「ノマドランド」車上生活をしながら旅をする高齢労働者。本当にそれを望んでいるのか、それとも・・・ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ノマドランド」を観てきました。

 

ストーリーは、

ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーに全てを詰め込んだ彼女は、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。

というお話です。

 

 

ネバダ州の企業が破たんし、企業によって栄えていた町は廃墟となり、住んでいた人々は社宅が閉鎖されて出て行かざるをえなくなってしまった。夫と共に、長年その町に住んでいたファーンは、住居も失い、キャンピングカーを住居として、亡き夫との思い出を詰め込んで、現代のノマド=遊牧民として、季節労働の現場を渡り歩くようになる。

 

その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく。旅の途中、気の合った仲間に一緒に住まないかと誘われたり、ファーンを心配する姉にも一緒に住もうと言われるのだが、ファーンは首を縦にはふらない。彼女がその生活を続けたいという思いは何なのか。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、とても静かで、何か凄いことが起きる訳ではないんだけど、主人公のファーンは、60歳を過ぎて定住する家も無く、車で暮らしながら旅をして、行く先々で季節労働者として働いているんです。行く先々で、色々な人々に出会うのですが、高齢者が多く、ちょっと驚きました。若い頃に車で自由気ままに旅をしながら仕事をするというのが、遊牧民なのかと思っていたのですが、それとは全く違い、高齢者が多くいる事にビックリでした。

 

貧困からそういう生活をしているのか、それとも本当はお金持ちなのに、そういう暮らしが好きなのか、よく解りませんが、高齢になれば、病気も増えるし、身体も衰えてくるだろうし、車で旅をしながら季節労働をするというのは、本当にキツそうだなと思いました。

 

 

原作では、リーマンショックやサブプライムローンなどの影響により、お金を失って、ノマドになった方を追っているようですね。原作は、「ノマド 漂流する高齢労働者たち」というもので、フィクション小説ではなく、レポートのような内容だそうで、読むとキツそうだなぁと思って、読むのを躊躇しています。自由が好きとか、色々な理由を付けたとしても、やっぱり車上生活は大変だと思いました。

 

 

車には、お手洗いとかも付いているけど、寝る場所は狭いし、食卓の横にトイレだし、電気コンロが1つ付いているだけで、お風呂もどうしているのかしら。私には無理だなと思いました。それに、この生活は日本では難しいだろうなと感じました。だって、勝手にスーパーの駐車場に止めていたりしたら通報されるし、路駐していれば警察に切符切られちゃうし、毎度パーキングに停めていたら、家賃と同じくらいの値段になっちゃうんじゃないの?私の近所なんて、1時間800円ですよ。そんな日本では、絶対に無理でしょ。

 

 

ファーンは、まだ会社がある時に夫を病気で亡くしたようで、その後も、自分は働いて、会社の社宅に住み続けていたようでしたが、企業が潰れて、どうしようもなくなったようです。廃墟となった企業の建物の中なども映りましたが、どんなに大きな会社だって、潰れる時は潰れるんですよ。日本では、銀行や大手企業は、国が直ぐに助けちゃうけど、アメリカは完璧な資本主義だから、負ければ潰れます。

 

そう思うと、日本って、資本主義と言いながら、半分、共産主義なんですよ。沢山の人が路頭に迷うというけど、アメリカは助けないんです。それが良いのか悪いのか、国の在り方として正しいのか、私には解りません。でも、今のアメリカは、富裕層にお金が集まり過ぎているように思うので、少し、考え直した方が良いんじゃないかな。労働者はいるんだから働いてもらえば、国ももっと強くなるんじゃないのかな?それは、日本にも言える事なのかな。

 

 

この映画を観ると、経済の事や格差問題、人々の働き方の問題など、コロナによって変わってきている社会の事も、考えようという気持ちになります。この映画のファーンは、キツい生活でも、自分のプライドを持って生きていて、自然の中で生きることが幸せだと思っているような感じがあったので、それはそれでも良いと思いますが、これからもっと年齢が高くなり、働けなくなった時、どうするのかを考えるべきだと思うんです。いつまでもノマドではいられない。どうなっても、生活が出来るだけのお金は、手に入れておく必要があるのかなと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。静かで、あまり訴える事も無いように見える映画なので、万人に好まれる映画ではないと思いますが、主人公ファーンの生き方を見て、これからの経済や政治の事、生活の事など、多岐多様な面において考えるべき時なのではないかと思いました。特に、今、コロナ禍で、沢山の方の生活が変わり、仕事も以前のようには行かなくなっています。そんな世界で、どう生きて行くのかを問われたような気がしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ノマドランド」