「地獄の警備員」を観てきました。
ストーリーは、
バブル景気で急成長を遂げた総合商社に、絵画取引担当の秋子と警備員の富士丸という2人の新人が入社した。元力士の富士丸は兄弟子とその愛人を殺害したが、精神鑑定の結果無罪となった要注意人物だ。秋子が慣れない仕事に追われる一方で、警備室では目を覆うほどの惨劇が幕を開けていた。
というお話です。
バブル景気で急成長を遂げる総合商社。そこへ新人がやってきた。ひとりは絵画取引を担当する秋子。商社では、初めて絵画の取引を始めるらしく、絵画の知識がある者がいなかったのだ。
そしてもうひとりは巨体の警備員・富士丸。実は、この元力士の富士丸は兄弟子とその愛人を殺害。しかし精神鑑定の結果無罪宣告されていた要注意人物だった。
秋子が慣れない仕事に追われる日々の中、警備室では目を覆うばかりの惨劇が始まっていた。一人、また一人と富士丸に襲われ、残業をしていた、秋子のいる第12課にも、その魔の手が忍び寄る。恐怖の一夜を支配する警備員は、一体何の目的があるのか。
後は、映画を観てくださいね。
怖い映画でした。ホラー映画なのですが、例えば、”リング”だったら、貞子は復讐の為に人を襲って来るとか、理由があったでしょ。でもね、この映画の殺人者である警備員の富士丸は、全く理由がわからないんです。というか、ストーリーを観ていても、理由が無いんです。どう考えても、快楽殺人としか思えないのよ。
確かに、ラジオで富士丸という元力士が、兄弟子とその愛人を殺したという解説があって、まぁ、きっと、そこに愛憎劇でもあったのかなとは思うんだけど、その後、警備員となって、商社で人を殺して行くのは、全く理由が見えないんです。主人公の秋子という女性に、何かを感じたのかもしれないけど、それも、全く説明が無いんです。
でね、ただ、一人また一人と殺して行くんですけど、下の階から、段々と上に上がってきて、主人公のいる12課に向かってくるんです。まぁ、日本のジェイソンみたいな感じかしら。元力士と言いながら、背は高いけど、とっても痩せていて、急激に痩せたんだねっていう感じでした。
演じているのが、松重さんなので、ちょっと笑ってしまうんですけどね。でも、29年前だから、松重さんもとってもお若くて、まだまだピチピチしています。若かりし頃の、大杉蓮さんや、長谷川さん、内藤さん、など、今で言えば、豪華な顔ぶれが揃っていて、驚きます。
この警備員が何者だったのか、何故、人を殺すのか、何故、この会社だったのか、何故、こんなラストになったのか、全く解決はしません。え?どうなったの?警察が来たけど、事情聴取とか取らなくて良いの?ねえねえ、どういう事っ!って感じで終るので、何だったの~!この警備員~!って、唖然として終わるのですが、何故か、それほどのモヤモヤはありませんでした。
凄い恐怖のみを描いていて、無駄な事は全部排除してあり、謎は謎のまま、恐怖を植え付けて終わっていくというスタンスが、逆に潔いというか、おお~と唸らせる感じでした。
この映画、私はお薦めしたいと思いますが、あまり一般の人向けとは言えないような気がします。普通の理屈で追って行くと、全く合致しないので、頭が怖さだけでパニックになると思うんです。でもね、ここまで恐怖のみを追って行く映画だと、映画好きには、ちょっとオタク感があって、イイ感じなんですよ。笑っちゃうんです。そんな映画でした。上映してくれている映画館があれば良いのですが、どうなのかしら。ご興味があったら、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「地獄の警備員」