「ホムンクルス」面白い題材なんだけどストーリーが粗かったです。キャストはピッタリなんだけどね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ホムンクルス」を観てきました。

 

ストーリーは、

車上生活を送る名越進の前に、ある日突然現れた医学生の伊藤学。記憶がない名越は、伊藤の勧めにより期限7日間、報酬70万円を条件にある手術を受けることに。第六感が芽生えるという頭蓋骨に穴を開けるトレパネーション手術を受けた名越は、右目をつむって左目で見ると、人間が異様な形に見えるようになる。伊藤はその現象を「他人の深層心理が視覚化されて見えている」と言い、その異形をホムンクルスと名付けた。名越はその能力を用い、心の闇を抱える人たちと交流していく。

というお話です。

 

 

一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送る名越進。公園のホームレスと少し交流があるようだ。彼は、過去の記憶も感情も失い、社会から孤立していた。そこに突然、奇抜なファッションに身を包んだ研修医・伊藤学が目の前に現れる。
「頭蓋骨に穴を空けさせて欲しい。あなたじゃなきゃ、ダメなんです」


突然の要求に戸惑う名越だったが、 過去も感情も失くしたあなたに“生きる理由”を与えると言い、過去が気になりませんか?という伊藤の言葉に動かされ第六感が芽生えると言われるその手術<トレパネーション>を受けることに。

 

 

術後、名越が右目を手で覆い、左目だけで見たのは、人間が異様な姿に変貌した世界だった。その現象を「他人の深層心理が、視覚化されて見えている」と説く伊藤。彼はその異形をホムンクルスと名付けた。

 

名越は、ホムンクルスと化した人々の心の闇と対峙していく。時にはヤクザと、時には女子高生と。対峙する度に、相手の心の闇を引き受けて行く名越は、元の記憶が徐々に戻り始める。名越の過去が徐々に紐解かれ、自らの失った記憶と向き合うことに。果たして名越が見ていたものは、真実だったのか、脳が作り出した虚像の世界なのか?そして、取り戻した記憶に隠された衝撃の結末とは?!(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。

 

 

うーん、面白いとは思うけど、話しが粗かったですねぇ。原作を読んでいないので、詳しくは解りませんが、1つ1つの話しを駆け足でやるので、中身が薄っぺらいんです。こういう風に、1つ1つの名越の出会いが1つの話しになっているなら、映画ではなくて、連続ドラマなどでやるべきではないのかな?映画は、2時間くらいで大きな話しを深くやる方が面白いので、これは、ちょっと失敗している気がしたなぁ。

 

まず、文句を言って良いですか?これ、普通の映画なのに、何故か「ODS」だと言い張って、各種割引サービスや招待券は使用不可でサービスデーも使えないんです。映画として作られたものに、なんでODSなのか。

 

 

ODSとは、”非映画コンテンツ””映画館向け映像配信”と言われるもので、舞台を映像化してライブビューイングのように見せたり、どこかで行っている舞台を生配信するなど、ライブ感が楽しめるものとして、最近は流行っているのですが、この「ホムンクルス」は、まんま映画です。ODSと謳うなら、それなりのODS感を与えてくれるのかと思ったのですが、全くそのまま映画です。最後に1分に満たないほどの原作者の映像があっただけで、普通ならおまけ動画ですよ。さすがに、これは酷いやり方だなと思いました。そんなにお金を取りたいなら、他のアニメ映画のように特別上映ですから料金はいくらでサービスはありませんと言えばよいのに。誤魔化してODSとか言うから、ムカつくんです。

と、最初に文句をぶっ込んどいて、感想に行きますね。ホラーというか、オカルト映画としては面白いです。頭蓋骨に穴を開けるというトレパネーションを行い、名越は左目だけで人間を見ると、その深層心理が人物像に反映し、恐ろしい化け物に見えたりするというお話なんです。伊藤が言うには、人間は産まれてすぐには頭蓋骨に隙間があるのですが、成長するに従い、その隙間は埋まってしまうそうなんです。なので、人間の姿は均一に見えるようになるらしいんです。で、頭蓋骨に穴を開けることによって、ホムンクルスというものに見えるらしいんですね。


 

名越という人物は、何故か出てきた時は記憶喪失でホームレス。車で生活をしているんです。それなのに、何故かブラックカードを所有していて、お金に困っている様子は無いんです。こいつ何者?と思っていると、彼の前に伊藤が現れるんです。伊藤は、名越の過去を知っているらしく、名越は、感情を取り戻したい事もあるけど、過去も思い出したい気持ちがあって、手術を受けることを承諾するんです。

 

そんな導入部があり、ホムンクルスが見えるようになるのですが、そこからが、ちょっとお粗末なのよね。色々な人物に出会い始めるんだけど、描き方が薄くて、それだけ?って言いたくなるほどなんです。それに、その内容もイマイチ解りずらいの。個々の内容については、ネタバレになるから書けないけど、わざわざ内野さんを出しといて、ほんの少ししか出番が無いのよ。勿体ないなぁと思っちゃった。石井さんの女子高生も、何でそんな形態に見えるのかという理由が、簡単な描かれ方しかしてなくて、本当は、もっと深いんじゃないかなぁって思うけど、それが解らないんですよね。イマイチ、理解が出来ないんです。

 

 

面白い謎を提示してくれるんですけど、それが面白く展開して行かないのがちょっと不満でした。だって、原作は面白いんでしょ。だから映画化したんでしょ。それに、脳が活性化されて、人間の内部まで見えるなんて、凄く面白いじゃないですか。描き方によったら、そりゃ、面白いし、怖くなったと思うんだけどね。

 

それに名越を綾野さんが演じているので、ちょっと妖艶で素敵なんですよ。謎めいているしね。そして伊藤役の成田さんも、マッドサイエンティストだけど精神が弱っちい感じで、こちらも良いのよぉ。イイ感じのコンビだったんだけどね。これで終わりなのかな。

 

 

私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。映画としては、内容が粗いと思いましたが、キャストが良い雰囲気を出して世界観を作っているので、面白いと思いました。でも、ODSというやり方は、ちょっと首を傾げてしまいます。作品に自信があるなら、ODSと言わずに特別興行として料金を取る方が、印象は良いんじゃないかな。ま、素敵な綾野さんを、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ホムンクルス」