「最後の決闘裁判」はっきり訴える女性は美しい。どんな時代でも言いたいことは言うべきなんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「最後の決闘裁判」を観てきました。

 

ストーリーは、

1386年、百年戦争さなかの中世フランス。騎士カルージュの妻マルグリットが、夫の旧友ル・グリに乱暴されたと訴えるが、目撃者もおらず、ル・グリは無実を主張。真実の行方は、カルージュとル・グリによる生死を懸けた「決闘裁判」に委ねられる。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者は罪人として死罪になる。そして、もし夫が負ければ、マルグリットも偽証の罪で火あぶりの刑を受けることになる。人々はカルージュとル・グリ、どちらが裁かれるべきかをめぐり真っ二つに分かれる。

というお話です。

 

 

1386年、100年戦争さなかの中世フランス。騎士カルージュは、マルグリットと結婚します。彼にとっては2人目の妻で、妻は後継ぎを産んでくれる人間くらいに思っており、夫婦の営みに愛はありませんでした。マルグリットは、学もある賢い女性で、愛の無い結婚に幻滅をしていました。

ある日、カルージュは、友人のル・グリが領主のダレンソン伯爵の財政を整える手伝いをし、領民から土地を取り上げた土地を、譲り受け、元々はカルージュが貰うはずだった土地までも手に入れたことを知り、激怒します。ダレンソン伯爵に訴えるのですが、聞き届けて貰えず、その日から、ル・グリとは仲違いをしてしまいます。



 

戦争が始まり、カルージュは戦闘に出て戻り、その給金を貰いにパリに向かいます。その間、マルグリットを一人にしないようにと母親やメイドたちに申し伝えますが、その日に限り、マルグリット以外、家に居なくなってしまいます。ドアと叩く音が聞こえ、覗きに行くと助けて欲しいというのでドアを開けると、突然にル・グリが押し入ってきます。ル・グリは、街でマルグリットを見かけて、彼女が結婚生活に満足していないことに気が付いていました。美しいマルグリットが一目で気に入ったル・グリは、自分のモノにしたいと思い、押し入ってきたのです。ル・グリはマルグリットを押さえつけて強姦し、他言無用と言って去っていきます。

マルグリットはあまりのショックに苦しみますが、夫が帰って来たので、ル・グリに強姦されたことを告白します。カルージュは、妻を信じ、どうしたら訴え出ることが出来るのか考え、伯爵に訴えても却下されるのは目に見えているので、国王に訴え出る事にします。



 

マルグリットが、夫の旧友に乱暴されたと訴えるが、ル・グリは無実を主張し、目撃者もいない。​真実の行方は、カルージュとル・グリと被告による生死を賭けた“決闘裁判”に委ねられる事に。それは、神による絶対的な裁き。 勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者はたとえ決闘で命拾いしても罪人として死罪になる。そして、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるのだ。 果たして、裁かれるべきは誰なのか?(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、凄い映画でした。さすがリドリー・スコット監督という感じの重圧な雰囲気の映画でした。でも、ちょっと、長かったかなぁ。14世紀の時代に、妻が強姦されたと訴えて裁判をするというのは、前代未聞の事だったと思います。裁判の内容を聞いていたって、驚くような事ばかりで、笑っちゃいましたよ。

 

 

だって、ビックリするのですが、子供が出来ないのは、夫とのSEXでオーガズムに達しないからだと言うんです。オーガズムを感じていたら、必ず子供が出来ると信じられていた時代で、だから強姦では、決して子供が出来ないと言うんです。オイオイ、あり得ないでしょ。強姦だって妊娠してしまうし、それで苦しむ女性が何人いる事か。

 

主人公のカルージュとマルグリット夫婦には、子供が出来ません。結婚して何年かするのですが、出来ないんです。それは、マルグリットが気持ちいいと感じていないからだと言うのですが、そうじゃなくて、カルージュに種がないんじゃないの?と言ってあげたくなったけど、まぁ、仕方がない。

 

 

で、カルージュが仕事で出かけている時に、義母も召使も用事で出てしまって、マルグリット一人になってしまうんです。そこへ、ル・グリがやってきて、マルグリットを騙して扉を開けさせて、強姦するのですが、この時代、こんな事を、結構、やっていたんだろうなぁと思いました。

 

だってね、街で見かけた時に、ちょっと友人と”イケメンだね。”とか話していて、目が合っただけで、自分に気があるだろうと思っちゃって、強引に押し入ってくるんです。どんだけナルシストなんだよ。はっきり言って、アダム・ドライバーに恨みは無いけど、彼はイケメンの部類ではないと私は思っています。カッコ良く見える時はあるけど、元々のものはイケメンじゃないのよ。日本で言うと、柄本佑さんみたいな感じかな。

 

 

マルグリットは強姦されてしまい、誰にも見られてはいないので、黙っていればそれで済んでしまったんだろうけど、どうしても我慢が出来ずに、夫に訴えるんです。カルージュは、粗野で、あまり気づかいの無さそうな人ですが、妻の事を愛しているし、頭の良い人です。なので、領主に気に入られていて、色々優遇されているル・グリを、正面から訴えても却下されるだけだと判っていたので、策を凝らして、噂を流して、周りから攻めて行ったんです。そして、裁判をやらない訳に行かないようにしてしまうんです。

 

そして、裁判をしたら、恐いよねぇ。仲の良かった女性が裏切ったりするんですよ。女って怖いよね。「イケメンとか言ってたから、強姦じゃなくて、只の不倫じゃないかと思う」と言いつけたりしているんですよ。この時代、女性は一人の人間として考えられていたのではなく、夫の所有物となっていたので、人の物に危害を加えたという裁判になるんです。なので、危害を加えていないこととなれば、訴えは却下されてしまうし、強姦されたという証明って、この時代、無理ですよね。決闘で勝負を付けて、神の審判を仰ぐということで、勝った方が正しいということになるという事でした。無茶な話だよなぁ。

 

 

このような裁判をして、決着を付けるまでの過程を、カルージュの目線、ル・グリの目線、マルグリットの目線で描いて行くので、3章に分かれていました。同じことを描いているのに、微妙に見方によって違うという事が解ります。これは、今の裁判でも同じですよね。立場によって、全く見方が違うというのは、理解が出来ます。

 

私は、この映画、とても面白いと思いました。現代でも問題になっている強姦事件と同じことを、14世紀にもやっていたのかと思ったら、本当に面白い。そして、どの時代にも、ムカつく男は”やってない!”と言い張るんですよね。笑っちゃいますよ。私が引っかかったのは、ただ、ひとつ、アダム・ドライバーがイケメンで、誰からも愛されると思っていることかな。オイオイ、ファンの方には申し訳ないけど、イケメンじゃなくて、演技が上手いからイケメンに見えるだけだからね。元はイケメンじゃないからね。イケメンっていうのは、レオ様とか、シャラメ君とかだからね。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。ちょっと長くて、疲れるかもしれませんが、よく出来ている重厚なストーリーです。リドリー・スコット監督だからこそ、この時代の内容でもおかしくならず、映像も美しく、描かれたのだと思いました。私は好きな映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「最後の決闘裁判」