「殺人鬼から逃げる夜」殺人鬼に都合よく作られていて聴覚障害者をバカにすんなって思いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「殺人鬼から逃げる夜」を観てきました。

 

ストーリーは、

聴覚障害を持つギョンミは、ある夜、会社からの帰宅途中に、血を流して倒れている女性を発見する。それは巷で起こっている連続殺人事件の犯人の仕業だった。事件現場を目撃してしたギョンミは、殺人衝動を抑えられず人を殺してきた連続殺人犯ドシクの次のターゲットにされてしまう。全力で逃げるギョンミだったが、聴覚が不自由な彼女には追いかけてくる犯人の足音も聞こえなければ、助けを呼ぶ言葉も届かない。そんなギョンミを、ドシクはゲームを楽しむかのように追い詰めていく。

というお話です。

 

 

お客様相談センターで手話部門を担当しているギョンミは、自分と同じく聴覚に障害のある母親と二人で暮らしている。彼女が楽しみにしているのは、裁縫師として働く母と、チェジュ島へ遊びに行く事だった。ところが、そんなギョンミに突然、事件が降りかかる。

仕事帰りに母親と待ち合わせていたギョンミが、スーパーの駐車場に車を停めて路地へ出ると、目の前に白い靴が転がってくる。路地裏から”助けて”という声が聞こえ、驚いて路地裏へ入ってみると、そこには若い女性が血を流して倒れている。助けを呼ぼうとして慌てるギョンミだったが、あっさりと近くに潜んでいた連続殺人鬼のドシクに捕まってしまう。



 

女がドシクに体当たりした際に、全速力で駆け出し、非常ベルを押すギョンミ。だが、管制センターからの問いかけはギョンミには聞こえない。すると、妹を探しているという、身なりの良いスーツ姿の若い男が現れ、まもなくパトカーも到着する。ギョンミと母親、そして男は事情を説明するが、被害者の女は忽然と消えていた。

警察署で調書を作っていると、妹が帰ってこないと、警備会社に勤めるジョンタクが駆け込んでくる。彼が画像を見せた妹ソジョンこそが、瀕死の女性だった。すると、警官が席を外した隙に、スーツ姿の男がジョンタクにナイフを向け、「妹を刺したのは俺だ」と嘲笑い、品の良いイケメンから凶悪な殺人鬼へと一瞬で変貌を遂げる。



 

元海兵隊員のジョンタクは、その強靭な肉体でドシクを倒すが、勘違いした警官に麻酔銃で撃たれ、真相が判明した時には、既にドシクの姿は無かった。捜査網が敷かれ、ギョンミと母はパトカーで家まで送り届けられる。ソジョンのことを想うと胸が痛いギョンミだったが、自分に出来ることはもう何も無い。ようやく長かった夜が終わったと、ギョンミと母は一息つくのだった。

ところが、母親が仕事先から呼ばれ、ギョンミが一人になった時、ドアの鍵をこじ開けて侵入するドシク。音に反応して光るセンサーの電源を切り、斧を手にギョンミの背後に迫るドシク。夜はまだ終わってはいなかった。ギョンミの逃走とドシクの追撃が始まる。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

以前、目が見えない女性が殺人鬼から逃げる映画「見えない目撃者(韓国版はブラインド)」があったと思うのですが、それが、今度は、耳が聞こえず、その為に上手く話せないという聴覚障害者が殺人鬼に追われるという映画です。見えない~は、結構、リアルに描かれていて、よく考えられているなぁと思ったのですが、今回は、ちょっと甘いような気がしました。

 

聴覚障害者のギョンミは、やはり聴覚障害者の母親と二人で幸せに暮らしていたんです。でも、ある日、仕事帰りに殺人鬼に出会ってしまい、標的にされてしまうと言うお話でした。うーん、このシチュエーションが、あまりリアルじゃないんですよねぇ。聞こえないから、視覚だけで色々と対処して行くのですが、こんなにも周りの人に言いたいことが伝わらないというのは、ちょっとあり得ないんじゃないかと思ったんです。

 

 

