「女たち」女たちの辛い現実を描いた作品なので私は嫌いだけど、素晴らしい作品だと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「女たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

40歳を目前にした独身女性・美咲は、半身不随の母の介護をしながら地域の学童保育所で働いている。東京の大学を卒業したものの希望の仕事に就くことができず、恋愛も結婚もすべてが上手くいかず故郷へ帰ってきた。娘を否定し罵詈雑言を浴びせ続ける母に反発しながらも、心の奥底では自分を認めてもらいたいと願っている。そんな美咲にとって、養蜂家の親友・香織が唯一の心の拠りどころだった。マイペースに充実した人生を送っているように見える香織だったが、実は彼女も心に深い闇を抱えていた。

というお話です。

 

 

自然に囲まれた山あいの小さな町。40歳を目前にした美咲は、母の介護をしながら地域の学童保育所で働いている。

東京の大学を卒業したものの、就職氷河期世代で希望する仕事に就くことができず、恋愛も結婚も、なにもかもがうまくいかず、故郷に帰ってきたのだった。

娘を否定しつづける半身不随の毒母。そんな母に反発しながらも自分を認めてもらいたいと心の奥底で願う娘。そこに「介護」という現実がのしかかってくる。介護ヘルパーが手伝いに通ってくると、ヘルパーの男性には良い顔をする母親に、美咲は、女の厭らしさを感じて嫌な気持ちになっていた。



 

そのヘルパーは、美咲と隠れて付き合っており、母の介護の合間に美咲の部屋で二人で過ごしていた。美咲は彼が夢を叶える為にお金を貯めていると聞いており、夢がかなった暁には結婚しようと約束をしていた。

鬱屈した介護の日々の中でも、彼との幸せを夢見ていた。それに、美咲には養蜂家の幼馴染・香織がおり、彼女の存在が、美咲の心の拠り所となっていた。

香織も都会に出て行ったが、今は故郷に戻ってきて、一人で養蜂家として活動をしていた。誰にも頼らず、一人で生きている彼女に美咲は憧れていた。しかし、ある日、香織が突然命を絶ってしまう。心の拠り所だった香織を失い、色々な事が重なって、美咲の心は崩壊へと向かってしまう。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、うーん、どうなんでしょ。何をやっても上手く生きれない女性が、友人の死をきっかけに、とうとうキレちゃうって事かしら。その友人は、人に悩みを話すことが出来ず、自分の中に貯め込んで、そのまま背負いきれなくなって、一人で死んでしまうんです。それぞれの女性たちの生き様を描いている映画なのですが、うーん、暗かった・・・。私はちょっと、この映画は、好きになれないかな。良い映画だとは思うんですけどね。

 

主人公の美咲は、子供の頃に父親を自死で亡くし、何かというと母親に見下されて成長してきました。東京の大学に行き、就職しようとしたのですが上手く行かず、結局、故郷に帰って来て、母親の介護をしながら、パートの仕事をしています。既に40歳目前なのかな?美咲は、いつも嫌な顔をしているんですよね。笑ってもひきつっている感じで、自分だけが損をしていて、周りが悪いんだという考えが顔に出ているような感じなんです。

 

 

演じているのは、篠原ゆき子さんという「相棒19」に出演されている方で、演技はとても上手い方なのですが、「ミセス・ノイズィ」の時も、同じように周りが悪くて、自分は悪くないという自己主張をしている感じの役で、どーも、私は好きになれないんです。演技が上手いからなのか、本当に嫌な女みたいに見えて、どうしても同情出来ないんです。

 

確かに、状況を見ると、この美咲はとっても可哀想だと思います。東京で就職しようとした時は就職氷河期で、実家に戻ってきたら、母親の介護をしなければならず、出会いも無い。元々、人付合いが苦手で、中学の頃は虐められていたようでした。虐めの原因は父親の自死のようで、そもそも、その父親の自死も、深い問題があるんですが、それは映画を観て確認してください。

 

 

そんな風に、ずーっと良い生き方が出来てこなかった美咲は、信頼し、憧れていた、友人の香織にちょっと依存している感じでした。香織は、東京に出ていたようですが、故郷に戻ってきて、養蜂家として仕事を始めました。一人で事業を行っており、美咲から見たら、凄い女性に見えたのでしょう。でも、香織も心の問題を抱えていて、カウンセラーに通っていたりしたようでした。あまり詳しくは映画で描かれていないのですが、私が思うに、男性に対しての嫌悪は、レイプにでもあったのかなと思いました。それを人には話せずに、一人で苦しんでいるようでした。もし、美咲がしっかりした女性で、香織を受け入れる事の出来る人物だったなら、香織も救われたかもしれないけど、美咲は、自分の事で精一杯で、人に頼るばかりなんです。美咲のこういう部分が嫌いでした。

 

美咲という女性のタイプは、結構、多くいると思います。自分の事だけ必死で話して、人の話は聞いていない女性。こういう女性と話をしていると、私はアホらしくなって、いつも空想の世界にはいってしまうんです。一応、話は聞いてあげるんですよ。でも、脳の中に入れていないだけです。そういう女性って、きっとその性格は変わらないんでしょうね。自分の良い面だけひけらかして、空回りしている女性は、一人になった時、何を考えているのかしら。

 

 

この美咲は、不満に思っていて外に出せなかった部分を、香織の死によって、爆発します。話を聞いてくれる人がいなくなり、自分を受け止めてくれる人がいなくなったので、溜まっていたものが爆発してしまうんです。これ、現実にもよくあるのだろうと思います。ニュースで、家族を殺してしまうとかあるでしょ。きっと、一緒に生活をしていて、我慢に我慢を重ねて、とうとう爆発してしまう。あると思うんです。そんな現実を描いていました。うーん、辛かったです。

 

本当に、この映画、好きな映画じゃないんですけど、凄く語っている事が多くて、表現が凄くて、素晴らしい作品なんです。好きじゃないけど、認めざるを得ない作品だと思いました。だって、女性の辛い部分を良く描いているんですもん。演じている女優さんたちも、凄い上手いんです。あまりにも現実に迫っていて、そんな現実見たくないと思いながらも、観てしまうんです。はぁ~っ、とため息をつくような映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。何度も書きますが、私は好きな映画ではありません。でもね、凄い映画なんです。これ、目を背けたくなるような内容が沢山詰まっていて、嫌いなんですけど、それでも、観ておくべきだと思いました。もし、自分が、この誰かに当てはまるようなら、早い内に小さく爆発して、さらけ出してしまう方が良いと思いました。開き直らなければ、その後、生きて行けませんから。そんなことを思う映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。(楽しめないかもしれないけど。)(笑)カメ

 

 

「女たち」