「クーリエ 最高機密の運び屋」を観てきました。
ストーリーは、
1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。そこで彼は、国に背いたGRU（ソ連軍参謀本部情報総局）の高官ペンコフスキーとの接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが・・・。
というお話です。
1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。米ソ間の核武装競争が激化してしまう。世界中の人々は核戦争の脅威に怯えていた。
そんな時、CIAとMI6のエージェントが一人の英国人に目を付けた。その男、グレヴィル・ウインは東欧諸国に工業製品を卸すセールスマンだった。彼が依頼された任務とは、販路拡大と称してモスクワに赴き、GRUのペンコフスキー大佐から受け取ったソ連の機密情報を西側に持ち帰ることだった。
あまりに危険なミッションに恐れをなし、ウインは協力を拒否するが、世界平和のために祖国を裏切ったペンコフスキーに説得され、やむなくモスクワ往復を引き受ける。
だが、政治体制を超えた友情と信頼で結ばれた男たちは、非情な国家の論理に引き裂かれ、過酷な運命をたどることに･･･。（公式HPより） 後は、映画を観てくださいね。
この映画、問題作でした。こんな事が、本当にあったんですね。実話を元に、この映画は作られています。
キューバ危機といえば、ケネディ大統領の時代にあと13日で核戦争になっちゃうかもっていう、危機一髪と言われる、ギリギリの攻防があったらしいお話ですよね。ソ連がキューバに核爆弾を配備してしまえば、アメリカの首都に簡単に落とせるようになってしまうので、それを阻止する為に、アメリカが核爆弾を撃つという、地球が壊れちゃうレベルの大変な事件だったのですが、回避出来たんですよね。ソ連は核爆弾を撤去したんです。
その時に、裏で動いていた作戦が、この映画に描かれている作戦で、一般のセールスマンがソ連に営業に行きながら、情報を受け取っていたという事なんです。この映画を観ると、ソ連の高官の中にも、フルシチョフの考え方が怖いと思った方もいらしたという事です。
ソ連軍参謀本部情報総局の職員ペンコフスキーは、フルシチョフの考え方だと、アメリカとの核戦争になりかねないと危惧し、CIAに連絡を取って、情報をアメリカに流すことを始めます。直接、CIAには難しいので、イギリスのＭＩ６を通じて、イギリス人セールスマン、グレヴィル・ウィンが連絡係として抜擢されます。スパイの経験なんて無いのに、突然に抜擢され、（もちろん、その後にスパイとしての訓練を随分受けたようでした。）ソ連へのセールスを始めます。
ペンコフスキーとの友情も深くなり、ペンコフスキーと部下たちは、アメリカへの視察も来ていたようでした。そして、グレヴィルの自宅にも招かれていたようです。そんな風に、友情を深めていくのですが、二人の関係は、核戦争を防ぐための情報を運ぶことが仕事です。でも、仕事と解かっていても、それ以上に、二人は友情を深めたように見えました。立場は違えど、自分の家族、国を守りたいという気持ちは同じだったのだと思います。
この映画を観ると、フルシチョフが随分前から、核爆弾をアメリカに向けたいという願望を持っていたのだろうという事が解ります。キューバ危機は13日間だけど、本当は、もっと何年も前から、ソ連は、アメリカに対して、核戦争を始めそうな雰囲気があったという事なんです。恐いでしょ。それに気が付いたペンコフスキーが、早い内から動いて、情報を流していたおかげで、危機も回避出来たという事なんです。ですから、このペンコフスキーさんは、歴史的英雄と言われても間違いじゃないと歴史家の中では言われているそうです。
もちろん、グレヴィルさんも重要です。彼も普通のセールスマンだったのに、危ない仕事を任されて、映画でも描かれていますが、家族にも話せなくて苦しみます。妻には浮気まで疑われて、辛い思いをするんです。可哀想でしょ。彼がどうなったのかは、映画を観て欲しいのですが、一応、スパイですから、そう簡単には終わりません。大変な事になりますが、それは映画で確認してください。
ペンコフスキーを演じている役者さんは、実在の人物にとても似せてありました。カンバーバッチさんが演じたグレヴィルは、ちょっと顔は違いますが、こんな風に大変だったんだろうという事は、良く伝わってきて、私は感情移入してしまいました。こんな大変な時代だったんですよね。驚きました。
私は、この映画、超！お薦めしたいと思います。この映画の内容は、実際にあった事件を元にしていますし、キューバ危機の回避に、こんな事件があったことを知りました。面白かったです。歴史って凄いことが起きているんですね。歴史も知れたし、カンバーバッチさんの演技も、ソ連側のペンコフスキーを演じた方の演技も素晴らしかったので、これは、お薦めしたいかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「クーリエ 最高機密の運び屋」
