「ロン 僕のポンコツ・ボット」を観てきました。
ストーリーは、
ネット、写真、通話、テレビ、ゲームなどあらゆるデジタル機能に加えて乗り物としても使用でき、所有者の友達まで見つけ出してくれる最新式ロボット型デバイス「Bボット」。しかし孤独な少年バーニーのもとに届いたのは、オンラインにすら接続できない不良品Bボットのロンだった。友達の探し方もわからず空回りしてばかりのロンに、バーニーは“友だちの条件”を説明し、なんとか友だちを探してもらおうとするが・・・。
というお話です。
最新式ロボット型デバイス”Bボット” 。それは、スマホよりハイテクなデジタル機能に加えて、持ち主にピッタリな友達まで見つけてくれる夢のようなデバイス!そんな”Bボット”で誰もが仲間と繋がる世界で、友達のいない少年バーニーは、誕生日に父親が”Bボット”を買ってくれるかと期待していました。しかし、誕生日当日にバーニーの希望を知った父親と祖母は、急いでBボットの店に行きますが、既に閉店。困っていた所に、配送中に落として壊してしまったBボットを返品しにやってきた運転手に頼み込み、壊れたBボットを購入します。
とうとうバーニーに”Bボット”が届いたのですが、何故かオンライン接続もできないポンコツボットのロンでした。壊れていると訴えるバーニーですが、それでも必死にバーニーに付いてきて、友達になろうとするロンを気に入り始め、返品しに行こうという気持ちが無くなります。
ロンを連れて学校に行ったバーニーは、自分のロンが、他のボットとは違う事に気が付きます。ロンには、インストールされていなければならない、セキュリティ機能が入っておらず、自由に行動してしまうんです。それに気が付いたバーニーの幼馴染は、ロンのセキュリティ機能無しのソフトを自分のボットにコピーし、ボットを使って大暴れをしてしまいます。
学校内でボットが暴れ、危険になったとして、Bボットの制作会社バブル社は、直ぐにボットの機能を停止し、元に戻しますが、こんな危険なロボットということで株価が下がり、製作者でありCEOのマークはピンチに陥り、共同経営者のアンドリューに経営権を乗っ取られてしまいます。アンドリューは、直ぐにロンを見つけて破壊するようにと命令し、バブル社は、バーニーとロンを追いかけ始めます。森に逃げ込んだバーニーですが、持病の喘息が起きて、倒れてしまいます。その上、ロンのバッテリーまでも切れてしまい・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、あまり期待していなかったのですが、良い映画でした。最初、ポンコツロボットのロンが、あまりにもポンコツなので、ちょっとイライラしますが、段々と、それが可愛く見えてくるんです。そして、セキュリティ機能が付いていないので、禁止事項が無く、何処までも学習をして行くんです。なので、悪い事も覚えていく。それは、ちょっと危ないんだけど、まぁ、バーニーが良い子だからね。
実は、バーニーの家は、結構貧しいようで、高価なボットを直ぐには購入出来ないように見えました。その上、父親は自分のセールスの仕事で精一杯、お祖母ちゃんは、今の流行りなど気にしないような人なので、バーニーが、ボットを持っていない事で、学校でも浮いてしまっている事に気が付かないんです。でも、さすがに、ほとんどの生徒がボットを持っている状態になった時、バーニーがボットが欲しいという希望を言うんです。慌てた父親と祖母が、無理やりに手に入れてきたのが、ロン。落として壊れてしまったボットなんです。
でも、ここで不思議なのが、落として壊れたボットというけど、あれだけ激しい運動をして、子供を乗せて走ったりする機能が付いているのに、落としただけで壊れるような機能だとは思えないんですけどね。それにセキュリティ機能が付いていないなんて、あり得ないでしょ。でも、まぁ、そういう設定です。
バーニーは、とっても素直で、大人しめの性格です。SNSで自分をアピールしたりという事は、ほとんど興味が無いようでした。なので、子供の頃から遊んでいた友達たちは、SNSに自分をアピールする動画をアップすることに夢中で、段々とバーニーとは離れていきました。中学生になった今は、あまり仲良くなくて、ちょっと虐めたりという状態になっています。でも、本当は、みんな良い子なんですよ。
本当は字幕で観たかったのですが、近所では吹替版しかやっていなくて、イマイチ、良く理解が出来なかった部分があるのですが、ロンが、バーニーの事を、”アブサロム”とか呼んでいたんです。その名前の意味を知りたいなぁと思ったのですが、ただ、流されてしまって、意味の説明が無かったんです。アメリカとかだと、直ぐに、その名前の由来というか、意味が解るのかしら。ヘブライ語だと思うんだけど、よく解りませんでした。旧約聖書にあると思うんだけどねぇ。何故、それがバーニーに使われたのか、解りません。
そうそう、このバブル社の雰囲気が、どこかの会社のようでした。共同経営者の2人で会社をやっているんだけど、CEOのマークが追われて、アンドリューに乗っ取られるんです。マークは、技術者タイプで、アンドリューが経理タイプかな。アンドリューは、お金儲けだけが頭にあって、バグなどはもみ消そうという感じなんです。酷かったなぁ。株主を前にして話す姿は、ちょっとジョブズ的でした。反対に、マークは、とっても技術者タイプで良い人なんです。機械を愛していて、金儲けとは考えられないという感じでした。
バーニーは、よく解ってくれない父親と祖母と暮らしていますが、父親も祖母も、凄くバーニーを愛してくれていて、本当に可愛がっているんです。ちょっとズレているけど、息子がピンチの時は、何が何でも助けて、協力するというパワーの持ち主でした。お祖母ちゃんがカッコイイんですよ。何でもやっちゃうの。お祖母ちゃんなのにね。こんな家族がいたら、イイ子に育つだろうなって思いました。
ネタバレは出来ないんだけど、この映画も、やっぱり、昨日感想を書いた「アイの歌声を聴かせて」と同じような結末に向かっていました。うーん、だからみんな「GHOST IN THE SHELL」と同じ方向に行ってしまうのは、良くないと思います。それぞれに、個性があって良いのだから、何処までもこだわる個体があっても良いと思うんだけどねぇ。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。あんまり話題になっていないけど、良い映画ですよ。ロンが可愛いし、トボけているし、憎めない感じが好きでした。でも、これ、もう少し字幕版をやって欲しいなぁ。吹替も良いけど、やっぱり元の声で聴きたかったです。この秋、子供と観るには、とっても良い映画だと思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ロン 僕のポンコツ・ボット」