「共謀家族」をオンライン試写会で観ました。cocoさんのサイトで当選しました。
ストーリーは、
幼少時に中国からタイに移住したリー・ウェイジエは、現在はインターネット回線会社を経営しながら、妻や高校生の長女、まだ幼い次女と幸せに暮らしている。信心深く穏やかな人柄の彼は、地域の誰からも好かれていた。ある日、サマーキャンプに出かけた長女ピンピンが、不良高校生のスーチャットに睡眠薬を飲まされ、暴行の様子を撮影されてしまう。動画をネットに上げると脅されたピンピンは、そのスーチャットと揉み合いになり彼を殺害してしまうが、スーチャットは警察局長の息子だった。映画マニアであるリーは、それまで見てきた映画のトリックを応用して完全なアリバイ作りに着手する。
というお話です。
東南アジア、タイ。リー・ウェイジエは、幼き日に中国からこの地に移り住んできた。今は妻のアユー、高校生の娘ピンピン、まだ幼い娘アンアンの一家4人で幸せな毎日を送っている。小さなインターネット回線会社を経営しているリーは、信心深く穏やかな人柄で、地域の誰からも好かれていた。『ショーシャンクの空に』が大好きなリーは、暇さえあれば事務所で映画ばかり観ている映画マニアでもあった。
そんなある日、サマーキャンプに出掛けたピンピンが、不良高校生に睡眠薬を飲まされて暴行され、その様子をスマホで撮影されてしまう。ネットに動画を上げると脅されたピンピンは、自宅にやってきたその不良、スーチャットからスマホを奪おうと揉み合いになり、誤って彼を殺してしまう。スーチャットは、地区の警察局長の一人息子だった。
出張から帰り、妻からすべてを聞かされたリーは、愛する娘と家族を守るため、完璧なアリバイ作りに着手する。常々「映画を1000本も見れば、世界に分からないことなどない」と考えていたリーは、それまで観てきた膨大な犯罪映画のトリックを応用し、捜査の先の先まで読み尽くした完全犯罪を計画する。警察の事情聴取に備え、妻子に想定尋問を繰り返すリーと家族との「共謀」の先にはしかし、予想もつかない結末が待っていた。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったですよ。映画好きな男が、家族の危機に遭遇し、映画を元に、何とか切り抜けようとする内容なんです。色々な映画のトリックが使われていたと思うのですが、この展開を観ていて、私は「容疑者Xの献身」を思い出しました。トリックの部分が、とても似ています。あと「さまよう刃」かな。どちらも東野圭吾先生の原作だと思いますが、本当に良く似ていました。
最初は2013年にインド映画として作られ、その後、ヒンディー語でリメイクして、その後、この中国版が出来上がったそうです。なので、3作目になるのかな。評判が良かったので、何度もリメイクされたのだと思います。確かに面白いと思いました。でも、上にも書いたように、日本人は、東野圭吾原作の「容疑者Xの献身」を2008年に観ているので、どこか既視感があるのではないかと思います。
警察局長の息子に暴行され、スマホ撮影の動画で脅され、その息子を殺してしまう所からが、似ています。あとね、警察の尋問があっても、決して嘘をつかない事、真実のみを言う事という部分が、堤さん演じる石神が使ったトリックと同じなんです。ま、元々、主人公が映画を沢山観ていて、映画を元にトリックを考えているというベースがあるので、あー、容疑者Xをマネしたのね~って思えばよいんだけど、本当にそのままなので、先が読めてしまい、その部分がちょっと残念でした。知らなければ、もっとドキドキしたんだろうけどね。
でも国が違うから、警察と人々との関係も違います。タイでは、警察がとても横暴で、国民に文句を言わせないような、強硬な事をしても平気な感じの空気が漂っていて、容疑者なのに、尋問ではなく、拷問をするんです。酷いでしょ。犯人と解ってから、詳細を話せと言って拷問しちゃうならまだ解るけど、犯人じゃないですって言っているのに、拷問して吐かせるのは現代じゃないですよ。人権侵害になります。その辺りの違いがあり、ドキドキしました。子供まで使って拷問するから、酷いなぁと思いました。
リーは、中国からタイに移民してきた人という話が最初にあるのですが、きっと、それが何か疑われるとか、嫌がられるとか、何か理由があると思うのですが、中国とタイの関係がよく解らないので、その事が、事件にどう関係しているのかが解りませんでした。何か、きっと、タイの人々から、ちょっと異質に思われるような何かがあるのだと思うのですが。
映画として上手いなぁと思ったのは、最初の場面と、最後の方の場面がリンクしているという事なんです。もちろん、同じ場面な訳ではないですよ。映画が始まってすぐに出てくる場面は、リーの想像の中の場面なんです。沢山の映画を観ていて「ショーシャンク~」が好きなので、自分もその主人公と同じ立場に立って、こうしたらとか、ああしたらとか、色々想像をしているんです。そしたら、それと同じような場面が、自分に本当に巡ってくるという、面白いシチュエーションでした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。日本映画を思い出すようなトリックですが、それは映画を真似てというベースがあっての事なので、それを楽しんで観るというのも良いと思いました。だって、世界の映画で、邦画のトリックが観れるなんて、そんな嬉しい事無いじゃないですか。映画の設定を楽しみながら、同じトリックだぁ~と楽しんで欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「共謀家族」