「グリード ファストファッション帝国の真実」ファストファッションって酷い世界なのだと知りました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「グリード ファストファッション帝国の真実」を観てきました。

 

ストーリーは、

ファストファッションブランドの経営で財を成したリチャード・マクリディは、自身の還暦パーティを盛大に祝うため、ギリシャのミコノス島へやって来る。イギリス当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されたリチャードは、このパーティでかつての威光を取り戻そうとしていた。しかし、傲慢に振舞うリチャードと周囲との間には不協和音が生じはじめ・・・。

というお話です。

 

 

ギリシャ・ミコノス島。ファストファッション・ブランド経営で財を成したリチャード・マクリディの還暦を祝う為、離婚した元妻サマンサ、息子フィン、母マーガレットら家族一同が集まる。ここで盛大なパーティーを行う予定になっているのだ。

 

海岸近くにコロッセオを模した会場を作り、そこでライオンとのショーを催したり、プールサイドでコンサートを行ったりなど、多くのイベントを企画していた。しかし、海岸に行ってみると難民がテントで暮らしており、豪勢な雰囲気は飛んでしまう。何とか難民を移動させようとするが、海岸は私有地ではないため、その権限は無い。リチャードは目障りだと騒ぐのだが、ブレーンたちは困惑するばかり。

 

 

実は、同じ頃にイギリス当局から脱税疑惑や国外の縫製工場の劣悪な労働環境と待遇について追及されていたリチャードは、マスコミから”グリーディ(強欲な)・マクリディ”と揶揄されていた。名誉挽回のためショーアップされたパーティでかつての威光を取り戻そうと目論んでいた。しかし、世間の目は冷たく、湯水のように金を使い、沢山の客を招待しようとするも、訪れる客は減っているようだった。

 

そして、傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下との間には、徐々に不協和音が生じてしまっていた。パーティのスタッフである女性は、イギリス人であるがスリランカから養女になった女性で、彼女の母親は縫製工場での過酷な労働の末に事故で亡くなったのだった。口には出さずとも、傲慢なリチャードに良い印象が無いのは判る。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、面白かったです。ファストファッション帝国ってなんだろーなぁって思ったら、私の大好きな”H&M”とか、”ZARA”とかが、全部そうなのね。ユニクロもそうなのかな?

 

この映画では、そういうファストファッションの経営者が、えげつない値段交渉をして、インドネシアなどの安い労働者をこき使い、搾取をしているという事が描かれていました。こんなに酷い値段交渉しているんだなぁとちょっと驚きました。だって、例えば2,000円で売る物を、20円くらいで縫製させているんですよ。ちょっと、あまりにも酷くないですか?って思いました。そんなに安く買い叩かれてしまうため、数を沢山作らなければならず、労働者は休む暇もなく働かされてしまうんです。

 

 

それを買っているリチャードは、全く悪びれることなく、お金を無駄な事にバンバン使ってしまうんです。いやぁ、マジでえげつなかった。リチャードは、あまりにもえげつない商売をしていたので、イギリス当局から訴えられて、人気がガタ落ちになっているんです。人気が無くなって、有名人から距離を置かれるようになってしまい、何とかそれを挽回しようとして、自分の誕生日に盛大なパーティを開いて、沢山の有名人を招く計画をします。

 

ミコノス島のホテルを貸し切り、海辺のギリシャのコロッセオを模した闘技場を急遽作って、パーティを楽しみながら、闘技場でライオンと戦う姿を見せようと考えるんです。有名歌手なども高いお金を払って呼ぼうとするのですが予定が合わなかったりして、急遽、”そっくりさん”を呼んだりして、とにかく、この無駄な足掻きに笑ってしまいました。いくらでもお金を払うといいながら、少し安くさせようとするところが、本当のお金持ちでは無く、成り上がりだなと思いました。

 

 

お金の価値を解かっている人なら、それだけの価値のあるモノには払うし、そうでなければ一銭も払わないのが正しいでしょ。そういう考えが、全く頭に無いんです。だから、えげつないと言われてしまうのよね。酷い人物でした。でも、これが真実なのかもしれませんね。こういう人だからこそ、ファストファッションなんて言うものが、現れてきたのかなとも思いました。そして、それを喜んで買ってしまう自分もいて、うーん、と悩んでしまいました。

 

そうそう、この映画、一応、ギリシャ神話の「オイディプス王」のお話と重ねています。なので、コロッセオを作ったり、ライオンと戦うなどの話が出てくるのかなと思いました。ギリシャ神話のアガメムノンは、王の中の王と呼ばれますが、傲慢で非情で強欲な男でした。そんな神話と重ね合わせ、それが悲劇を呼びます。

 

 

それにしても、イヤな男でした。ファッションブランドを買収しては、銀行から金を借りて、それを自分の欲に使って会社を潰してしまうという、私もよく解りませんが、酷いお金の儲け方をしているようでした。そこら辺を法廷で問題視されて訴えられるのですが、その錬金術は凄いと思いました。例えば、それを知ったとしても、プライドがあるから、そんな事は出来ないと思うのに、平気なんですよ。変な部分にはプライドがあるけど、お金儲けに関してはプライドなんて無いんです。気分が悪かったなぁ。

 

そんな男なので、彼を恨んでいる人々は多く、本人は気が付いていなくても、家族からも疎まれている部分がありました。こんな自分勝手な父親では、息子もムカつくだろうなぁ。

 

映画としては、面白かったです。ファストファッション界はこんなところで、こんな風に洋服が作られているのかということが描かれていて、問題点も指摘されていました。確かに、こんなやり方は問題だなと思いました。いくら安い服が着れるとしても、こんなに酷いことをして作られていたと知ると、買いたくなくなります。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。映画として、とても面白いと思いました。真実も描いているし、それを物語として作っているので、とても観やすいんです。主人公のいやらしさも、良く描かれていました。ちょっと変わった、面白い作品だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「グリード ファストファッション帝国の真実」