「DIVOC-12」コロナ禍で苦しんだ映画関係者を応援する企画映画です。良いけど12本は多いなぁ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「DIVOC-12」を観てきました。

 

短編集でしたので、それぞれにあらすじと感想を書きますね。

 

「睡眠倶楽部のすすめ」
透子は“睡眠倶楽部”で暮らしている。そこには様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が生活している。外の世界から隔離されたその施設では無理に他人と関わらずとも生きていくことが出来る。そこでの暮らしにも慣れ、安心して眠ることが出来る様になった透子は、同時に入居以前のことを忘れかけていた。裏庭に咲く一輪の花を見つけた透子は、ふとあることを思い出し、施設を出ようと思い立つ。透子が向かう先には、何があるのだろうか。

 

 

人間、色々な不安やストレスがあったりすると、不眠になりますよね。それが続くと、精神的に不安定になってしまい、社会に順応出来なくなってしまう。そんな人が、この施設にいるようでした。透子はそんな中で、自分を取り戻して行ったのかなと思いました。花は水を与える人がいなければ枯れてしまう。人間も一人では生きられないと気が付いたんじゃないかな。そんな映画でした。

「あこがれマガジン」
小さな喫茶店の片隅に向かい合って座る2人の女の子。モデルとしてファッション誌の表紙を飾るナオは、つまらなそうにパフェを食べるミオに女優デビューすることを打ち明けるが。光と夢が乱反射する。

 

 

カフェで向き合う2人の女子。ナオは自分がアイドルだと思っているけど、実は向かい側に座る女の子がアイドル?鏡に映っている自分だから、自分がアイドル?と混乱して行くお話でした。若い頃って、ちやほやされたくて、アイドルみたいに可愛くなりたくて、真似したりしますよね。でも、アイドルは人形と一緒。直ぐに飽きられて捨てられてしまう。自分を早く確立して自分を愛して貰う方が、よっぽど幸せですよって思ったかな。

「ココ」
料理人として働いていた青年・熙舜(フィスン)は念願であった仏蘭西への料理人研修留学を控えていたが、ある日、都合の良い関係だと思っていた女・佳奈から妊娠を告げられる。田舎で床屋を営む父親との間で、確執を持っていた彼は、佳奈と真剣に向き合うことも、父親になる決心もつけられずに、思い悩む。

 

 

子供が出来たからどうする?って話で、二人は色々考えて選択をするんだけど、私は、いまどき、子供が出来たからって結婚する必要は無いと思うけど。フィスンが思い悩んでいたけど、悩むような男なら要らないでしょ。この映画、最後がちょっと理解出来なかったけど、うーん、私は無理に責任取れって結婚しても、上手く行かないと思うよ。

「海にそらごと」
寄せては返す波の音。潮風の匂い。海沿いにあるスナックの扉を緊張した様子で叩く少年・海斗。海斗は生まれてから一度も会ったことのない母親を探しに来ていた。現れた女性・真実の生活ぶりに戸惑う海斗。突然の出会いに困惑しながらも、真実は次第に海斗を受け入れてゆく。夕暮れ時の海。賑やかな夜。失われた時を埋めるかのように、海斗と真実はひとときを過ごしてゆく。しかし、ある事実が明らかになり・・・。

 

 

夫と息子を捨てた女性の元に、突然に息子が現れるというお話でした。人それぞれに、色々な理由があるから、何か理由があったのだと思うけど、息子には良く思われていたいと思うんじゃないかな。雰囲気が良い感じで、息子の気持ちが伝わってきました。

「死霊軍団 怒りのDIY」
元空手部で男勝りな性格のマリは、ひょんな事からデート中に彼氏にフラれてしまう。そんなある日、落ち込みながらホームセンターでバイト中の彼女の元に友人から合コンの誘いが。一世一代の大チャンスに気合を入れるマリだったが、突如ソンビ化した市民が店内に侵入!
果たして、マリはゾンビ軍団により地獄と化したホームセンターから脱出し、無事合コンにたどり着くことが出来るのか!?

 

 

この映画、面白かったな。空手が得意なマリが、今度こそ彼氏を見つけようと思っていたら、バイト先のホームセンターにゾンビが現れて、戦いに突入!あまりにも唐突だけど、ストーリー構成が上手くて楽しめました。これは長編に持って行けそうで良かったです。

「タイクーン」
無理して飲んだ酒と、衝動買いした腕時計。周りの流れに追いつこうとする中華街のシェフ・シンは気が付くと知らない男と釣り船の上にいた。

 

 

この映画は雰囲気が良くて、私はこの企画の中で一番好きでした。異国の地で、そこに合わせようと頑張っているけど、古い時計は捨てられない=故郷への想いは捨てられないという感じが、素敵でした。窪塚さんがイイなぁ。彼が出てくると、画面が締まるのよ。彼の一言で、自分のアイデンティティーまで捨てちゃダメだよって言われているようで、感動しました。

「YEN」
郊外に住む高校生の夏希と冬美は、ポラロイドでスナップを撮って遊んでいる。気に入った写真は部屋に飾り、嫌いな同級生の写真などには低額をつけ、川に流してストレスを発散していた。ある日、冬美は高橋との2ショット写真を夏希に見せる。嬉しそうな冬美に、夏希はざらついた気持ちを抱く。初めて喧嘩とも言えない喧嘩をした二人。友達をなくした夏希は遠くから冬美を追いかけ、写真を撮り、川に流しに行く。冬美のストーキングを続ける夏希は、ある日、思わぬ場面に出くわしてしまう。

