「メインストリーム」をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。（@fansvoicejp）
ストーリーは、
ロサンゼルスで暮らす20代の女性フランキーは、映像作品をYouTubeで公開しながら、寂れたコメディバーで生計を立てていた。そんなある日、天才的な話術を持つリンクと出会った彼女は、リンクのカリスマ性に魅了され、友人ジェイクを巻き込んで、本格的に動画制作を始める。シニカルなリンクの言動を追った動画は注目を集め、リンクは人気YouTuberに。しかし「いいね！」の媚薬は、いつしかリンクの人格をむしばんでいき、やがて世界中のネットユーザーから強烈な批判を浴びると、リンクの野心は狂気となって暴走していく。
というお話です。
夢と野心が交錯する街LA。20代のフランキーは映像作品をYouTubeにアップしながら、さびれたコメディバーで生計を立てる日々に嫌気がさしていた。
ある日、カンディンスキーの絵の前でいつものように動画を撮影していると、目の前にネズミの着ぐるみの人物が立った。気にせず自分の事をしていると、横に座り、ネズミのマスクを取り、話しかけてくる。
彼は、天才的な話術の持ち主・リンク。その場でカンディンスキーの絵に注目を集め、沢山のギャラリーを一気に集めてしまった。フランキーは、そのカリスマ性に魅了され、男友達で作家志望のジェイクを巻き込んで、本格的に動画制作をスタートする。
自らを「ノーワン・スペシャル（ただの一般人）」と名乗り、破天荒でシニカルなリンクの言動を追った動画は、かつてない再生数と「いいね」を記録。リンクは瞬く間に人気YouTuberとなり、３人はSNS界のスターダムを駆け上がってゆく。
刺激的な日々と、誰もが羨む名声を得た喜びも束の間、いつしか「いいね！」の媚薬は、リンクの人格を蝕んでいく。ノーワン・スペシャル自身が猛毒と化し、やがて世界中のネットユーザーからの強烈な批判を浴びるとき、野心は狂気となって暴走し、決して起きてはならない衝撃の展開をむかえる。（公式HPより）後は、映画を観てくださいね。
この映画、SNSで起きて行く、恐ろしい人々の感情を、「オラオラ、どうなのよっ！」って感じで描いて行く、凄い映画でした。私は、SNSにハマることは無く、何となくみんなの情報を楽しく読んでいるという感じなので、いいね！の数とか、リツイートとか、あまり気にしたことが無いのですが、これ、ハマって、気にし始めたら大変なんでしょうね。若い子なんて学校の勉強なんてする暇が無いでしょうし、社会人は働けないですよ。だって、ずーっとSNSに貼り付いて、いつも見ていて、人のツイートに反応しないとダメなんでしょ。
映画のフランキーも、自分で動画を撮って、アップしているのですが、誰も観てくれないんです。ま、そこらの女性が普通に動画を撮ってアップしても、誰も見ないですよね。そんな時、リンクと出会うんです。彼は、スマホも持たず、フラフラしながらバイト暮らしをしている人でした。でも、話しだしたら、凄い力で人を惹き付けるんです。驚いたフランキーは、彼と組んで、YouTubeｒとして人気になっていきます。
すると、コンサルみたいな人が現れて、お金儲けが始まる訳です。うーん、SNSあるあるですよね。もちろん、内容は過激になっていき、リンクが話して、フランキーとジェイクで脚本などをしていたのですが、どんどんリンクがエキサイトしてしまい、脚本とは違っていってしまいます。仲間割れって奴かな。
表に出ているリンクが、段々と勘違いして、エキサイトしてっちゃうんですよねぇ。良くあるでしょ。人気を集めたくて、コンビニで食べ物にイタズラをしたり、交差点でベッドで寝てみたり、バカなのかなって思うけど、やっちゃうのよねぇ。自分の私有地でやるならいいけど、コンビニでは営業妨害になるし、道路は不法占拠だからね。どうしても道路でやりたければ、道路使用許可を警察に申請しなくちゃ。
人気になればなるほど数が気になり、増えている時期は良いけど、数が減っていく時の恐怖というか、ストレスは凄そうでした。減らないように、次はどうしよう、次は何をしようと、何ていうのかな、まるで何かに追われているように見えて、そんなになっちゃうんだと思いました。私はオバサンで良かったな。だって、子供の頃からSNSが生活にある年代に生まれていたら、小学生の頃から、このストレスに悩まされる訳でしょ。どんな風に育っちゃうんだろう。大人になるまで生きていられないかもしれないです。
そんなリンクたちですが、ある事件をきっかけに炎上し、窮地に追い込まれていきます。これだけ過激なことをしていれば、事件も起きますよ。そこで、リンクとフランキーとジェイクがどういう方向に行くのかが、この映画の盛り上がりかな。
リンクは、元々、SNSなんかに依存してはいけないと訴える立場で、それをSNSでやるんです。マスコミたちからは、矛盾していると言われるのですが、そんな事、お構いなしで言いたい放題。めちゃくちゃかと思うけど、リンクが言っている事は、必ずしも間違っていないんです。そして事件が起きると誰か一人を責め立てるけど、SNSに参加している全員が、言葉の刃で被害者も加害者も作り上げているんです。そこら辺を忘れずにSNSを楽しむようにしないと、プロレスラーの木村さんのような被害者が出てしまいます。それは、絶対に止めないとね。
それにしても、このリンクという役、恐い奴でした。彼の過去が最後の方で出てきて、あまり詳しくは語られませんが、この過去っていうのは、私が思うに、子供の頃に学校などで虐めに合っていたいたという事なんじゃないかと思うんです。だから、自分が優位に立つと、下の人間を虐めたくなるのかなと思いました。
そして虐めはダメみたいなことを言われても、自分が虐められていた方だったから、自分が悪いとは思わないんですよ。周りが悪いからこうなったんだという言い分なんだと思うんです。だから、全然、悪いとは思わない。このユーチューバーの暴走は止まるところを知らないんです。そして自信ありげなリンクの言い方に、フォロワーたちは、大喜びして”いいね”をしてしまうんだと思うんです。恐いでしょ。
なんだか、とんでもない映画で、何が正しくて、何が悪いのかなんて、解らなくなってしまいました。でもね、どんな世界になっても、人に対しての優しさは捨ててはいけないと思いました。自分の言葉が誰かを傷つけているかもしれないことを忘れず、優しい気持ちを出来るだけ持つことが、SNSの世界で生きて行くコツなのかもしれません。”いいね”の数でお金が稼げるのかもしれませんが、自分を壊してまでお金が欲しいの？お金は身の丈に合う分でいいんじゃないですか？
そういえば、タレントのローラさんがYouTubeｒとして出演していましたが、セリフは無いし、演技も酷かったです。あんなに美しいんだから、無理に俳優はせずに、モデルをしていれば良いのに。勿体ないです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても良く考えられているし、SNSの世界観や、人間の心理描写も素晴らしいと思います。でもね、観ていて、段々と怖くなっていくんです。襲われる恐怖とかではないけど、精神的に追い詰められて行く様子は、やっぱり観ていて辛かったなぁ。でも、現代だからこそ、観るべき映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「メインストリーム」
