「テスラ エジソンが恐れた天才」を観てきました。
ストーリーは、
1884年、移民としてニューヨークへやって来たテスラは、あこがれのエジソンのもとで働き始める。しかし直流方式の送電を考案したエジソンに対し、テスラは交流方式を主張し、両者は激しい対立の末に決別。テスラは実業家ウェスティングハウスと組んでシカゴ万博でエジソンを叩きのめし、一躍時代の寵児となる。大財閥J・P・モルガンの娘アンと交流し、モルガンから莫大な資金を得て“無線”の実現に挑むテスラだったが、研究一筋の繊細な心は実業界や社交界と不協和音を立て始める。
というお話です。
1884年、移民としてニューヨークへやって来たテスラ。あこがれのエジソンのもとで働き始める。エジソンが開発した直流方式の送電は、短距離の送電は出来るが長距離は出来なかったため、長距離送電を可能とする交流方式をテスラはエジソンに提案するのだが、エジソンに危険性を指摘され対立。
エジソンの元を去り、1887年にテスラ電灯社を設立。ラジオ、ラジコン、噴水、電気モーター、点火プラグ、高周波、高電圧を発生させる共振型変圧器「テスラコイル」などを発明し、その後、ウェスティングハウスの協力を得て、交流電力システムを設計。
1895年にはナイアガラの滝に、そのシステムが採用されたアメリカ初の交流水力発電所が設計され、エジソンとの電流戦争に勝利し、時代の寵児となる。
1900年頃から、世界規模の無線通信システムの研究に没頭し、1901年に、財閥のJ.P.モルガンの娘・アンと出会い、モルガン家から莫大な資金を得て「無線」の実現に挑み始める。頭の中で理論は組み立てられているのだが、周りの事に気を取られ過ぎ、形にならない。その内に、ライバルのグリエルモ・マルコーニが地震の無線技術で成果を上げ、夢物語ばかりで形にならないテスラは、モルガンに見切りを付けられてしまう。その後、破産宣告を受け、孤独な一生を送ることになる。後は、映画を観てくださいね。
ニコラ・テスラの伝記映画なのですが、彼の話しを語っていくのが、モルガン家のアン(又は末裔)で、空想と史実を一緒に描いて行くので、映画としては、とても解りにくいんです。それに、面白味に欠けるとおもいました。普通に伝記映画としてやってくれれば、それなりに、テスラに贔屓目になるので、同情もするし、共感もする部分が出てきて、楽しめると思うのですが、他人が語る形を取っているので、あまりテスラに愛が感じられないんです。
テスラと言えば、電流戦争でエジソンと戦った男として有名ですよね。今の送電線で電気を送るというのは、テスラが考えた方式で送っているからこそ、安くて、遠くまで電気が届くようになったんです。でも、パソコンとかプリンターとか、安定した強い電流を必要とする機器は、機械に入る直前に「直流」に変えられて入っているので、エジソンもテスラもとんでもない天才だったっていう事です。
ここら辺の電流戦争については、この映画ではなく、「エジソンズ・ゲーム」を観た方が解りやすいです。この映画だと、適当に流されちゃって面白くないんです。どーも、モルガンの娘のアンとの恋愛を描きたかったから、こちらの方はそれほど深くは描かれませんでした。
電流戦争で勝利したテスラは、財閥モルガンの娘アンと付き合いたいと思っているようでしたが、上手くいかず、その頃から、精神的に病んで行ったようで、仕事も手につかなくなっていくんです。上流階級との交流や、仕事の事や、恋愛の事など、色々な事が重なり、重荷となったように見えました。
でも、この映画では、どの項目もあまり深く描かず、こんな風だったのではないかなぁ~くらいの感じでしか描いて行かないので、面白くありません。ニコラ・テスラという人物は、移民だというマイナスから始まって、トップに上り詰めて、その後、一気にはしごを外されて、下に落ちてしまう天才なので、描こうと思ったら、凄く面白い映画になるハズなんだけど、この映画はダメでしたねぇ。キャストは良いんだけど、上手く描かれているとは思えませんでした。
イーサン・ホークは、テスラって、きっとこんな人だったんだろうなぁと思えるような人物を演じていて、良かったと思います。繊細な感じは出ていたと思います。そして、やっぱり凄いと思ったのは、エジソンを演じたカイル・マクラクランかな。だって、見ていると、段々と、あの写真のエジソンに見えてくるんですもん。顔を似ているように作っていて、エジソンといえば”この顔”って顔に見えてくるんです。カンバーバッチのエジソンも良かったけど、顔だけでいったら、マクラクランの方が似ているかもしれません。
ニコラ・テスラは、とても興味のある人物で、映画も楽しみにしていたのですが、ちょっと残念だったかなぁ。伝記としてあまり彼を描いていないし、発明関係の成り立ちも、もう少し深堀して描いて欲しかったです。好きな人物だから、特にそう思ったのかもしれません。それと、伝記映画の中で、解説する人物がPCで検索したりする部分は要らなかったんじゃないかな。その辺りが、全く意味が解りませんでした。まぁ、キャストは良いので、キャストを見に行くには良いかもしれません。
私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。お薦めを辞めようかと思ったのですが、キャストが良いし、エジソンをある程度知っていれば、テスラがどう絡んだのかは、解ると思うので、まぁまぁ、楽しめるかなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「テスラ エジソンが恐れた天才」