「騙し絵の牙」幾つもの謎があり騙されていくので、最初に与えられるイメージが覆ります。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「騙し絵の牙」をオンライン試写会にて観ました。coco(@coco_official)さんの開催試写会に当たりました。

 

ストーリーは、

出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが・・・。

というお話です。

 

 

大手出版社「薫風社」に激震が走った。かねてからの出版不況に加えて、創業一族の社長が急逝したのだ。犬の散歩中の出来事だった。会社では、次期社長を巡っての権力争いが始まるが、社長の子息は海外に派遣されて修行中だ。

社内では専務の東松が力を持ち、大改革を始めていた。お荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水は、東松に無理難題を押し付けられ廃刊のピンチに立たされる。



 

薫風社には、文芸誌として名高い「小説薫風」があるのだが、伝統ある雑誌というだけで、社のお荷物となっていた。東松の大改革の為に月間だった薫風が季刊となり、小説薫風の新人編集者の高野は、居場所が無くなり、「トリニティ」編集部に拾われる。

速水は、高野が目を付けた新人小説家の矢代の作品をトリニティに載せる計画をし、その他、大御所作家や人気モデルなどを軽快なトークで口説きながら、「トリニティ」を存続させるために動き出す。



 

「トリニティ」には、目玉の記事が並ぶようになり、話題となって、売れるようになって行くのだが、雑誌のキャパは知れている。改革を進める東松に対抗して行くことが出来るのか、「トリニティ」は存続出来るのか、そして薫風社のこれからは・・・?(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、題名通り、騙される場面が多々ありました。そんな基本的な部分が嘘なの?というような場面もあり、騙しの大きさに驚くというか、そこまでやって大丈夫なのかしらと思うほどの騙しがあり、CMで流れている「人を騙して楽しいですか?」「楽しいです。」というセリフに、うんうんと頷いてしまうほどの楽しさでした。

 

 

でもね、犯罪とか、人を傷つける騙しではないんですよ。良かれと思って、色々と策を練り、トリニティの編集長である速水が動いて行くというのが楽しいんです。周りがみんな振り回されていて、でも、それにギリギリまで気が付かない、いや、終わっても気が付いていない人物たちが大勢いるのが、凄いからくりだなぁという感じなんです。

 

大手企業だと、こんな風に相続争いとかがあって、一族から社長を出すか、下から上がってきた実力のある人間を社長に据えるか、派閥があり、戦いがあるのでしょうね。新社長に誰が付くのか、誰が権力を握るのかというのも、この映画の面白い部分で、ここにもからくりが使われます。誰が誰に付いているのか、誰が味方で誰が敵なのか、そんなところも、この映画の見どころだと思いました。

 

 

雑誌「トリニティ」の編集長である速水が、奇策を繰り広げて、色々な目玉記事を作り、雑誌を売っていくんだけど、今、雑誌って、売れないだろうなぁと思います。だって、先日、私が美容院に行って座ったら、タブレットを渡されて、これで雑誌を読んでくださいねって言うんです。長年言っていた美容院が予約がいっぱいで、新しい美容院を探して行ってみたら、そんなことになっていて、あー、そうだよなぁ、イマドキ、タブレットで読む方が、ゴミは出ないし、最新の雑誌を読めるし、他人がベタベタ触った本を読むことはないんだよなぁと思って、雑誌の需要は無くなっているんだろうと感じました。

 

そんな事を感じた後に、この映画を観たので、雑誌業界も随分と知恵を絞って、色々な動きをしているんだなぁと言う事を感じました。この映画、何度も騙しが入ってくるので、大展開するんですよ。書けないんだけど、ええ~!そうなるの?と、あまりの方向性の展開に驚きましたもん。それこそ、騙し絵だなって感じでね。

 

 

細かい嘘が沢山あるのですが、それを書けないのが辛いなぁ。もう、本当に面白いんだけど、ネタバレ出来ないから辛い!でも、面白いので、嘘や騙しを知らないで観に行って欲しいです。これ、知っていたら面白くないですもん。この作品は、出来れば、原作を読む前に観て、それから原作を読んだ方が、より解りやすく解説がされていて、楽しめるのではないかなと思います。私も、今回は原作を読まないで観たので、途中で頭がぐるぐるしましたもん。そこも嘘なんかいっ!ってツッコミを入れたくなっちゃった。

 

速水役の大泉さん、いつものキャラクターとちょっと違う気持ちがしました。原作者が当て書きをしたというので、大泉さんのキャラクターをそのまま生かしたのかと思って観たのですが、そうではなく、いつもの大泉さんの姿で、頭脳明晰な騙しをバンバンかまして行くので、今までの、どこかでヌケていて可愛いなって思うような部分が逆手に取られているような気がしました。その姿も面白いですよ。上手いなぁと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。面白いです。話しが進んでいくと騙され、また進むとそこでも騙されというように、何が本当なんだよっ!と言いたくなるのですが、その騙された~っていうのが、爽快なんです。あ、でも、ちょっと頭を使うので、疲れている時に観るとよく解らなくなるかもしれません。でも、凄く面白いので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「騙し絵の牙」