「くれなずめ」日が暮れる前の何とも言えない明るさが、みんなの最後の記憶と重なるのかもしれません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「くれなずめ」を観てきました。Fan’s Voice独占最速試写会に当選し、参加しました。(@fansvoicejp) 

 

ストーリーは、

高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。恥ずかしい余興を披露した後、彼らは披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返る。自分たちは今も友だちで、これからもずっとその関係は変わらないと信じる彼らだったが…。

というお話です。

 

 

優柔不断だが心優しい吉尾、劇団を主宰する欽一と役者の明石、既婚者となったソース、会社員で後輩気質の大成、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 

満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。



 

終わった、だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。

「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな。なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」

そう、僕らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを。(公式HPより)

後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、良かったなぁ~。昨日、「街の上で」を観て、好きになっちゃったんだけど、今日、「くれなずめ」も好きになっちゃいました。内容は全く違うんだけど、雰囲気が似ているのよねぇ。この何とも言えない”くれなずみ感”って、いうのかしら。夕方に、日は暮れてないんだけど薄暗くなってきている、このどっちつかずだけど、何となくたゆたっているような、良い心地感がある空気が似ているんですよ。どちらにも若葉さんが出演されていて、好きだったなぁ~。

 

高校時代につるんでいた6人が、友人の結婚披露宴で再会するんです。余興をするということで、3日前位に集まって打合せをしていると、会場担当の女性が、何故か5名様分ですねと言うのですが、彼らは6人ですと言い、あれ?と思うんです。でね、その後、カラオケに行って騒いでいると、吉尾が”オレ、死んじゃ・・・”と口走るんです。すると、他の5人が全力で否定して、また騒ぎに戻っていく。そんな事が、何回もあって、既に死んでいることは明かされているのですが、映画の中では、生きているように描かれていくんです。面白いでしょ。

 

 

これ、凄く解るんです。私も、オバサンになるまで生きてきているので、友人が亡くなったりを経験しているのですが、普段会っている訳ではないので、いつまでも生きているような気持ちのままなんですよ。だって、亡くなったところも見ていないし、お葬式には出ていても、そこに寝ているのが友人だとは思えないんですもん。そこには友達に似た人が寝ているかもしれないけど、私の頭の中には、生きている友人しか残っていないので、いつまでも生きている気がするんです。というか、生きていると思っちゃっているんです。時々、話に出ると、「どうしてるかねぇ。」なんて言ってしまい、あ、亡くなったんだったと思い出すんです。なので、友人と集まったりすれば、そこに一緒にいるような気持ちになっちゃうのは当たり前かなって思いました。

 

 

結婚式が終わり、二次会に行くまでの間のやり取りが面白いのよ。ハンパな3時間くらいなんだけど、店を探しても無いし、どうしようもなくて、ふらふら6人で歩いている間の話しをずーっとやっているだけなんだけど、それが面白いんだよなぁ。一人づつが、吉尾との過去を思い出して、12年前の高校生の頃から、5年前の吉尾が亡くなると聞いた時、一周忌か何かで吉尾の家を訪ねた時などを思い出し、ふと気が付くと、目の前に吉尾がいるというのが、何とも笑っちゃうんです。ケロッとして目の前にいるんだもん。笑っちゃうよね。

 

 

きっと目の前の吉尾は、みんなの頭の中の吉尾なんだけど、それがあまりにも活き活きしていて、嬉しそうで、亡くなっても、こんなに楽しそうなら、きっと天国でも楽しんだろうなって思えるような、そんな感じでした。いやぁ~、心臓のくだりには参ったけどね。大笑いしました。何それっ!マジで心臓マッサージしてどーすんのよっ!もー、これ、映像を観て貰うと解るけど、本当に笑えます。文字で書いていると、本当の面白さは伝わりません。映像だからこその楽しみです。これは見ものですよ。

 

仲間で集まっている時は時間が止まっていて、自分たちも年を取っていないような気持ちになっちゃって、だから、そこにいなくなった友人もいるんですよ。一緒に遊んでいるんです。うーん、もう、凄く解る解かる。この映画のそのままなのよ。松居監督がご自分の体験を基に書いた脚本とのことなので、こんな体験をされたんだなぁと思うと、とても共感出来ると思いました。

 

 

これ、公式HPのあらすじでも、全部ネタバレしているのですが、この映画はネタバレしようと何しようと、観ないと解りません。観て貰って、やっと良さを解って貰えると思います。言葉では、全く伝えられない雰囲気や楽しさ、悲しさ、哀しさが溢れていて、映画だからこその内容だと思います。この空気は、観ないと解からないですよ。

 

マジでめっちゃ良かったなぁ。吉尾役の成田さんもボケてて良かったけど、周りの5人、高良さん、若葉さん、浜野さん、藤原さん、目次さん、の表情も動きも全てが良かったです。そして、ちょろっと出ている俳優の方々、イイ味出してたなぁ~。前田さんも上手かったし、滝藤さんには笑いました。他にも、凄い方が沢山出演しているので、そちらもお楽しみにしてください。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。またも、連続で、凄いお薦めが出てしまいました。これは、でも、薦めちゃいますよ。好きですもん。4月末に公開ですので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「くれなずめ」