「はるヲうるひと」を観てきました。
ストーリーは、
その島には至るところに置屋が点在し、本土から日に2度来る連絡船が島への客の往来の足となっている。島に暮らす人びとはこの閉塞された島で一生を過ごし、女たちは客からの話を聞いて「外」への思いをはせ、男は女たちの多くが抱く夢を一笑に付して島に留まらせる。ある置屋の3兄妹。店を仕切る長男の哲雄は凶悪な性格で恐れられ、こびへつらう次男の得太を子分のように従えている。長女のいぶきは、長年患っている持病で床に伏している。この置屋で働く4人の個性的な遊女たちは、女を売る家で唯一女を売らず、誰よりも美しいいぶきに嫉妬していた。
というお話です。
その島は、至るところに「置屋」が点在する。本土からは日に二度連絡船が出ており、客の往来の足となっている。住民たちはこの閉塞された島で一生を過ごす。女は客から「外」の話を聞いて思いをはせる。男は、女たちのそんな「夢」を一笑に附して留まらせる。
ある置屋にその「三兄妹」はいた。長男の哲雄は店を仕切り、その凶暴凶悪な性格で恐れられている。次男の得太は哲雄にこびへつらい、子分のようにしたがっている。
長女のいぶきは、長年の持病を患い床に伏してる。ここで働く4人の個性的な遊女たちは、哲雄に支配され、得太をバカにして、いぶきに嫉妬していた。女を売る家で唯一女を売らず、それどころか優遇された箱入り娘。しかも、いぶきはだれよりも美しかった。その美しいいぶきを幼少から見守り寄り添う得太であった。ここから抜け出したくても抜け出せない。縛られた状態の得太は、ある秘密を抱えて苦しんでいた。
凶暴な哲雄の支配は兄妹も女たちも苦しめているのだが、ある出来事をきっかけに、得太がキレて、家族の秘密を哲雄に話してしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、観ていて辛い映画だったなぁ。佐藤二朗さんの監督作品で、出演俳優も豪華なんです。結構、暴力も多く、R指定部分も多いので、面白いというか、考えさせられる映画でした
小さな島で暮らしている兄弟3人なのですが、哲雄の母親と、得太といぶきの母親は違うんです。腹違いで、得太といぶきの母親が妾のような存在だったのかな?なので哲雄は、自分たち家族から父親を取った、得太といぶきの母親を恨んでおり、既に親は3人とも亡くなっているので、その恨みを得太といぶきに向けていて、酷い暴力を振るうんです。得太は負い目があるので、どうしても反発出来ず、いぶきを庇って、そこで我慢をしているんです。可哀想でしょ。
島には、主な産業も無く、置屋くらいしか商売が無いので、いくつも置屋があるようでした。こんな事って、昔はあったんですかね。というか、今もあるのかしら。私、あまり風俗とか置屋さんを知らないのですが、これって、売春だから違法なんでしょ。なんか、今更書いていて恥ずかしいけど、風俗と置屋とは違うのかな?置屋は売春するところみたいでしたけど、そういう理解でいいのかしら。
都会から来る人達は、置屋を目指してきていて、事を済まして帰るという、何とも不思議な島でした。そこまでして”シたい”んですかね。うーん、私には理解出来ないけど、まぁ、そういう人たちもいるんだろうなぁ。
哲雄は、そんな置屋を経営しながら、島に原発処理施設か何か(ちょっと忘れちゃいました。)を作るのを反対して、その和解金を取ろうとしているんです。仲間も多くて、この島では、裏ボス的な感じに見えました。いつも怒っていて、その怒りは、自分の平和な家族が壊れたことへの怒りだったのかな。だから、自分は凶暴な顔で周りを威圧しながらも、しあわせな家庭を維持しているんです。その「幸せな家庭」というものに執着しているように見えました。得太やいぶきには、絶対にそんな家庭を持たせてやるものかって感じに見えました。
それくらい、親が不倫とかをして家庭を壊すと、子供の心には傷になるんです。父親が不倫をして家族を捨てて出て行ったりする訳でしょ。離婚して子供たちから父親を奪った女性は、本当に犯罪ですよ。もちろん、夫婦の折り合いが悪くて、お互いに離婚をするなら良いと思います。でも、不倫の果てに、奥さんや子供から父親を奪うって、やっぱりダメでしょ。それは、一生許されない罪だと思います。どんなに新しい家庭を作ったとしても、一つの家庭を壊して作ったモノなのですから、それは恨まれますよ。新しい家庭の子供に罪は無くても、やっぱり恨まれているので、回りまわって、帰ってくるんじゃないかな。どんな理由があろうとも、子供から父親を奪った罪は消えません。
ま、この映画では、それが、ちょっと違った形で表れてくるんですけどね。最後の最後で、ちょっと驚くような展開が待っています。面白かったです。うんうん、ま、そんな事もあるよね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。親の罪により、残された子供たちが苦しんでいるということが、良く描かれていました。でも、ちょっと残酷な感じでしたね。観ていて辛いです。それと、少しモタモタしている部分もあったかな。オイルを塗って欲しいオジサンの結末は、イマイチ、私には理解が出来ませんでした。あれ、解った人、教えて欲しいな。ちょっと変わった映画なので、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「はるヲうるひと」