「イン・ザ・ハイツ」を観てきました。
ストーリーは、
変わりゆくニューヨークの片隅に取り残された街ワシントンハイツ。祖国を遠く離れた人々が多く暮らすこの街は、いつも歌とダンスであふれている。そこで育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーの4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追っていた。真夏に起きた大停電の夜、彼ら4人の運命は大きく動き出す。
というお話です。
4人の子供たちがウズナビ・デ・ラ・ヴェガにお話しをして欲しいとせがんでいた。海辺に近い風の吹く店で、ウズナビは、静かに話しをし始める。
ニューヨーク市の北部“ワシントン・ハイツ”は、いつも音楽が流れる、実在する移民の街。ウズナビは、その町でコンビニエンスストアを経営していた。これと言って取柄のない青年だったが、父が故郷のドミニカで経営していた海辺の飲食店を復活させたいとお金を貯めていた。
ウズナビの店では従弟のソニーが働いており、近所には、母親がわりのアブエラ、サロンを営むダニエラとカーラ、2人のサロンで働くヴァネッサ、タクシー会社を営むケヴィンが住んでいた。みんな、同じ南米からの移民であった。
ある日、ケヴィンの娘ニーナが実家に戻ってきた。スタンフォード大学に進学したニーナは、地区住民の希望の星だったが、ある問題を抱えて大学を辞めて帰って来たのだった。
ニーナのことを思っているケヴィンの会社で働くベニーは、彼女を大学に行かせるために交際を断ったのに、彼女の帰還を知り、戸惑う。ケヴィンもベニーも、ニーナには、この地域に住む移民たちには出来ない、大きな目標を持って欲しかったからだった。
そんな時、街の住民たちに住む場所を追われるような危機が訪れる。今までにも、たくさんの困難を乗り越えてきた彼らは今回も何とかしようと立ち上がるのだが、突如起こった大停電の夜、街の住人達そしてウスナビたちの運命が大きく動き出す。
思い出話を子供たちにするウズナビは、話をしながら心は懐かしい街へ戻っていく。そして・・・。 あとは、映画を観てくださいね。
この映画は、2005年に初演されたミュージカルの映画化です。トニー賞、グラミー賞を受賞したミュージカルで、何度か映画化の話があったものの中断してしまい、2018年ごろにやっと映画化の目途がついたのだそうです。
ミュージカルの映画化ですが、もっと映画っぽくなっているのかと思っていたら、どちらかというと、ミュージカルに近い感じの作りで、うたって踊る部分が、これまでのミュージカル舞台の映画化よりも多いと思いました。なので、ストーリーの描き方としては、ちょっと足りない部分もあるかなぁと思いました。
簡単に言うと、ウズナビという夢を叶えた男性が、昔のことを思い出して、懐かしみながら、子供に話をしているということです。彼らは、ドミニカなど南米からの移民が多く住む地域に住んでおり、その地域はワシントンハイツと呼ばれていて明るく暮らしてはいたが、生活は苦しく、移民の中には不法移民もおり、アメリカ国民としての権利が与えられずに苦しんでいたということなんです。
そんな彼らの中から、頭が良くスタンフォード大学に入学したニーナがおり、希望の星だったのですが、実家に帰ってきてしまいます。色々な問題があったようなのですが、やはり移民ということで、差別があったようです。アメリカには、黒人に対しての差別もありますが、南米の人々に対しての差別も多々あるようでした。もちろん、アジア系への差別もありますもんね。
ニーナが帰ってきて、父親のケヴィンはとても心配します。ニーナを愛しているベニーも、ニーナが帰って来たのは嬉しいけど、彼女のことを思えば思うほど、この移民の街で一緒に潰れてしまうことを心配します。誰もが、この街には未来が無いと思っていたからなんです。
アメリカの移民問題は、トランプ前大統領の時にも大きく問題になっていて、壁を作るとかなんとか言っていたでしょ。結構、差別も酷いのかなと思いました。それでも、負けずに頑張っている人々はたくさんいて、彼らの居場所を作るために頑張っているんです。そんな姿が描かれていました。
主人公のウズナビは、そんな移民たちの中では珍しく、故郷のドミニカに帰って、父親の店を再建する夢を持っていて、そのために日々働いています。朝から晩まで、真面目に働いて、コツコツとお金を貯めて、やっと父親の店を買い戻すだけのお金がたまったんです。そんな時に、色々なことが起きていくというお話でした。
まぁ、お話も面白いですが、それよりも音楽とダンスが素晴らしかったと思います。観ていて気持ちが良いんです。日々の苦労を、楽しく踊って吹き飛ばすという感じで、それはもう、ラテン系のダンスなので、激しいし、楽しいし、美しかったです。
音楽も多くて、楽しめましたよ。セリフをしゃべっていたと思ったら、そのまま歌に入っていき、大勢でのダンスに入るような、フラッシュモブ的な場面も多かったです。激しいダンスだったなぁ。楽しめました。
お話としては、最後に大きな展開があり、そうなるのかぁと驚きました。楽しめましたよ。移民の問題などを描きながらも、人々の逞しさややさしさを描いていて、良い作品だと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、超をつけたいけど、実は、観た映画館のエアコンがぬるくて、この映画、がっつり冷えた映画館で観た方が楽しめるのに、ちょっとがっかりでした。映画が悪いわけじゃないんだけど、そんな訳で超がつけられません。冷えた映画館で観たら、スッキリして、観た後に気持ちよくなると思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「イン・ザ・ハイツ」