「トキワ荘の青春」(デジタルリマスター版)を観てきました。
ストーリーは、
豊島区の木造アパート・トキワ荘に住む「漫画の神様」手塚治虫のもとに、編集者たちが日夜通い詰めていた。向かいの部屋で暮らす漫画家の寺田ヒロオは、その様子を眺めつつ出版社への持ち込みを続けていた。やがてトキワ荘を去った手塚と入れ替わるように、「藤子不二雄」の藤本弘と安孫子素雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら、若き漫画家の卵たちが次々と入居してくる。寺田を中心に「新漫画党」を結成した彼らは、貧しい生活の中でも互いを励まし合い、漫画の未来について熱く語り合う日々を送るが・・・。
というお話です。
東京都豊島区にある木造アパート「トキワ荘」。そこには“漫画の神様”手塚治虫が住み、日夜、編集者たちが彼のもとに通いつめていた。向かいの部屋に住む寺田ヒロオは、その様子を眺めながら、こつこつと出版社への持ち込みを続けていた。
やがてトキワ荘を去った手塚治虫と入れ替わるように、若き漫画家の卵たちが次々に入居してくる。藤本弘/藤子・F・不二雄、安孫子素雄/藤子不二雄Ⓐ、石森章太郎、赤塚不二夫、森安直哉、鈴木伸一。また近所に住むつのだじろうもトキワ荘に入り浸っていた。
『漫画少年』の投稿仲間だった彼らは、寺田を中心に“新漫画党”を結成。貧しい生活のなか、互いを励ましあい、漫画の未来について熱く語り合う日々が続く。なかでも一番年上の寺田は兄貴分的存在として若き彼らを静かに見守り、その視線は、赤塚の友人であり自分とはまったく異なる作風のつげ義春にも向けられていた。
そんなある日、『漫画少年』の出版社、学童社が突如倒産。これを機に、8人の仲間たちの進む道も少しずつ変化していく。どんどん売れっ子になっていく者。漫画からアニメーションへの移行を決意する者。なかには東京を去る者もいた。
流行に惑わされず、黙々と自分の描きたい漫画だけを追い求めているように見えた寺田の心にも、徐々に迷いが生まれてくる。時代の激しい変化とともに、漫画家の卵たちの青春の日々にも、ゆっくりと終わりの気配が近づいていた。(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
私、この映画を初めて観たのですが、制作は1995年で、26年も前の作品なんですね。何となく”トキワ荘”の映画があるとは知っていたのですが、観る機会も無く、デジタルリマスター版で再上映があったので、観に行ってきました。いやぁ、凄く面白かったです。
キャストが凄い人ばっかりで、驚きました。この映画の制作時は、まだ舞台俳優で有名じゃなかったらしいのですが、今は、映像の世界に無くてはならない役者さんばっかりじゃないですか。特に、古田さんと阿部さんが出演している事に驚きました。まだ、お若かったですねぇ。ビックリです。生瀬さんなんて、この映画が初出演ということで、今の活躍はここから始まったんだと思うと、凄いです。
有名漫画家が集まっていた下宿のお話です。手塚治虫先生も、この下宿に住んでいて、有名になって出て行ったんですね。この頃、ファンの人が下宿に押し掛けて、サインを強請っている場面がありましたが、時代が違うんだなぁと驚きました。今時、家に押し掛けたりしたら、警察呼ばれちゃうんじゃないの?
手塚さんの後に、藤子不二雄のお二人が引っ越してきて、それ以外にも、石ノ森章太郎先生や、赤塚不二夫先生も住んでいて、近所につのだじろう先生も住んでいたらしく、よく、こんなにも天才が集まったもんだと思います。つげ義春先生も訪ねて来ていたみたいだったし、うーん、凄いですよね。1つの建物にというか、同じ空間に、こんなに凄い才能が集まったら、その場所の知能指数ゲージが最大値になって、爆発しちゃうんじゃないかと心配してしまうくらいです。いやぁ、凄い!
そんなトキワ荘に住んでいた、漫画家の寺田ヒロオ先生が主人公なのですが、私は、寺田先生の漫画は知りません。でも、その時代には、有名な先生だったらしいです。しかし、色々な漫画家が出てきて、社会情勢も変わり、読者の好みも変わっていくので、段々と寺田先生の漫画は人気が無くなって行ったような感じでした。真っ直ぐな印象の漫画で、寺田先生の漫画は子供の為の漫画だったようです。なので、青年や大人が読む漫画に変わっていく時代には、読まれなくなっていったのかなと思いました。
映画の中では、寺田先生がトキワ荘のリーダー的になっていて、みんなの悩みを聞いたり、困った時はお金を貸してあげたり、下宿全体の掃除をしてあげたりしていたようでした。とても真面目で、イイ育ちをしてきた人なのかなと思いました。それに、お金を貸してあげたりしていたので、この頃は、寺田先生の漫画は人気があったのかなと思います。トキワ荘には、もちろん売れない漫画家の先生もいて、酒を飲んでは人の部屋で寝たりしていました。
そして段々と時代が進むにつれ、古い漫画の出版社は潰れて、新しい出版社にみんなが漫画を描くようになり、藤子不二雄先生が人気になり、石ノ森章太郎先生も人気になりと、それぞれ漫画の道を歩き出すんですけど、寺田先生だけ、時代について行けず、ちょっとポツンとしているように見えました。
(映画の最初に本木さんのインタビュー映像がありました。)
時代も変わり、漫画の様相も変わり、今の時代の漫画の世界を見たら、寺田先生は驚くでしょうね。漫画は子供が読む物ではなく、大人が読む物になって、世界でも読まれるようになったんですから。漫画が実写化され、自分が描いた絵を俳優さんが演じるなんて、思わなかっただろうなぁ。
でも、手塚先生や石ノ森先生、赤塚先生、藤子不二雄先生などの漫画は、今の時代に読んでも、感動するし、考えさせられるし、素晴らしいものが多くて、日本の財産だなと思っています。だって、石ノ森先生の仮面ライダーは、今の時代も最先端を行っている訳だし、ドラえもんは国民的アイドルでしょ。おそ松くんなんて、”おそ松さん”になって復活しているし、やっぱり、このトキワ荘の時代の漫画家の先生たちは、本当の天才だったんだろうなぁ。
昨年、手塚先生の「ばるぼら」が映画化されましたが、手塚先生や、石ノ森先生、赤塚先生、藤子不二雄先生などの漫画を、もっと実写化したら面白いと思うんだけどなぁ。若手漫画家のラブコメなども良いけど、古い漫画を実写化するのも良いと思うけどなぁ。よっぽど、良い作品になりそうな気がするけどね。
天才漫画家たちの若い頃のお話は、とても面白くて、時代を感じる良い映画でした。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。もう26年も前の作品なので、私がお薦めしても、既に、皆さんは観ているのかもしれませんが、若い方にも観て欲しいと思います。面白いですよ。笑えるし、漫画家って昔はこんな風に描いていたんだねって解るので、勉強になるのではないかな?もちろん、タブレットで漫画を描く方が楽なのかもしれないけど、昔の雰囲気も面白いですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「トキワ荘の青春」