「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」世界中が潔癖症っぽくなっている今見るべきかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」を観てきました。

 

ストーリーは、

重度の潔癖症である青年ボーチンは、一般的な社会生活を送ることができず疎外感を抱えていた。ある日、いつものように防塵服に手袋とマスクの完全武装で外出した彼は、電車内で同じような格好をした女性ジンを発見する。彼女も重度の潔癖症で、さらにスーパーマーケットで万引きを重ねる窃盗症まで抱えていた。運命の出会いを果たした2人は、他人から疎外される恐れのない安心感に満ちた関係を築いていく。しかしボーチンから突然、潔癖の症状が消えてしまったことで、2人の思いは次第にすれ違っていく。

というお話です。

 

 

重度の潔癖症の青年ボーチン。家では隅々まで徹底的に掃除し、自身も何度も手を洗いシャワーを浴びる毎日。外出する時はもっと大変!防塵服を着て手袋とマスクをするほどの完全武装!そのために彼は一般的な社会生活が送れず、他人から見るとまさに“偏人”であった。

ある日、いつもの完全武装で電車に乗っていると、同じ車両に同じような完全武装をした女性ジンを発見!ふたりは運命的な出会いを果たす。

彼女も潔癖症で、さらに4時間以上外にいると肌に発疹が出るアレルギーの上、スーパーなどで万引きを重ねてしまう窃盗症まで持ち合わせていた。



 

「自分は一生、他人と隔絶してひとりぼっちで生きていくのだ」と運命に縛られていたふたりが、天の采配で出会い、清らかな恋愛がスタートする。それは「他人から疎外される」という恐れのない安心感に満ちた唯一無二の関係。何の希望もなく、暗かった日々が次第に色づいていく。

だが、この運命的な関係は突然破綻を迎える。ボーチンからこの厄介な症状が消えてしまったのだ。永遠にこの関係は続くと信じ合えていたふたりだったが、徐々にすれ違っていく。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、潔癖症の二人が出会い、付き合うお話なのですが、共感できる部分が多かったです。私も、ある時期、一瞬だけ潔癖症っぽくなったことがあるのですが、すべてが汚れているような気持になっちゃって、掃除しないと気持ちが悪いんですよね。自分も、外から帰ると洗わないと我慢が出来なくなるんです。自分でも、これはヤバいと思って、無理に汚いことも我慢することを続けたら、治ったんですけどね。でも、苦しかったなぁ。

 

そんな潔癖症の二人が、毎日、キレイにするローテーションを続けていて、二人一緒ならしあわせって感じで過ごしているのですが、ある日、ボーチンだけが、突然に潔癖症が治ってしまいます。潔癖症が治ったので、普通に仕事を見つけて、二人のために働き始めるのですが、微妙に二人のバランスが崩れていきます。そりゃ、そうですよね、一方は綺麗にしないと我慢が出来ないのに、片方は外から帰ってきてもそのままで平気だし、酔っぱらって帰ってくれば、そのままで寝てしまったり、潔癖症のジンからしたら、とんでもなく汚いんですよ。

 

 

ジンは、それでもボーチンが好きだったから、我慢して掃除を続けているんです。ボーチンの方は、段々と、周りを掃除しまくるジンが鬱陶しく感じ始め、ジンよりも、普通の女性に惹かれ始めます。こちらも理解出来るんです。だって、帰ってきたら、次から次へと綺麗にされて、ここで服を脱いでとか、お風呂に入れとか支持されて、自分も潔癖症だったから気持ちはわかるけど、今のボーチンにはウザく感じるんです。

 

そんな二人のすれ違いを描いていて、考えさせられました。だって、コロナ禍になり、世界中、みんな、潔癖症っぽくなった訳でしょ。いつも手を消毒して、手洗いを欠かさず、外に出るときはマスクをして、出来るだけ他人との接触を避けるようにと言われているんですもんね。それを、完璧にやろうとする人と、面倒だから手洗いもマスクも適当でいいやと考える人と、どうしても対立が生まれてしまう。清潔にしたい人から見たらルールを守らない人間はクズだと思うかもしれないけど、手洗いもしない人から見たら、なんでそんなに気にしなくちゃいけないの?っていう気持ちなんだと思うんです。そりゃ、相容れないですよ。

 

 

人間は、それぞれ違うので、お互いに歩み寄って、相手の悪いところも受け入れなければいけないけど、どうしても我慢出来ない部分はある。そんな性質の違う二人が恋をしたら、生活はどうなるのかっていうことが描かれていて、やっぱり難しいよなぁと思いました。二人ともが潔癖だから許されることが、一方がそうでなくなれば、そりゃ、難しいですよ。人間って、自分勝手ですよね。

 

そんな二人を描くことで、ダメな人間も愛おしいと思えました。ダメダメな二人なんだけど、それでも必死で生きていて、笑っちゃいけないと思いながらも笑ってしまいました。潔癖症だと、こんなことまで気になるんだなぁという部分まで描かれていたし、色々なことに気を使いすぎ、凄いストレスになっていて、万引きをしないではいられなかったりするんです。おいおい、犯罪だぞって思うけど、それも笑ってしまうほどでした。二人ともが潔癖症の時は、仲良く苦しんでいるんだけどね。一方が変わってしまうと、残酷なほど違いが見えてきてしまう。可愛そうでした。

 

 

そうそう、潔癖症の映画といえば、もうすぐ、「恋する寄生虫」という映画も公開されるようです。その映画も、潔癖症と視線恐怖症の二人が出会ってという映画のようです。来月に公開らしいですよ。

 

話を戻して、私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっとスッキリはしない映画だけど、凄く考えさせられました。世界中が潔癖症っぽくなっている今、お互いがどう接していくべきなのか、相手を思いやるべきなのかということが、この映画から見えてくるかなと思います。既に、上映が終わっている映画館も多いかもしれないけど、もうすぐ配信されるんじゃないかなぁ。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」