「100日間生きたワニ」を観てきました。
ストーリーは、
桜が満開に咲き誇る3月、約束したお花見の場にワニの姿はなかった。心配した親友のネズミが桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、 それを受け取ったワニのスマホは画面が割れた状態で道に転がっていた。花見までの100日間、ワニの日常は平凡でありふれたものだった。花見から100日後、桜の木には緑が生い茂り、ワニの仲間たちはワニとの思い出と向き合えず、互いに連絡を取ることも減っていたが・・・。
というお話です。
桜が満開の3月、みんなで約束したお花見の場に、ワニの姿はない。親友のネズミが心配してバイクで迎えに行く途中、満開の桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、それを受け取ったワニのスマホは、画面が割れた状態で道に転がっていた。
100日前、入院中のネズミを見舞い、大好きな一発ギャグで笑わせるワニ。毎年、みかんを送ってくれる母親との電話。バイト先のセンパイとの淡い恋。仲間と行くラーメン屋。大好きなゲーム、バスケ、映画・・・。ワニの毎日は平凡でありふれたものだった。
お花見から100日後。桜の木には緑が茂り、あの時舞い落ちていた花びらは雨に変わっていた。仲間たちはそれぞれワニとの思い出と向き合えず、お互いに連絡を取ることも減っていた。そんな中、みんなのクラス街に新たな出会いが訪れる。引っ越ししてきたばかりで積極的なカエルに、ネズミたちは戸惑いを隠せず・・・。(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
話題の作品、観てきました。観ようかどうしようか、悩んだのですが、観ないで文句を言う訳にもいかないので、観る事にしました。内容は、Twitterで描かれていた漫画と、その後のネズミくんたちのお話が描かれていました。そんなに毛嫌いされるような内容ではなく、身近な人が亡くなったり、居なくなったりすると、こんな風になるなぁって感じで、良いお話ではあるんです。感動するし、もし、自分がこのキャラクターの誰かの立場になっていたらと思うと、ちょっと泣けてくるかもってお話なんです。
ワニがいなくなり、その代わりのようにカエルが町にやってくるのですが、このカエルがウザいんです。でもね、カエルが新しい町にやってきたのにも理由があって、彼も心に傷を持っているんです。喪失感があり、新しい事に踏み込めなかったネズミくんも、カエルが同じような傷を持っていると知り、少しづつ受け入れていく姿が、優しいなって思えて良かったです。人を受け入れるって難しいけど、壁を作ってばかりじゃ世界は広がらないわよね。
これ、映画化する前のやり方が悪かったので、誰もがアンチになってしまったし、毛嫌いされる感じになっちゃったんです。私もほとんど毎日、「100日間生きたワニ」を読んでいたので、最後にきて、書籍化やグッズ化、映画化の発表があり驚きました。電通の戦略なのかとか、汚いやり方とか言われて、一気に炎上してしまったのも頷けるかなと思います。
映画の内容は悪いとは思いませんでした。感動するし、誰もが友人などの死を経験してしまうと、トラウマになるし、心に傷が残るし、いつまでも思い出が消えないというのがあると思うんです。そんな悲しい思いを描いていたし、突然に居なくなってしまったワニくんだけど、それまでは、本当に普通に生活をしていたし、何の不安も無かったと思うんです。死は、突然にやってきて、突然に友人を奪ってしまう。それが友人なのか、明日は自分なのか、全く解りません。だからこそ、毎日を楽しく、精一杯生きて行く方が、イイですよっていう気持ちになる映画で、生きる為の基本を教えてくれるような内容になっていて、脚本もよく出来ていたと思いました。
しかし、やはり文句も多いです。だって、60分ちょっとしか無いんですよ。”映画大好きポンポさん”でも言っているように、90分は無いと映画にする意味が無い。60分ならTVで良いでしょ。何のために映画にしたんですか?60分で1900円も取って良いと思いますか?って事なんです。もし、60分で上映するなら、1000円均一にするとか、何かするべきでしょ。まして、アニメーションも、ほとんど動きがありません。絵本的な感じです。
あれだけ映画化する時に炎上したのだから、60分になると解った時点で、1000円で上映すると言えば、みんなも納得しただろうし、公開時に映画館に嫌がらせされたりなんて無かったと思うけど。お金を儲けたいのは解るけど、あまりにもえげつないことをしてしまっては、誰もが引いてしまいます。
それに、うーん、ごめんなさい、キャラクターが可愛くないんです。LINEとかのスタンプで使うくらいなら、このレベルでも良いけど、大画面で動くとなると、このレベルの粗いキャラクターだと、どうしても、統一性が無くて、可愛く見える時と見えない時があるでしょ。アニメで動かすなら、いつも可愛くないといけないし、設定がキッチリしていないと、時々、それなに?って事になるんです。
今回、ワニ、ネズミは判ったけど、モグラはカツラ被ったなんなんだろうって思って、解りませんでした。それと、カフェのバイトちゃんって、なんなんでしょ。ヘビなの?トカゲなの?こんなに絵が微妙なままアニメにするって、いくら何でも、もう少し考えて欲しかった。ただ、人間を動物に見立てただけって事だから、なんでも良いと思ったのかな。
ああー、いかん!やっぱり文句を書いてしまうっ!この映画というか、作品に何の恨みもある訳ではないのですが、前もっての炎上騒ぎが無いとしても、やっぱり、60分で通常料金、ましてアニメに動きがほとんど無く、難しい絵コンテなんて必要が無かったと思われ、もちろん難しいCG制作も必要が無かったハズで、いっぱしに映画と謳っているところが気に食わないっ!あ、言ってしまった。つい、心の声が文字に出てしまった。だって、あの「鬼滅の刃」や「シン・エヴァンゲリオン」と同じ料金ですよ。よく考えて欲しいです。なんか、アニメをバカにされたような気持ちと、映画ファンをバカにされたような気持ちになってしまいました。
何度も書きますが、恨みがある訳でも何でもありません。ただ、観た後に、ちょっと、イラっとしたかなという事です。映画は、観た後に気持ち良く出て来るか、考えさせられて出てくるのが良いと思っているのですが、今回は、ダメでした。悪いお話だとは思いません。どちらかというと、良い内容だとは思います。でも、出来たものをお客様に提供する部分で勘違いしているんじゃないの?って思いました。
私は、この映画、あまりお薦めしたくありません。内容は良いけど、あまりにも金儲けって言うのが見えてしまっていて、嫌な気持ちになりました。でも、映画の内容は良いので、勿体ないと思います。これでせめて料金が1000円になっていれば、みなさんに喜ばれたし、受け入れて貰えただろうにね。「一文惜しみの百知らず」と言いますが、まさにこの映画の事のように思います。あれだけ炎上したのだから、挽回してから公開しなきゃいけなかったのに。もし料金を下げておけば、倍の人が観に行って、興行収入だって上がったと思いますよ。もし、気になった方がいらしたら、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「100日間生きたワニ」