「スパイラル ソウ オールリセット」ジクソウの理念は継承してないけど映画としてならまぁまぁかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「スパイラル ソウ オールリセット」を観てきました。

 

ストーリーは、

地下鉄の線路上で舌を固定され、宙吊りになった男。猛スピードに迫った電車により、男の体は四散する。それが、猟奇犯が警察官をターゲットに仕掛けたゲームのはじまりだった。捜査にあたるジークと相棒のウィリアムを挑発する不気味な渦巻模様と青い箱。やがて、伝説的刑事で、ジークの父であるマーカスまでもが姿を消し、ジークは追い詰められていく。

というお話です。

 

 

地下鉄の線路上。舌を固定され、宙吊りの男。舌を引き抜いて生きるか、ぶらさがったまま死ぬか?猛スピードの電車が轟音を立てて迫り、やがて無残にも男の体は四散する。

それはジグソウを凌駕する猟奇犯が仕掛けた、新たなゲームの始まりだった。ターゲットは《全て警察官》。刑事であるジーク・バンクスは、自分が仲の良かった警察官を殺され、犯人を捕まえると憤っていた。ジークは、以前、汚職警官を告発したせいで、警察署内で孤立してしまっていた。そんなジークに優しくしてくれていたのが、殺された警官だったのだ。

 

犯人を捕まえようと捜査を始めるジークだが、周りの刑事たちはあまり協力的ではない。唯一、相棒のウィリアムだけが一緒に動いてくれていた。監視カメラの映像などを精査し、犯人の手がかりを見つけ追って行くのだが、何も解らない。そんな間にも、また警察官が捕まり、犯人の餌食になっていく。

 

 

犯人は、不気味な渦巻模様と青い箱に、犠牲者の身体の一部を入れて警察に送り付け、その狂気さを表して行く。何年か前の”ジグソウ事件”に繋がるような要素を見せており、以前の事件に関係あるのかも気になってくる。

 

そして、伝説的刑事であり前警察署長だったジークの父親までもが、忽然と姿を消し、とうとうジークの相棒のウィリアムまでもが犠牲になってしまう。追い詰められて行くジークは、自分も周りの警察官が犠牲になっている事に気が付き、以前、自分が告発した汚職をした元警官を訪ねて行くがアリバイがあり、関係無いように見える。しかしジークが帰った後、その元警官も消えてしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

やっと、ソウの続編という”スパイラル”を観に行くことが出来ました。でも、ソウの続編と言いながら、ただ、犯人がジクソウを無理に絡めているだけで、ジクソウの理念というか、生きる事への執着を思い起こされるという事は、一切、引き継いでいませんでした。なので、只の復讐にしか見えないんです。

 

警察官の汚職が根底にあるのですが、そんなにアメリカの警察官て悪い奴ばかりなんですかね。この映画を観ていると、悪い事をしていない警察官はいないという感じなんです。もちろん、警察官だって人間だから、ちょっとした悪い事(信号を赤で渡ったり。)くらいはやっているでしょ。でもね、この警察は異常なほど、偽証をしたり、カツアゲをしたり、酷いんです。いくら何でも、そんなに民間人に酷いことをしていれば、そりゃ、恨まれますよ。誰が警察官に復讐したって、おかしくないよなって思いました。

 

 

もちろん、新しいジクソウもどきの犯人の言い分は、警察官なのに悪い事をしているからってことなんですが、実は、もっと深い理由が最後に明かされました。まぁ、復讐するのは、解らないでもないなぁとは思いましたが、ちょっと酷いんじゃないの?そんなに恐ろしい装置を作って仕掛けるほどのものかなぁと思いました。

 

なので、もしかしたら、ジクソウみたいな装置を作るのが趣味って事もあるわよね。自分が作った装置で、ちゃんと人が死ぬかどうかを試したかったって事もあるかもしれない。そうなると、今後も、装置を試したくて、どんどん殺人を続けて行くかもしれないなって思いました。装置を試すという事なら、殺人の意味はあるでしょ。ジクソウとは違う意味でのコレクションってことかな。

 

 

もちろん推理サスペンスなので、犯人を捜して行くのですが、私は、結構、前の方で犯人の目星がついてしまいました。ソウのシリーズを観た方だったら、違和感に気が付くと思います。1作目では、真ん中に寝ていた死体がジクソウだったでしょ。ちゃんと、犯人はどんな行動をするか見れる位置にいるんです。それは基本だからね。そんな中で、違和感がある人間なんですよ。なので、この映画の中でも、ある警察官が殺された時点で、あ、こいつなんだなって解かっちゃいました。監督、その殺し方はダメです。完璧に、その人がジクソウなんだって解っちゃいますよ。何でかって書きたいけど、ネタバレになるから我慢します。でも、今回は、とても解りやすかったかなと思いました。

 

でも、やっぱり前のソウの方が面白かったな。警察官限定とかになっちゃうと、面白くないんです。もう、誰が殺されるかとか、何で殺されるのかとかっていうのが、解ってしまうからです。ソウの面白いところは、「何でこの人が?何の落ち度も無さそうだけど。」っていうところが面白いんです。警察官限定とかにされちゃうと、どう考えても、悪い事してるからでしょって感じですもん。

 

 

キャストは、クリス・ロックとマックス・ミンゲラ、サミュエル・L・ジャクソンでした。結構、バランスがよくて、良かったと思います。映像は、残酷なシーンが多かったですね。もちろん、ソウシリーズからの続きなら、当たり前なのですが、映像が明るめなので、よく見えてしまって、スプラッターになってました。もう少し、映像を暗くしてくれれば、見え難いし、偽物っていうのも解り難かったんじゃないかと思います。箱詰めの証拠品は、いかにもって感じの作りモノに見えました。

 

あのスパイラル(渦巻)をシンボル的に使うのなら、最後の殺人はスパイラルを使っての殺人マシーンにして欲しかったな。今回の殺人マシーンは、結構、大雑把なのが多いです。釣るしてガラスが刺さるとか、舌をかみ切るとか。ジクソウの装置は、ちゃんとタイマーみたいのがあって、時間内に言われたことをすれば助かるのが確実だったのに、今回は適当なんです。「ギリギリでやったじゃん!」って感じのもあって、それは助けなきゃダメよねぇと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。文句を書きましたが、私は、最初の”ソウ”が好きなので、どうしても比べてしまうんです。ジクソウの理念を引き継いだ殺人鬼が来るなら満足するけど、そうでないと合格点はあげられません。でも、映画として観るなら、この映画は、それなりに面白いと思いました。目が離せなかったし、ストーリーとしての理屈も通っています。楽しめました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「スパイラル ソウ オールリセット」