「Summer of 85」16歳のひと夏の初恋はアレックスを大人に変えていきました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「Summer of 85」を観てきました。

 

ストーリーは、

ヨットで沖に出た16歳のアレックスは突然の嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出される。2人は友情を深め、それはやがて恋愛感情へと発展し、アレックスにとっては、それは初めての恋となった。そんな2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てるが、ダヴィドの不慮の事故により、2人の時間は終わりを迎える。生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった。

というお話です。

 

 

セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た16歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ転覆してしまう。助けを呼ぶアレックスに手を差し伸べたのは、ヨットで近くを通りかかった18歳のダヴィドだった。運命の出会いを果たした二人だが、その6週間後に、ダヴィドは交通事故で命を落としてしまう。

そして、今、アレックスは警察に拘束され、少年審判を受けるために裁判所にいる。一体、二人に何があったのか。アレックスの口から語られ始める。

永遠の別れが訪れることなど知る由もない二人は急速に惹かれ合い、友情を超え、やがて恋愛感情で結ばれるようになる。アレックスにとってはこれが初めての恋だった。互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案によって「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる二人。



 

しかし、一人の女性の出現を機に、恋焦がれた日々は突如終わりを迎える。ケイトは、イギリスからフランスに帰ってきたばかりで、フランス語を思い出す為にアレックスに海辺で声をかける。仲良くなった二人だが、海辺で再会した時、アレックスとダヴィドは一緒で、ダヴィドはケイトを気に入ってしまう。

嫉妬に狂うアレックスとは対照的に、その愛情の重さにうんざりするダヴィド。二人の気持ちはすれ違い、アレックスはダヴィドの前から走り去る。アレックスを負ったダヴィドは事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、同性の恋愛を描いているので話題になっていますが、基本的には、今までにも良くあった、ひと夏の恋愛のお話です。男女のひと夏の恋の映画は多いですよね。「君がいた夏」とか「(500)日のサマー」、「ベティ・ブルー」、「きみに読む物語」などなど。同性のひと夏の恋だと「君の名前で僕を呼んで」かしら。あれもひと夏でしたよね。なので、内容的には目新しいものではないのですが、何が良いって、主人公のアレックスの心理描写が上手いんです。

 

主人公のアレックスは16歳で、まだまだ子供のようでした。両親に守られて、優等生とは言わないけど真面目な学生で、素直な青年でした。そんな彼が、ある日、一人で、友人のヨットで海に出ていて転覆させてしまいます。助けを求めていると、そこに現れたのがダヴィドでした。彼もヨットに乗っていて、アレックスにヨットの起こし方を教え、岸まで牽引してくれたんです。ダヴィドは、びしょ濡れのアレックスを家に招き、着替えさせてと、凄くイイ奴に見えますが、実はいい加減な人間だというところがチラホラ見えます。

 

 

アレックスが、乗っていた友人のヨットをハーバーに持っていくからと帰ろうとすると、ダヴィドは自分がやっておくから学校に行けと言うんです。カッコつけて良い人のように見せるのですが、ダヴィドは何もせずにヨットは放置したまま。その他にも、何かおかしいところがいくつか出てくるのですが、アレックスは、どんどんダヴィドが好きになっていっているので、彼の酷い部分は見えないんです。

 

最初は良い友達同士で、恋愛感情ではないのですが、アレックスは、ダヴィドのちょっと大人な雰囲気と、父親の後を継いで夢を語る彼に惹かれていき、好きになっていきます。ダヴィドも、美しいアレックスを気に入り、二人は恋人同士に。でも、ダヴィドが本気だったのかどうかは、何とも言えません。アレックスは、自分だけのダヴィドだと思っていました。

 

 

なので、ダヴィドが海辺で出会った女性・ケイトを、アレックスの目の前で口説き始めた時、アレックスは激怒してしまいます。まぁ、当たり前ですよね。自分と付き合っていると思っている相手が、ほかの人を口説いているんですから。でもね、ダヴィドって青年は、元々、そういう人なんです。一人だけで満足する人じゃないってことは、それまでの色々な事で解っていたハズなのに、アレックスは恋愛の経験も無いし、ダヴィドに夢中になっていたから、見えていなかったんです。

 

こうやって解説していくと、本当に良くある恋愛映画でしょ。好きな男に裏切られて、彼の前から走り去るっていうシチュエーションです。なんだけど、このアレックスを演じているフェリックス・ルフェーブルさんが、凄く綺麗なんですよ。可愛くて本当に美しいので、彼がダヴィドを目で追っている姿は、初恋で輝いているアレックスそのものだったんです。とても魅力的でした。

 

 

ダヴィドの母親が、ダヴィドが亡くなったのはアレックスのせいだと言って、アレックスをすごく責めるのですが、酷い母親だなと思いました。だって、それまで息子の生活が荒れていた事を知っていて何もせず、アレックスと付き合い始めて少し真面目になってきたら、ダヴィドのことをお願いと言って頼むんです。いやいや、アレックスはまだ16歳で、ダヴィドは、もう社会人でしょ。あんたが保護者なんだから、社会人になってもふらふらしている息子を教育すべきですよって思いました。

 

この母親、ちょっとおかしいんですよ。だって、初対面のアレックスがお風呂に入ろうとすると、一緒に入ってきて、嫌がる彼の服を全部脱がしてあげるんです。いくら何でも16歳の青年を裸にするって、それ、虐待として訴えられますよ。ちょっとおかしな女性でした。

 

 

アレックスの両親は一般的な両親で、息子を心配してという感じでした。良いご両親だったと思います。この映画を観る限り、ダヴィドの母親はちょっと変わっていて、ダヴィドの攻撃的で刹那的な生き方は、彼女のせいなのかなと思えました。なので、ダヴィドが亡くなったのは、私は母親のせいだと思っています。

 

原作小説の題名は「おれの墓で踊れ」というもので、アレックスは、彼と約束した、どちらかが死んだら”墓の上で踊る”という約束を果たそうと思うのですが、まぁ、どうなるのかは映画を観てください。アレックスの初恋は悲しい終わり方となり、彼は成長していきます。ひと夏の恋でしたが、彼にとっては衝撃的で、一生忘れられない初恋だっただろうと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。今までにもあるひと夏の恋の映画ですが、この美しい二人の青年の恋愛は、観る価値があると思いました。私、アレックス役のフェリックス・ルフェーブルさん、また観たいなぁ。ティモシー・シャラメさんの後は、この子じゃないかって思うくらいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「Summer of 85」