「トゥルーノース」北朝鮮の真実をアニメーションで再現。素晴らしい作品を良く作ってくれました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「トゥルーノース」を観てきました。

 

ストーリーは、

1950年代から始まった在日朝鮮人の帰還事業により北朝鮮に渡ったヨハンの家族は、両親と幼い妹とともに金正日体制下の北朝鮮で暮らしていた。しかし、父親が政治犯の疑いで逮捕されたことにより、母子は強制収容所に入れられる。極寒の収容所での苛烈な生活に耐え忍びながら、家族はなんとか生き延びていたが、収容所内の食料確保によるトラブルによって母が殺害され、自暴自棄となったヨハンは次第に追い詰められていく。そんなヨハンは、死に際に母が遺したある言葉により、本来の自分を取り戻していく。

というお話です。

 


 

1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員 が突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。そこでは少量の食べ物しか与えられず、毎日、キツイ強制労働をさせられる。

 

過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他者を欺き、裏切るようになり、一方、母と妹は人間性を失わず倫理的に生きようとする。ある日、娘が病気だという男性が家畜の兎を盗み、それを見ていたヨハンは上司に告げ口をしてしまう。男性は連れていかれ、ヨハンは上司に気に入られて待遇が良くなっていく。

 

 

そんなある日、ヨハンに告げ口された男の妻が、ヨハンに復讐をする為にナイフで刺そうとするが、ヨハンの母親を刺してしまう。強制労働と少ない栄養により体力が弱っていた母親はあっちという間に亡くなってしまう。自分の行動により、母親を失うこととなったヨハンは、心を入れ替え、絶望の淵で「人は何故生きるのか」その意味を探究し始める。

 

一方、ヨハンの妹ミヒが看守のリーに好意を持たれ、何かと関わるようになってくる。ミヒは一定の距離を取っていたのだが、ある日の夕方の帰り道、ミヒは遅くなり、一人歩いていると、りーに捕まり、レイプをされてしまう。怒った幼なじみのインスは、リーに掴みかかり、拷問部屋に連れていかれてしまう。すると、そこには、ヨハンの父親も収容されており、ずっとそこに監禁されていたようだった。インスは、ヨハンに父親からの伝言を伝え、希望を捨てないことを約束するのだった。

 

 

やがてヨハンは、希望を捨てず未来の事を考えるようになり、その戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。そして、とうとう行動に出る時が・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、昨年の東京国際映画祭で観たいと思っていたのですが、時間が合わずに諦めた作品です。この内容なら、日本公開すると思ったので、待っていました。

 

構成がとても上手くて、ちょっとラストに驚きました。上手いなぁ~って感じで、最後まで来て、また、その国の怖さと、そんな国にあっても、きっと希望を持っている人はいるという未来を感じる作りになっていました。この作品、日本とインドネシアの合作なんですね。


 

1960年代に日本から帰還事業で北朝鮮に渡った人々の事って、TVのドキュメンタリーなどで観たことはありますが、実際のところどうなったのかなんて、解りませんよね。それを、今回、北朝鮮から脱出した生存者の証言を元に描いたそうです。

 

あまりにも壮絶なストーリーで驚きました。だって、日本から北朝鮮に帰って、普通に暮らしていたんですよ。別に、批判的な事を言った訳でもなく仕事をしているのですが、少しでも集まって話をしていたり、批判をしている訳では無くても反発するような目つきをしているように見えただけで、収容所に連れていかれるようでした。監視をする人間の気持ち次第なんです。なので、みんな、監視官などにゴマを擦って、お金を渡したりして、何とか平穏を保っているんです。変な国でしょ。


 

そんな事が日常化している国で、日本から帰った感覚で生活をしなければならないんですから、辛いですよね。その頃は、まだ日本も貧しかっただろうけど、それでも北朝鮮のような理不尽な事も無かっただろうし、みんな、それぞれに楽しく暮らしていたと思います。そんな日本から行ったら、馴染むのが大変だったと思います。だって、日本では、みんなが普通にしている事が、悪い事になったりするんですから。

 

主人公のヨハンは、日本で生まれ、日本の考え方を持った北朝鮮人の両親に育てられているので、正しい事は正しい、間違っていることは間違っていると言って良いと思っているんです。でも、そんなことが通用する国ではありません。役人や政府の息のかかった人間がいう事が、全て正しいんです。例え黒でも白と言わなければいけないんですよ。なので、とても苦しみます。

 

 

正しい事をしても損をするばかりなら、もう辞めてやるという気持ちになり、一度は、仲間を裏切ったり、酷いことをするのですが、ヨハンの母親と妹は、どんなに苦しくても、決して汚い心に侵される事は無く、自分の思いを貫いて、美しい生き方を続けるんです。感動でした。日本で、きっと良い暮らしをしていて、周りも良い人ばかりに囲まれていたのでしょうね。決して、人を疑わず、裏切らないんです。なので、周りの人々も自分を恥ずかしく思い、考えを改めるんです。

 

そんな母親と妹により、ヨハンは自分が間違っていたことに気が付き、また、美しい心を取り戻し、収容所でも、良い生活が送れるように周りコッソリと協力するようにし、ここから何とかして抜け出せないかと考え始めます。そして、どうしても抜け出さないといけないような事態が持ち上がった時、仲の良かった幼なじみと一緒に、ある決断をします。

 

 

なんだか、もう、本当に最後は感動でした。こんな事が、今でもあるのかと思うと、信じられません。北朝鮮の人々は、何故、自分と同じ国民が苦しんでいるのを平気で見ていられるんでしょうか。本当に犯罪を犯して、刑務所に入って労働させられているというなら、まだ理解が出来ますが、ただ、不穏な態度を取ってしまったり、自分の考えを主張してしまっただけでしょ。もし、日本が明日、北朝鮮みたいになったら、SNSで悪口書いている人なんて、直ぐに逮捕になるし、バカなマスゴミも全員逮捕でしょうね。ホント、この映画を観ると、日本って、良い国なんだなぁと思い知らされます。

 

こんな風に苦しんでいる人たちを、何で助けてあげられないのかしら。あのでっぷりした指導者、何とかならないのかね。もー、見ていて気持ち悪いですもんね。ジャバ・ザ・ハットみたいで、よくあんな人を指導者で納得しているなって思っちゃいます。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。この内容は素晴らしいです。アニメが苦手な方でも、この映画は観た方が良いと思いました。隣の国で何が起こっているのか、知る必要があると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「トゥルーノース」