「その日、カレーライスができるまで」雰囲気の良い映画でした。短いんですけど観る価値在りです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「その日、カレーライスができるまで」を観てきました。

 

ストーリーは、

ごくごくありふれたカレーの食材が並ぶ台所に立つ、くたびれた男。彼は3日後に控えた妻の誕生日に食べる特製カレーを仕込んでいる。それは男にとって、毎年恒例となっている大切な料理だった。愛聴するラジオ番組でパーソナリティが語る「マル秘テクニック」募集の声に、男はガラケーを手にしながら「3日目のカレー」についてのメールをつづり始める。

というお話です。

 

 

どしゃ降りの雨の中、ひと気のない薄暗い部屋に帰ってきた、くたびれた男。健一は、幼い息子・映吉を心臓病で亡くし、そのことが原因で妻も去ってしまった。 後悔の念から同じ病に苦しむ少年のため治療費の募金活動を始めたが、目標額まではまだ程遠い。

そんな健一にとって今日は、年に一度のごちそうを作る大切な日だ。手際良く丁寧に調理を進め、愛聴するラジオ番組に耳を傾けながら一服していると、リスナーの「マル秘テクニック」を募集している。 健一はふとガラケーを手に取ると、コンロでぐつぐつと音をたてる、とっておきの手料理についてメールを綴り始める。



 

「今年も妻の誕生日にカレーを作っています。三日後が、誕生日です」
「妻は三日目のカレーが好きで」
「ただ、色々あって今年はひとりです」

その横では、映吉の笑顔の写真が父の様子を見守っている。そして、ラジオから聴こえるメール投稿をきっかけに、健一の周りでちいさな奇跡が起こり始める。(公式HPより」) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、ショートフィルムではないけど、とても短い映画でしたが、とっても良いお話でした。私は、気に入りました。

 

ある男が雨の中を自宅へ帰ってきます。ちょっと古そうなアパートみたいでした。そして、台所に立ち、カレーを作り始めます。見た感じ、ありふれた普通のカレーです。牛肉、じゃがいも、にんじんとカレールーを入れて、ちょっとハチミツを入れたりして、隠し味を少しづつ入れていくんです。何となく、男は愛おしそうにカレーを作っていました。

 

 

そして、そのカレーが妻の誕生日の為のものだという事と、だけど今年は一人で過ごすということが解ってきます。ここで、男が今は一人なのだと解り、机には1枚の男の子の写真が飾ってあります。男が息子に話しかけて、息子が心臓病で亡くなった事、そして妻が出て行ってしまった事が語られ、状況が解ってきます。

 

男は、色々な事にとっても後悔していて、でも、それは仕方のない事で、誰も慰めてあげられないんです。妻が居れば心の支えになっただろうと思うけど、様子から察するに、きっと息子が亡くなって、お互いに優しく出来る余裕が無くなってしまったのだろうと思いました。辛い時って、どうしても自分の苦しさだけでいっぱいいっぱいになっちゃって、近くにいる人にぶつかってしまうのよね。いけないって解かっていても、相手を傷つけてしまう。辛いことがあると、どうしても起こってしまうことなんです。

 

 

この映画では、ラジオ番組がキーになるのですが、リスナーのマル秘テクニックを募集していて、そこに、カレーの隠し味を、男が投稿するんです。それが読まれて、ちょっとほくそ笑んでいる姿がイイ感じで、それがきっかけで、ちょっと変化が訪れて行くんです。

 

そうそう、男が部屋に一人でいると、突然にゴソゴソと音がしたり、息子の写真が倒れたりするんです。まぁ、普通なら、古いアパートだから、どこかの部屋の音だろうとか、アパートの揺れで写真が倒れているんだろうとかだと思うんだけど、男は、息子が帰って来て、何か伝えているのかなって思うんです。これ、解るなぁって思いました。私も、時々、昔可愛がっていたフェレットが足元をくるくる回ったりしている感覚があったりしますもん。気のせいだと解っていても、帰ってきたんだねって思いたいんです。みんなそうでしょ。

 

 

そんな男の日常が、淡々と描かれていて、それをリリー・フランキーさんが演じているからこそ、何だか、味があるんです。リリーさんの一人芝居なんですよ。そして妻の声を神野三鈴さんが演じてらして、この雰囲気が良いんだよなぁ。

 

この清水監督、もうすぐ公開になる「CUBE」の監督さんのようですね。初めて知りました。こういう雰囲気の映画なので、もう少し、長回しをして欲しいなぁと少し思いましたが、全体的にはとても良かったので、次回作も楽しみです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。短い映画で、この映画の前に短編が1本ついていましたが、どちらも良い作品だなと思いました。52分の作品なので、映画として皆さんにお薦めして良いのか、何となく迷いましたが、良い作品だからやっぱり薦めます。リリーさん、素敵でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「その日、カレーライスができるまで」

 

 

 

 

 

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