「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」を観てきました。
ストーリーは、
生まれたばかりの赤ん坊と耳の不自由な娘のリーガン、息子のマーカスを連れ、燃えてしまった家に代わる新たな避難場所を探して旅に出たエヴリン。一同は、新たな謎と脅威にあふれた外の世界で、いつ泣き出すかわからない赤ん坊を抱えてさまようが・・・。
というお話です。
ある日、長男・マーカスの野球の試合観戦に来ていたアボット一家。父親のリーは買物をして、少し遅れて野球場に到着する。一家でマーカスを応援していると、上空から火の玉が落ちて来る事に気が付きます。皆、危ないと思い、試合を中断して家路に着き、リーとエヴリンは子供たちを連れて車で逃げますが、車の前に巨大な怪物が現れ、人間を襲い始めます。それが恐怖の始まりでした。
それから474日経ち、最愛の夫・リーと住む家を失くしたエヴリンは、産まれたばかりの赤ん坊と2人の子供たちを連れ、新たな避難場所を求め怪物と危険が溢れる外の世界へ旅立ちます。
鉄道の線路沿いに歩いていくと、罠が仕掛けて在り、警報音が鳴ります。怪物が音に寄ってくるのを知っている彼らは必死で逃げますが、マーカスが動物用の罠にハマり大怪我をし、上げた悲鳴により怪物が現れてしまいます。リーガンは、以前見つけた怪物の弱点となるノイスを発生させ、エヴリンがショットガンで怪物を殺します。
廃工場へ逃げ込んだアボット一家の前に、男が現れます。よく見ると知り合いのエメットでした。彼は一人生き残り、この工場跡地に身を隠していました。食料も無く、生きる希望を失っていたエメットは、明日には出て行ってくれと言います。
その夜、ラジオを付けると、ある場所から「ビヨンド・ザ・シー」という曲が流れてきます。生存者がいるという事です。頭の良いエメットは、直ぐにラジオ局のある位置を特定し、生存者のいる場所まで行こうと考え始めますが・・・。後は、映画を観てくださいね。
クワイエット・プレイスの前作の続きです。よく出来ていました。前作の後、父親を亡くしたエヴリンがどうしたのかということを描いています。でも、今回はちょっと違います。逃げるだけではなく、立ち向かい始める姿が描かれていました。前作で、音に敏感な怪物たちは、その性質ゆえにノイズという異質音を聞くと、頭を覆っている硬い殻を開いて嫌がるということが分かっています。それを利用して、開いたところをショットガンで撃てば殺せるということが判っているので、今回も、それを利用して、なんとか逃げおおせます。
既に父親のリーと息子を1人亡くしているアボット一家は、同じ場所に留まることを辞め、新しい場所に移動し始めます。どこかに生きた人間がいると信じて旅立つのですが、新しく見つけた場所には、知り合いのエメットが隠れていて、貯えもないので出て行けと言われてしまいます。エメットとは、マーカスの野球の関係で知り合いだったようですが、彼は、子供も息子も亡くして、一人でその場所に住んでいました。家族を亡くして、生きる気力も失くしていたんです。でも、エヴリンに出会い、娘のリーガンの強い意志に押されて、生きる気力を取り戻します。
リーガンは、耳が不自由で補聴器をつけているのですが、前作で、彼女の補聴器と放送機器が起こすハウリングに怪物が反応して、弱点を晒してしまうということが判っています。でも、うまく使わないと、怪物はとても速い動きをするので、簡単には倒せません。準備を十分にする必要があります。
今回、ラジオから音楽が聞こえてきた事で、生存者がいることが判り、もし放送で大きなノイズ音を発することが出来れば、怪物は弱点を晒して、人間が殺すことが出来るようになるということなんです。もちろん、音に気が付いて、それを使わなければ意味は無いのですが、リーガンは、人間を助けるために、手助けをしたいと思い、無謀だというマーカスと家族を置いて、行動に移します。気が付いたエヴリンは、エメットに止めてくれるように頼みますが、エメットは良い返事をしません。生きる気力を失くしたエメットには、どうでもよい事なんです。
そんな状況の中、リーガンは一人、放送を流している場所へ向かいます。この子は、とても頭がよく、根性があるんです。リーの頭脳を受け継いでいるのは、このリーガンなのでしょうね。少女なのに、しっかりしていて、凄かったです。
最初の方で、怪物が地球に訪れた時の状況が描かれますが、怪物がどこから来て、何の目的なのかということは、一切描かれないんですよね。どーも、宇宙船が爆発してしまい、たまたま、地球に落ちてきたのかなという感じでした。でも、怪物に知能があるように思えないし、本当に彼らが宇宙船を操縦していたのかということも、まったくわかりません。異星人が捕獲していた怪物が出てしまったのかということも考えられます。それに、火の玉が落ちてきたという風にしか描かれていないので、そもそも、あれが宇宙船だったかも怪しいんです。もし、今後、続編が作られるのなら、その辺りが描かれるのかな。でも、この2作目で終わった方が、雰囲気的には良いかもしれません。
それにしても、今回も不思議だったのですが、あの怪物たち、普段はどうしているのかな。音がすると、すぐに寄ってくるけど、そんなにたくさんの数が地球に来たとは思えないんですよね。繁殖しているのかしら。普段は、まったりと日向ぼっこでもしていて、音がしたら、ササッと動き出すのかしら。うーん、あまり描かれていないので、あの怪物の生態が知りたいなぁと思いました。まぁ、意思の疎通は出来ないんだろうけど。人間を捕食しているんですよね。それにしては、今回、人間の死体がゴロゴロとしていたので、食べてないのかな?って不思議になりました。怪物に関しては、謎のままです。
そういえば、今回は、もう一つ、怪物の弱点が判ります。この弱点と、ノイズを使って頭の殻を外すことが出来るのなら、人間が協力して行動すれば、敵の殲滅も出来そうだなって思いました。やっと対抗策が見つかった感じですかね。なので、作ろうと思えば、この続き、いくらでも作れるけど、でも、私は、ここで終わっても、十分に面白かったなと思いました。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。色々とごちゃごちゃ描くのではなく、もし地球に突然に怪物が襲来したらという内容で、しっかり無駄なく描くという点ではまったくブレが無いし、家族の絆を描いていくので、面白いと思いました。子供を守る親を描きながらも、子供の成長もしっかり描かれており、”老いては子に従え”という感じで、子供の意見を尊重するべきだということも描かれています。結構、感動作に出来ていたし、楽しめたし、ドキドキもあり、良い作品だと思いましたよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」