確かに、聞こえないから上手く話せないのですが、スマホも持っているし、手話も使える、手書きも使えるでしょ。それに、そんなに周りの人もバカじゃないはずです。殺人鬼がいて、助けて欲しいと訴えていれば、何かおかしいと気が付くはずなのに、周りの誰もが、その緊迫感に気が付かないという、何とも不思議な映画でした。

 

まず、おかしいのは、街中に1つも防犯カメラが無いこと。いくら何でも、走っていけば繁華街に出るような場所で、街中に1つも防犯カメラが無いなんておかしいでしょ。スーパーの駐車場には付いているハズなのに、役に立たない。酷いんですよ。

 

 

そして、警察を呼んで、怪我をした女性がいたと訴えるのですが、その警察も、聞き取りを1人でやっているんです。普通は2人でいないとダメでしょ。聞き取り調書も、傍にいた殺人鬼が勝手に見る事が出来ちゃうし、それで住所がバレちゃうし、なんか、酷いんです。韓国の警察って、こんなにも無能なの?警察署内で犯人と格闘してても、警察官が居ないっていうとんでもない警察署なんです。普通、警察署内には防犯カメラを付けているよねぇ。あまりにもあり得ない話が続いて行くので、途中で、なんで???って思って、観る気が削がれて行くんです。

 

一応、警察に訴え、被害女性を探してくれるという事なので、ギョンミと母は家に帰るのですが、犯人に住所を知られているので、襲ってきますよね。もー、おいおいって感じなの。それに、さっき殺人犯と対峙していたハズなのに、家に帰ったら、全く忘れた様に警戒心が無くなっているんですよ。平気でドアを開けちゃダメですよ。セキュリティ、どうなってんの?聞こえないんだから、もっと気を付けないとダメでしょ。

 

 

とにかく、おかしな事が多すぎるんです。聴覚障害を持っていたって、普通の人と一緒の生活が出来るし、それなりの対処法を見つけているのだから、やられっぱなしなんて事は無いと思います。音を知らせるセンサーもあるし、電源を切られてもバッテリーで動くセンサーも付いているはずですよ。街中逃げているのに誰も出会わないし、やっと人混みに行っても、妹が興奮しているだけっていう言葉を信じちゃう人が多すぎる。

 

例え身内でも、ナイフを構えて対峙していたら、何かあったのではと思って警察に通報するべきでしょ。身内でも殺人って沢山起きるんです。人が沢山いるにも拘わらず、誰も助けないというところが、信じられませんでした。日本なら、直ぐに警察に連絡するし、助けようとする人がいるはずです。防犯カメラにも行動が一部始終写っているでしょ。とにかく、怯えている女性を助けようとする人が誰もいないことに驚きました。

 

 

あまりにもリアルではなく、殺人鬼が頭が良いように描かれているけど、全然頭悪いですからね。自分の車の中に証拠品を沢山残しているし、指紋もベタベタ付いているし、顔だって見られている。なんでこれまで捕まらなかったのか、全く解りません。

 

ま、とにかく、はっきり言って、聴覚障害者をなめんなよ!って思ったって事です。例え聞こえなくても、例え話せなくても、伝える手立てはあるし、今はスマホでも伝えられるし、大体、必死な表情を見れば、人間は解るんです。放置するような事はありません。出来るだけ障がい者に優しい地域にしたいと思うし、ちょっと気をつけるだけで、何だって伝わるんですよ。人間、バカにすんなっ!て思いました。聴覚障害を使って映画を作るなら、もっと勉強してから作って欲しいです。いくら韓国でも、便利なツールが沢山出来ていると思いますよ。

 

 

そんな訳で、ちょっとムカついた映画でしたが、追われるというサスペンス部分は、ドキドキして楽しめるかもしれません。でも、あまりにも殺人鬼に都合よく作ってあるので、イライラは募るかな。まぁ、ドキドキしたので、私は、この映画、お薦めしても良いと思います。視覚障害の映画もあったので、それと比べてみるのも良いと思います。あちらの映画が随分考えて作ってあったという事が解ります。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「殺人鬼から逃げる夜」