 

 

イマイチ、意味が解らなかったけど、まぁ、本人たちにしてみれば、辛いんだろうなと思いました。ポラロイドのスナップに値段を付ける意味がよく解らん。バイト代くらいしかお金を稼いだことも無い女子高生に金の価値は解らないでしょ。子供銀行っぽくて、なんか、ふーんって思いました。


「魔女のニーナ」
イギリスに住む見習い魔女のニーナ。一人前の魔女になるために、日本のある湖に咲く薬草の花を採ってくる試練を与えられる。人間に魔女だと悟られないことを条件に日本へやってきたニーナだったが、家出少女のめぐに魔法を使っているところを見られてしまう。

 

 

これが一番意味が解らなかった。ミュージカル風に作ってあって、魔女のニーナが踊りながら魔法の杖を振ってるんだけど、うーん、観ていて辛かった。ごめんなさい。一切、同調出来ず、眠くなり、良く見ませんでした。

「流民」
幼少時代を過ごした家の上にそびえ立つホテルの中で、女は自分の部屋が見つからない。

 

 

自分の中の過去(家)をちゃんと見つけて、そこに隠れていた記憶を開放して、自分も自由になるって事を訴えていたのだと思うけど、雰囲気が良かったので、気持ち良く見れました。やっぱり石橋さん、上手いです。

「よろこびのうた Ode to Joy」
ポスティングのパートと年金で、ひとり細々と生きる75歳の冬海。ある日、海での散歩の途中、東北弁を話す優しい青年・歩と出会い、とある仕事に誘われる。もし100歳まで死ななかったらあと25年・・・生活の不安、ちょっとした贅沢をしたいという小さな欲望。怪しいと理解しつつも報酬に惹かれ、引き受けることに決める冬海。お金と安心を得るため、二人は背徳的な仕事へと車を走らせる。

 

 

生活の不安から、大金を得るために悪い事をしてしまおうって事なんだけど、お金があったからって、不安は解消されないと思うんです。経済的な不安の部分は良いけど、今度は、そのお金を狙われるんじゃないかとか、そんな不安が出てきちゃいますよ。何事も、ほどほどで良いと思うけど。ハーゲンダッツのアイスくらいの贅沢で良いんじゃないかな。そんな事を思う映画でした。最後がちょっと解らなかったな。


「ユメミの半生」
とあるミニシアターのロビー。映画の上映開始を待つ中学生のカケルは、壁に貼られた「閉館のお知らせ」を見つめている。と、そこに見知らぬ女性スタッフ・ユメミが現れる。「聞いてるよ。常連に映画監督志望の中学生がいるって」。ユメミはカケルの隣に座り、波乱万丈だという自分の半生を語り始める。その半生の回想は白黒のサイレント映像から始まり、やがてそこに音がつき、色が加わっていき…。

 

 

閉館危機の映画館で、少年が出会った係員の女性は、どーも長い年月を生きてきた女性みたいで・・・。その歴史を見ていくと、ん?これ、知っている歴史だなぁって思い始めるんです。観ていて、楽しい作品でしたよ。これは、この映画の企画にピッタリの作品だったんじゃないかな。良かったです。

「名もなき一篇・アンナ」
どうせ退屈な一日。
喪失感を抱えたまま生きている男の前に、突然現れた一人の女性、アンナ。ふたりは時空を超えて旅に出る。
果たして、旅の終わりに出会うふたりの運命とは。

 

 

この映画は、雰囲気で観ていく作品ですね。先が見えなくなった青年が、アンナという女性に導かれて、色々な美しい世界を旅するという内容でした。あまり理屈的に考える映画ではないですが、とても美しいので、それだけで十分だったかな。

 

この映画の企画、面白いと思いました。でも、さすがに、1本10分ほどで、12本を一気に観るのは大変かなと思います。頭が付いて行かないんですよ。10分で切り替えなので、印象に残らない作品は、直ぐに消えてしまうんです。配信だと、ゆっくり、半分づつとか観れるけど、映画館ではね。しんどかったです。

 

配信で、1本100円くらいで観せてくれれば、12本で1200円だから、それほど映画館で観るのとは変わらないんじゃないかな。見放題でも、沢山観て貰えれば良いんでしょ。きっと、10分くらいだと、通勤中にでも観れるから、気軽に観て貰えるんじゃないかしら。

 

ショートフィルムって、長編を作る前段階と考えて良いので、ショートで面白ければ、長編になっても面白いんです。雰囲気のショートフィルムは長編には向かないけど、ちゃんとストーリーがあるなら、90分の映画に十分に出来ます。なので、こういう企画は、これからの映画の為には、とても嬉しいです。コロナで大変だったけど、これからも感染対策は続けなければならないので、今までとは違う映画館の使い方を考えなければね。

 

一人カラオケみたいに、一人映画館って出来ないのかしら。ゆったりしたソファで、目の前に大画面で観れるように。それか、IMAXのような、特別な映像体験のイベント的なものを増やすとか。家で映画を楽しめるようになっているから、映画館に行くなら、ちょっとお金を払っても、そこでしか体験出来ない映像が観たいですよね。単館系映画館はどうなるのかな。私は大好きだけど、どうなっていくのか。

 

色々と考えさせられる映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。12作品あるので、少し疲れますが、楽しめる作品が多いので、良いと思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「DIVOC-12」