「わたしはダフネ」母親という支えを失った娘と父親の助け合いのお話。ダウン症への理解が進みます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「わたしはダフネ」をオンライン試写会で観ました。cocoさん(@coco_official)のご招待でした。

 

ストーリーは、

明朗快活なダウン症の女性ダフネは、スーパーで働きながら両親と平穏に暮らしていた。しかし、母マリアが亡くなったことで生活が一変。年老いた父ルイジは自分が死んだら娘がひとり残されてしまうという不安にかられ、ふさぎ込んでしまう。そんな父にダフネは、一緒に母の故郷の村を訪ねてみようと提案。その旅は、母であり妻であった愛する人の死を乗り越え、父と娘が互いを理解しあうための、かけがえのない時間になっていく。

というお話です。

 

 

夏の終わり、父のルイジと母のマリアと三人で休暇を過ごしたダフネ。ダフネはダウン症だが、通常の生活に支障はない。仕事もしているし、ほとんどの事は自分で出来るように育てられてきた。

 

しかし、楽しいバカンスが一転、帰り支度の最中に突然マリアが倒れてしまう。すぐに病院に運ばれるが治療の甲斐なく、帰らぬ人に。あまりに唐突すぎる母の死に、ダフネは泣き叫び、感情を露にする。ルイジはそんな彼女を心配し、必死に落ち着かせようとするが、ダフネは辛く当たってしまう。



 

マリアの葬儀が終わり、普段の生活へと戻る二人。ダフネは、元来の明るさと、勤務先のスーパーマーケットの同僚や友人の支えによって、少しずつ日常を取り戻していく。一方、気丈にふるまっているようにみえたルイジは、喪失感と不安で押し潰されそうになっていた。一家の精神的支柱であったマリアがいなくなってしまった今、ダフネと二人だけで、どう生活していけばいいのか。

そんな父の異変に気付いたダフネはある提案をする。それは、母の故郷コルニオーロへ歩いて向かう、ことだった。そして、その旅は、二人に、日常の中で与え合い赦し合うことが、しあわせなのだという事を気付かせてくれる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

オンライン試写会にて、観させていただきました。ダフネという、ダウン症の障害を持った女性とその家族のお話です。このダフネは、ダウン症だからと言って何か不自由な事がある訳ではなく、時々興奮したり、適応が出来なかったりはあるものの、スーパーで働き、友人とも仲良くやっているんです。母親と仲が良く、自立心旺盛に育ってきました。

 

しかし、ある日、突然に母親が亡くなってしまうんです。予期せぬことに動揺して、ダフネは抑えが利かなくなり、騒いでしまうのですが、父親では抑えきれません。今までは、母親がいたからこそ何とかなっていたのですが、父親のルイジは、娘との関係に慣れておらず、娘の行動の理解が追いついて行かないのです。

 

 

映画の途中で、ルイジが友人に告白する場面があるのですが、ダフネが産まれた時、怖くて見に行けなかったというんです。何日か後に、やっと病院へ行くと、妻のマリアがダフネを触らせて、私たちと何も変わらないから大丈夫だと言い、受け入れることが出来たと告白するんです。この場面、とても正直な描き方だなと思いました。

 

綺麗事で大丈夫だと言っていても、自分とは違うし、どう接して良いのか分からないと思うんです。それは怖いと思いますよ。でもね、そういう夫をマリアが理解して、優しく近づけようとするというのが、素晴らしいと思いました。時々、”自分の娘でしょ”とかキツイことを言って、夫に受け入れさせようと強制する母親がいるような事も聞きますが、怖いものは怖いんですよ。それは動物の本能です。野生動物は、障がいがあるようなら育てないと言うでしょ。それって、現実なんです。

 

 

でも、人間のように進化して、どちらかが歩み寄ることが出来るようになったなら、一緒に生きることが出来るという事なんだと思うんです。少し違うだけで、ルイジも娘を受け入れられる気持ちになったのかなと思いました。そんな父と娘だったのですが、二人を繋いでいたマリアを失い、ダフネにもキツい言葉を浴びせられて、ルイジは落ち込んで、誰に助けを求めて良いのか分からなくなってしまったのだと思います。

 

そんなルイジの様子に気が付いたダフネは、自分の態度も悪かったし、父親が自分と同じように悲しんでいる事に気が付いて、優しく歩み寄るという姿が、何とも素晴らしいと思いました。父親と娘なんて、普通でも関係が難しいんだから、そりゃ、大変だと思いますよ。当たり前です。

 

このダフネが、心底明るくて、冗談も言ったりして、凄いんです。障がいなんて何のそのって感じで、吹き飛ばしてくれるんです。それも良かったなぁ。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。とても淡々としていて、盛り上がりには欠けるかもしれませんが、何だか、気持ちが温かくなるんです。途中で、ダフネがダウン症だって事を忘れるくらい、普通に旅をしていて、笑ってしまいました。父親のルイジも可愛くて、イイ親子だなって思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「わたしはダフネ」