「ローズメイカー 奇蹟のバラ」を観てきました。
ストーリーは、
フランス郊外で父が遺した小さなバラ園を経営する頑固者のエヴ。人を雇う余裕などなく、倒産寸前に追い込まれたバラ園に、職業訓練所から派遣された3人の素人がスタッフとして加わることとなった。しかし、バラに関して何も知らない彼らはエヴを手助けするどころか、足を引っ張ることに。そんな中、エヴは世界初となる新種のバラの交配を思いつき、バガテル新品種国際バラ・コンクールに挑むことを決心するが･･･。
というお話です。
フランス郊外で、父が遺した小さなバラ園を経営するエヴ。あふれる才能と魔法のような指で新種のバラを開発し、数々の賞に輝いてきた。だが数年前から巨大企業のラマルゼル社に賞も顧客も奪われ、亡き父が遺してくれたバラ園も今では倒産寸前に。
助手のヴェラが何とか立て直そうと、職業訓練所から格安で前科者のフレッド、定職に就けないサミール、異様に内気なナデージュを雇うことにする。だが3人は全くの素人で、手助けどころか一晩で200株のバラをダメにしてしまう。
そんな中、エヴに新種のアイディアが閃いた。交配に必要なバラはラマルゼル社が独占し、社のバラ園にしかないと知ったエヴは、フレッドにある“特技”を披露させ、無理やりにラマルゼル社のバラ園から、バラを手に入れる。
パリの新品種コンクールまであと1年、新種の交配に着手したエヴは、３人に手伝わせて、新種のバラを育成していく。そんな中で、エヴは、フレッドの臭覚が飛び抜けて良いことに気が付き、その才能を伸ばした方が良いのではと思い始める。しかしフレッドは、慕っている親に捨てられ、自分に自信を失くしていた。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画は、ハートフルコメディってヤツかしら。笑える部分も多いけど、感動もさせてくれる、ステキな映画でした。父親から受け継いだバラ園を必死で守っているエヴですが、ここ何年も良い新作が出来ず、バラ園の人気も無くなっていました。従業員も雇えず、このままでは潰れるというところで、父の経営時から手伝ってくれているヴェラが機転を利かして、職業訓練の名目で低賃金で労働者を連れてきます。
現実なら、普通、ここで既に潰れているんだけど、映画だから助かるのよねぇ。それに、訓練に来たフレッドは、盗難で捕まっていた前科者で、エヴは、彼の力を借りて、バラの苗木を盗むという、トンデモナイ行動に出るんです。いくら何でも、それ、犯罪だから、ダメですからね。そんな盗んだ苗木で作った新作のバラは、どう考えても、コンテストに出せないと思うんだけど、出そうとするのよねぇ。
だって、ある会社が独占していて、他に出ていないのに、その遺伝子を持ったバラを新作で作ったとなったら、誰が考えても、盗んだんでしょって言われるよね。うーん、真剣にストーリーを考えると、ツッコミどころが満載の内容なんだけど、これがコメディになっちゃっているから、許されるのかな？
従業員のフレッドですが、親に捨てられて、施設で育っているんです。でも、両親は生きているんですよ。育児放棄で施設に保護されて、両親はそのまま施設にほおったままで、自分の子供なのに連れ戻す気が無いんです。フレッドは両親に連絡をするのですが、両親は無視して連絡を取らないんです。子供は親を慕っているけど、親は子供に興味が無いという典型なんです。あまりにも可哀想だなと思いました。そんな状態なので、犯罪をして捕まったり、悪い仲間とつるんでいたんでしょう。でも、このバラ園に来て、段々と変わり始めます。めちゃくちゃな事を言いながらも、フレッドを必要とするエヴがいて、仲間も出来て、彼の心が変わっていくんです。
フレッド以外のサミールとナデーシュは、ぼんやりしていて、一歩遅れているような二人なのですが、とても真面目なんです。嘘をつけないタイプで、だからこそ、普通の仕事についても続かないんです。でも、このバラ園に来て、自分のペースで真面目に働くことを始めたら、これが結構、役に立つのよ。人材って、使う人によって変わるんですよね。上司が悪ければ部下は働かないって事ですよ。自分の部下が無能だと思ったら、自分が無能なんだなと思うべきなんです。
盗んだバラで新種を作り始めるんですけど、新種を作ろうと思ったら、受粉して、種を取って、種を植えて育てて、花を咲かせてからなので、すごーく時間がかかるでしょ。経営が苦しいなら、その間に潰れちゃうだろうけど、また、これが、潰れないのよねぇ。ここら辺も、調子が良すぎるという感じなのですが、まぁ、良いとしましょう。
まぁ、ほっこりする良い映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。無理無理が多いけど、コメディだし、温かいお話なので、楽しめると思います。ただ、映画ツウの方には、ちょっと調子が良すぎるのと、軽く作り過ぎている感じがあるので、どうなのかなぁという感じでした。でも、私は好きでしたよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ローズメイカー 奇蹟のバラ」
