「ブラックバード 家族が家族であるうちに」安楽死を選んだ母親を家族は送ることが出来るのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ブラックバード 家族が家族であるうちに」の試写会に行ってきました。Fan’s Voiceさん(@FansVoiceJP) の独占最速試写会でした。

 

ストーリーは、

ある週末、リリーは夫ポールと暮らす海辺の邸宅に、娘のジェニファー、アンナとその家族、そしてリリーの学生時代からの大親友リズを集める。それは、ある理由によって死を覚悟したリリーが、“家族が家族であるうちに”過ごすために自ら用意した最後の時間だった。それぞれ平静を装いながらリリーの願いである最後の晩餐を共にする彼らだったが、あることをきっかけに緊張感が弾け、それぞれの秘密が明かされていく。

というお話です。

 

 

ある週末、医師のポールとその妻リリーが暮らす瀟洒な海辺の家に娘たちが集まってくる。病が進行し、次第に体の自由が効かなくなっているリリーは安楽死する決意をしており、家族と最後の時間を一緒に過ごそうとしていた。

長女ジェニファーは母の決意を受け入れているものの、やはりどこか落ち着かず、夫マイケルの行動に苛立ちがち。少し早めに実家に着いて、可愛いプレゼントを渡す。リリーが死ぬというのに、何故かソルト&ペッパーの容器を渡し、ジェニファーは、自分が動揺している事が解り、自己嫌悪に陥る。



 

しばらくすると、家族だけで過ごすはずの週末にリリーの親友リズが訪ねて来る。リリーが呼んだようだが、ジェニファーは納得がいかない。詳しい事情を知らなかった15歳の息子ジョナサンも、この訪問を不思議に思っていた。

長らく連絡が取れなかった次女アンナも、くっついたり離れたりを繰り返している恋人クリスと共にやってくるが、姉と違い、母の決意を受け入れられておらず、ジェニファーと衝突を繰り返す。アンナには事情があり、母親の助けが必要だったのだ。

大きな秘密を共有する家族がともに週末を過ごすなか、それぞれが抱えていた秘密も浮かびあがり、ジェニファーとアンナの想いは揺れ動き、リリーの決意を覆そうと試みる。リリーの安楽死を止める事は出来るのか。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

母親のリリーは、ALSかパーキンソン病のようで、全身が動かなくなると言っていました。既に左手は動かず、歩くのも大変そうでした。私も叔母がパーキンソン病で何年も苦しんでいたので、大変な事は解ります。でも、これだけ動ける状態で、既に安楽死を考えると言うのは、やっぱり私には、納得が出来ませんでした。でも、本人の希望と言われてしまったら、止められないかもしれませんね。

 

映画が始まってすぐに、リリーがベッドから降りる姿の場面があるのですが、彼女の身体の様子がよく作ってありました。申し訳ないけど、もうすぐ死ぬかもって人の足って、あんな感じなんですよね。青白くてむくんでいて静脈瘤が出ていて、あの足を見ると、もうすぐ死んじゃうのかなって子供ながら思ったものです。私、祖父が開業医で、子供の頃は祖父の家に預けられていたので、病院に来る患者さんや、入院している人の姿を良く見ていたんです。まだ小さくて、病院を探索していると、あの足の人を見て、死ぬってどうなるんだろうと考えたものでした。

 

 

身体のビジュアルはとても上手く作ってあったのですが、顔は、さすがにスーザン・サランドンさんの美しいままで演じていました。顔だけ見ていると、難病だなんて思えない感じでしたけど。綺麗なままで死にたいという事なので、そういう描き方だったのかな。

 

それに対して、娘役のケイト・ウィンスレットさんの野暮ったい感じが上手かったです。凄い役者になったんですね。ワザと中年を押し出して演技をしているので、凄くリアルなんです。感動しました。

 

夫のポールは医者で、きっと出来るだけの治療はしたのだろうけど、もう無理だと判って、リリーに死にたいと言われ、了承したのかなと思いました。もう諦めたように見えて、言葉も少ないんです。ポールの様子で、話合いを随分として、この決断に至ったのだろうという事が理解出来るようでした。

 

 

実は、もっと色々な秘密があるのですが、その秘密も、結構、ポールには辛いものだろうなぁと思うような事がありました。リリーは、最後に出来る事をするつもりで、色々な事をポールに頼んだのでしょうが、夫としては、これは辛かっただろうなと思います。娘よりも誰よりも、ポールが苦しんだと思います。だって、夫であり、医者なんですから。治療が出来ないから安楽死をさせるなんて、耐えられないと思いますよ。映画の中では、一番静かに、傍にいるだけの存在なんですけどね。

 

リリーの親友・リズが、何故か呼ばれるのですが、娘は良い顔をしないんです。家族だけの事なのに、なんで他人が入るのかと不思議に思うのですが、子供の頃からの思い出を辿ると、旅行などには、いつもリズが付いてきている事に気が付きます。実は、そんなに大事ではないんですが理由があり、リリーが優しいからこその事なんです。でも、娘からすると、他人に入られたくないという気持ちになるのは、とっても理解が出来ました。私も、もし、こういうシチュエーションなら嫌ですもん。


 

母の死を前に、色々な事出来事が思い起こされ、やっぱり母を死なせたくないという思いが二人の娘に持ち上がります。うーん、解る解かるって感じで、そりゃ、娘なら母親を死なせたくないですよ。どんなことになっても面倒を見ますから生きていてくださいってなると思います。後は、本人の意志だけなんです。これは、深い内容でした。

 

私は、安楽死を否定はしません。死にたいと思うなら、死んでも良いと思います。それは、本人の人生ですし、人がとやかく言っても、どうしようもない事ですからね。でも、やっぱり身内には死んで欲しくないという気持ちが出てしまいます。やっぱり生きていて欲しい。一緒に居て欲しいと思います。だって、家族なんですもん。否定は出来ないし、そうするべき時だって、あると思うんです。でも、自分の両親には生きていて欲しいなぁと、どうしても思ってしまう私です。そんな事を思う映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。安楽死というテーマを、1つの家族で描いて行くというもので、舞台劇にもなりそうな、良い映画でした。前半がちょっとモタモタしていて、少し飽きちゃったかな。でも、中盤に入る辺りから、ドッと盛り上がってくるので、どうなるのかとワクワクしました。家族の死と向き合った時の事を、良く描いているので、考えさせられる映画だと思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ブラックバード 家族が家族であるうちに」