「王の願い ハングルの始まり」を観てきました。
ストーリーは、
朝鮮第4代国王・世宗の時代。朝鮮には自国語を書き表す文字が存在せず、上流階級層のみが中国の漢字を学び使用していた。この状況をもどかしく思っていた世宗は、誰でも容易に学べ、書くことができる朝鮮独自の文字を作ることを決意する。世宗は低い身分ながら何カ国もの言語に詳しい和尚シンミとその弟子たちを呼び寄せ、文字作りへの協力を仰いだ。最下層の僧侶と手を取り合い、庶民に文字を与えようとしている王の行動に臣下たちが激しく反発する中、世宗大王とシンミは新たな文字作りに突き進んでいく。
というお話です。
朝鮮第4代国王・世宗の時代。これまで朝鮮には自国語を書き表す文字が存在しておらず、上流階級層だけが特権として中国の漢字を学び使用していた。この状況をもどかしく思う世宗は、庶民でも容易に学べて書くことができる朝鮮独自の文字を作ることを決意したが、一人で全てを作る事は到底無理だった。
そんな時代、世宗の前王は仏教の経典を日本に譲渡すると約束していた。朝鮮は儒教の国であり、仏教の経典など必要無いと思ったからだった。しかし、経典を管理していた和尚シンミは、朝鮮にも仏教徒はおり、渡すことは出来ないと突っ撥ね、日本は日本独自の経典を作るようにと言い渡す。
そんなシンミの頑固さと、文字の知識の多さに驚いた世宗は、シンミに、自分と一緒に庶民も使える朝鮮独自の文字を考えるのを手伝って欲しいと頼む。低い身分ながら何カ国もの言語に詳しい和尚シンミとその弟子たちを呼び寄せ、協力を得て、文字作りに着手する。
しかし、王を取り巻く臣下たちは、国の最高位である王様が最下層の僧侶と手を取り合い、庶民に文字を与えようとしている前代未聞の事態に激しく反発。逆境と葛藤のなか、世宗大王とシンミは民へ贈る新たな文字作りに突き進んでいく。後は、映画を観てくださいね。
うーん、朝鮮が独自の文字を制定するまでのお話でした。ハングル文字って、元々、サンスクリットとか、そちらの文字が元になっているんですね。初めて知りました。その文字が出来るまで、中国の漢字を使っていたというんですから、元々は、韓国は中国の一地方だったということと思ってよいのかしら。韓国の歴史を知らないので、そんなくらいの雰囲気で、映画を観てみました。
文字を作るっていう感覚がどーもピンと来ず、漢字を使っていたというけど、自分の国の文字じゃないというんでしょ。うーん、その頃、日本は室町時代で、既に文字はたくさん存在していて、ひらがなや漢字を使い分けていたので、何とも朝鮮の感覚が分らないんです。文字が無いのに、どうやって歴史などを書き残していたのかしら。不思議だなぁ。
ま、そんな国なので、口で発音する音を元に文字を作り始めるんです。あーでもない、こーでもないって、口に指を入れたりして、発音する時は、舌を上にくっつけるとか、発音を調べて、文字を作っていくんです。話としては面白いのですが、文字を作っていく過程が、あまりにも地味なので、凄く面白いかと言われると、ちょっと眠くなるなぁという感じでした。だって、動きが無いんですもん。
王様も、和尚も、ずーっと部屋に籠って、それぞれの発音で文字を決めて行き、”象形文字”のような感覚で文字を作っていくんです。ひらがなと同じ、50音で作っていたようでした。出来るだけ簡単に書けるモノということで、あのような簡単な文字になったようです。
私の感覚だと、文字って見た目もとても大切だと思っていて、日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、を混ぜることにより、その時の感情などを表すでしょ。とても表現豊かな言語だと思っているのですが、ハングルのあの線と点だけの文字だと、感情ってどうやって表現しているのかしら。日本語だと”嬉しい”と”うれしい”では、柔らかさが違うけど、そういう細かい表現の仕方があるのかしら。
簡単で解りやすく、誰でも文字が使えるという事で、素晴らしいと言われているのだと思うけど、感情表現が第一の日本とは、やっぱり考え方が違うのかなと思いました。伝えられれば良いというけど、私は、もっと細かく感情を伝えたいなと思うタイプなので、ハングル文字が出来たのは素晴らしいと思ったけど、ただ、伝聞用のツールが増えただけという風にしか思えませんでした。
そういえば、仏典をくださいって日本の僧が行って、追い返されていたけど、確かに、シンミという和尚がいう事は正しいかなと思いました。写本は貰っているのだから、ブッダの教えを日本に解りやすくして、日本の仏典として作れば良いですよね。シンミ和尚にしてみれば、自分が管理して教えを説いているのに、その元となる仏典を日本に譲れなんて言われても、譲れませんよ。王様が言おうと、それはダメだと思いました。
この映画、良い映画だとは思うんだけど、あまりにも考えている時間が多いので、疲れるし、眠くなるし、いつまでやってんの?って言いたくなっちゃうんです。一国の文字を作るんだから、当たり前なんだけどね。でも、映画だから、辛いんですよ。うーん、ソン・ガンホさんだったから、必死で起きていたけど、他の人だったら寝てると思う。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。朝鮮のハングル文字がどうやって出来たのかというのが解る、歴史エンタメでした。でも、日本人から観ると、ちょっと単純な文字だし、映画として観ていると、動きが少ないので、退屈に感じるかもしれません。内容は良い作品なんですけどね。気になったら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「王の願い ハングルの始まり」