズなんです。そんな時代に、生産ラインを一度止めて、新しいシステムを入れ直すなんて、やりたくないですよね。それは、メーカーだって、国だってそうだったと思います。でも、もし、この時点で、直ぐに触媒コンバーターを入れていれば、もっと排ガスが進んで、温暖化ももう少し抑えられたのかもしれませんが、今となっては後の祭りです。変えようがありません。

 

だから、この映画、凄い事を描いているのですが、描き方が難しいのと、あまり説明をしない事で、凄く損をしているんです。これ、もっと解説をしてから観て貰えるようにしていたら、日本でも全国ロードショーにしても良いくらいの作品だと思いますよ。だって、今の温暖化に至る最初の汚点なんですから。アメリカが、国ぐるみで隠ぺいしていたという事なんです。酷いでしょ~。でも、映画になると面白いのよ。

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。でも、1回、サラッと観たくらいでは解らないと思います。私も、最初の導入部で、あれ?これはマズいと思って、メモを取りながら観ていたので、何とか見終わって、色々な資料を検索して、やっと少し理解が出来たかなという感じですから。なので、私のネタバレを読んでから、観て頂いて、ここは違ってたよとか教えて欲しいなぁ。経済史などに興味がある方は、これは面白い作品だと思います。よくこの時代のアメリカの歴史を描いていると思いました。この作品、DVDスルーです。直ぐにレンタル開始で、配信は、来年の3月からだそうです。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「クライム・ゲーム」