「劇場版 アーヤと魔女」私はダメな作品でした。内容も絵もちょっと怖いです。子供は楽しめないかも。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「劇場版 アーヤと魔女」を観てきました。

 

ストーリーは、

孤児として育った10歳のアーヤは、なんでも思い通りになる子どもの家で何不自由なく暮らしていたが、ベラ・ヤーガと名乗るド派手な女とマンドレークという長身男の怪しげな2人組に引き取られることに。魔女だというベラ・ヤーガは手伝いがほしかったからアーヤを引き取ったと言い、魔法を教えてもらうことを条件にアーヤはベラ・ヤーガの助手として働きだすのだが・・・。

というお話です。

 

 

赤い髪の女がバイクで走っている、よく見ると胸に赤ちゃんを抱いていた。彼女は何かから逃げていたが、追跡をまいて孤児院の前に降り立った。そして胸に抱いていた赤ん坊を孤児院「子どもの家」の前に置き、去ってしまう。

それから10年。「子どもの家」に置かれた赤ん坊は少女に成長し、アーヤと呼ばれていた。彼女は要領の良い子で、口が上手く、大人を思い通りに動かし、何不自由なく暮らしていた。

ある日孤児院に、ベラ・ヤーガと名乗るド派手な女とマンドレークという長身男の怪しげな二人組が現れ、アーヤは彼らの家に引き取られることになる。



 

ベラは「わたしは魔女だよ。あんたをつれてきたのは、手伝いが欲しかったからだ。」という。「おばさんが私に魔法を教えてくれるなら、おばさんの助手になってあげる。」とアーヤは返した。魔法を教えてもらうことを条件にベラの助手として働き始めるアーヤ。でも、こき使われるばかりで、ひとつも魔法を教えてもらえない。

生まれてはじめて自分の思い通りにならないことを悟ったアーヤは、魔法の秘密を知る使い魔の黒猫・トーマスの力を借り、反撃を始めるのだが・・・。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

スタジオジブリの新作なのですが、うーん、まったく好感が持てませんでした。主人公の描き方が酷くて、観ていてもまったく楽しくならないんです。CGの絵も気持ち悪いし、私はダメでした。

 

主人公のアーヤは「子どもの家」で育つのですが、置き去りにされるとき手紙が添えられていて、「問題が片付いたら迎えに来る。名前は”あやつる”です。」って書いてあるんです。変な名前でしょ。”あやつる”だからアーヤなんです。そして名前の通り、大人を操れるほど口が上手くなり、自分の思い通りに暮らしていました。

 

 

大人を操って幸せに暮らしているという定義なのですが、宮崎監督は「アーヤのしたたかさはずるいということではない。子どももこんな風に逞しく強く生きて欲しい。」ということだとおっしゃっています。でも、子どものしたたかさをどこまでも許していると、大人をバカにし始め、他人を虐げ始めるんですよ。したたかさが虐めに繋がり、犯罪に繋がっていくんです。

 

アーヤも、映画の中で施設の園長に上手いことを言って、自分の欲しいものを手に入れていますが、他の子は手に入れられません。他の子は妬みますよね。そして園の友達も手下のように扱っています。こうなると、その内、自分のいうことを聞かない子を虐め始めます。そして大人には、上手く言い訳をするので虐めは見つかりません。それがエスカレートして、自殺などに繋がり、訴えられると、大人はこの子は良い子で虐めなんてする訳がないというんです。このアーヤ、典型的な虐め加害者のタイプなんですよ。

 

 

したたかで大人を操ることって、こんな時代を生きるために必要なことだと解説にありましたが、子どもの心理を解っていないと思いました。したたかで自分の思い通りに生きるのは、大人になってからで良いんです。子供のころに欲望を満たすために大人を操るということは、心に思ってないことを大人に言うということでしょ。ずっと嘘をついているということになり、本当の自分を理解してくれる人間は誰一人、周りにいないことになります。子供の頃から信用出来る人間がおらず、孤独に生きていたら、性格は悪くなり、かなり精神的な病気になる確率は高くなります。だって、他人を信用しないのですから。

 

アーヤを見ていて、末恐ろしいと思いました。新しい家で、自分の思い通りにならなかったら、思い通りになるまで反撃するんです。怖くないですか?良くあるでしょ。子供が、自分の思い通りにならなかったら親に暴力を振るうってニュースをよく聞いたと思うのですが、それと一緒でしょ。


 

うーん、私は観ていて、恐いことしか思い浮かびませんでした。ずるい子供とか、したたかな子供というくくりで終わらず、子供に操られた大人は本当の事を何も知らず、子供の世界で何かが起こっても知る術がないんです。そんな極端なことと言われるかもしれませんが、実際に社会では虐めで自殺が起こっているし、自分の子供がどんなに残酷なのか親は知らないんです。私は、出来れば子供には強く生きて欲しいけど、したたかなのではなく、素直に伝える子に育って欲しい。大人を信用する子に育って欲しいし、信用される大人になりたい。それが希望です。

 

ストーリーについてですが、たいして盛り上がりも無いまま、しっかりした解決も無い感じで終わってしまいます。一応、何となく未来を予想させるような展開にはなっていましたが、あまりにもあっけないので、私は、あれ?って思ったまま終わってしまいました。一応、子供も観る映画なので、もう少し分かりやすく作ってほしかったな。子供には、何が起きたのかわからずに終わってしまったと思います。


 

私は、基本的にジブリアニメは好きです。トトロとか、ナウシカとか、もののけ姫、千と千尋の神隠し、ラピュタ、紅の豚、などが好きです。映画としては、「かぐや姫の物語」は素晴らしかったと思います。でもね、やっぱり多くの作品の中には、自分に合わない作品もありました。なので、今作は、私には納得がいきませんでしたが、ジブリ作品は好きなままです。私は出来れば、トトロの頃のように、子供を子供として描き、その世界を広げるような作品が、また観たいです。子供と楽しめる作品が嬉しいなぁ。

 

初めてのオールCGアニメということでしたが、あまり美しいとは思えませんでした。ただ、ツルツルしているようで、あんまり柔らかさを感じないんです。それにミミズとかが出てきても、リアルじゃない。それならCGにする意味が無かったのでは?と思いました。この映画で良いと思ったのは声だけかな。寺島さんと豊川さんと濱田さんが上手いので、なんとか観ていられました。そんなに長い映画ではないけど、辛かったです。

 

 

私は、この映画、お薦めできません。ごめんなさい。何故かは、書いた通りです。したたかというのは悪いことではないですが、したたかであればあるほど、人は孤独になります。子供にそんな思いをさせたくありません。仕方ない事もありますが、出来れば一緒にいてあげられる人間がいて欲しいです。映画はフィクションですから、子供が幸せになれる作品が観たいな。それが理想だとしてもです。もし、気になった方がいらしたら、ぜひ、観に行ってみてください。

出来れば、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「劇場版 アーヤと魔女」