「MONOS 猿と呼ばれし者たち」コロンビアの内戦を生々しく描いた衝撃作です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「MONOS 猿とよばれし者たち」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

南米の山岳地帯で暮らす8人の少年少女。ゲリラ組織の一員である彼らはコードネーム「モノス(猿)」と呼ばれ、人質のアメリカ人女性を監視している。厳しい訓練で心身を鍛える一方で、10代らしく無邪気に戯れる日々を送る彼らだったが、組織から預かっていた乳牛を仲間の1人が誤って撃ち殺したことをきっかけに亀裂が生じてしまう。そんな中、敵から襲撃を受けた彼らは、ジャングルの奥地へと身を隠すが・・・。

というお話です。

 

 

世間から隔絶された山岳地帯で暮らす8人の兵士たち。ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームは“モノス”(猿)。「組織」の世話係により厳しい訓練を受けて、一端の兵士となった彼らは、ウルフを隊長として一部隊となっていた。

本部からの指示のもと、人質であるアメリカ人女性の監視と世話を任されることとなる。ある日、「組織」から預かった大切な乳牛を仲間の一人が誤って撃ち殺してしまう。慌てた彼らの中に、不穏な空気が漂い始める。



 

ほどなくして「敵」の襲撃を受けた彼らは、新しい指示の元、ジャングルの奥地へ人質を連れて身を隠すことになる。仲間の死、裏切り、人質の逃走と、極限の状況下、”モノス”の狂気が暴走しはじめる。大人の言いなりとなっていた彼らは、それぞれに意志を持ち始めて・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画は、南米のコロンビアで、50年以上続いていた内戦を元に描かれた作品であり、もしかしたら、今も、山中にこんなゲリラが潜んでいるのかもと思わせるような内容でした。コロンビアの内戦は、2016年に政府とゲリラが合意を交わし、一応の終結を迎えています。ゲリラは、社会主義を押す政党として生まれ変わり、コロンビアの政治での戦いとなったという事なのですが、試写会でお話をしてくださった、朝日新聞の元中南米特派員の田村さんという方によると、今現在、思い通りにならず、不満を貯めた若者が、またゲリラとなって森に戻り始めているという話もあるようです。

 

 

元々、コロンビアは、3つの山脈があり、裕福な国なのだそうです。宝石は産出するし、土地が良いので農作物も良く取れるので、資源の取り合いになって、内戦が起きていたのだと言います。そんな中で、キューバの支援を受けて社会主義を訴える勢力がゲリラとなったそうです。

 

そんな歴史があり、この映画が作られたようです。映画が始まると、まだ10代の少年少女が目隠しをしてサッカーをしています。音を聞き分ける訓練のようでした。その後、8人は、指導者から訓練を受けて、身体を鍛え、武器の扱いを覚えて、部隊の兵士として成長していきます。小さい頃から、ゲリラ戦を徹底的に教え込まれ、部隊での決まり事を守るように教育されるので、自分の意志などなく上司のいう事を聞くんです。でも、時々、子供たちだけの時は、子供らしい姿を見せる事もありました。

 

 

ある日、支援者から借りた牛を殺してしまった彼らは、仲間割れを始めてしまいます。指導者から、くれぐれも牛を大切に扱うようにと言われていたからです。誰かが責任を取って、粛清を受けなければならないだろうと考えたからでした。そんな仲間割れがあり、人質が逃げたりと、色々な問題が起きて、彼らも、自分たちで考えなければ生きていけないことを実感していきます。そして、段々と自我に目覚めていくんです。

 

自我に目覚め始めると、もう歯止めが利かず、自分たちが指導者にやられた事と同じことを、また、下の者にやるようになっていきます。それを見た時に、ああ、こうやってゲリラは増えていくんだなと思いました。何ていうか、こういう連鎖というのが、とても怖いなと思いました。でも、これが現実なのでしょうね。

 

 

ある場面で、戦いの後に子供だけ残される場面があり、きっとその子供たちは、この”モノス”達に連れ去られ、兵士として教育されてしまうのだろうと予想が出来ました。これじゃ、終わりが無いですよ。兵隊が減ってきたら、そこらの家族の親を殺して、子供たちだけ連れて来て、教育するのでしょうから。こんな事、誰かが辞めさせなければね。

 

まるで自我に目覚めたロボットAIのように、彼らは残酷な事を平気で出来るようになっていきます。それまで、人を殺すのは躊躇していたのに、どんどん平気になっていくんですから。やっぱり、人間って怖いです。何よりも恐ろしいです。子供の頃から、こんな事をさせるなんて、酷い世界だと思いました。これは、本当にダメです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。まるでドキュメンタリーのように、森林の中で、少年兵たちが動き回ります。実際に、こんな事が行われていたのだから、驚きます。但し、万人受けはしないのではないかという内容でした。楽しい映画ではないので、それを解かって観に行って欲しいです。コロンビアでは、少年少女がこんな残酷な生活を強いられているのだと知って欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「MONOS 猿と呼ばれし者たち」