「藁にもすがる獣たち」日本の小説を韓国の監督が上手く映画化してくださいました。面白いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「藁にもすがる獣たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

失踪した恋人が残していった多額の借金の取り立てに追われるテヨン、暗い過去を精算して新たな人生を始めようとするヨンヒ、事業に失敗しアルバイトで生計を立てるジュンマン、借金のため家庭が崩壊したミラン。ある日、ジュンマンは職場のロッカーに忘れ物のバッグを発見する。その中には、10億ウォンもの大金が入っていた。

というお話です。

 

 

失踪した恋人の保証人になったばかりに、彼女の残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン。普段は税関職員として真面目に仕事をしていたが、期限までに借金が返せなければ自分の命も危うくなってくる。

そこで高校の同級生が詐欺を働き、海外逃亡をしようとしている事を聞きつけ、税関での逃亡を助ける条件でお金を受け取るという約束を取り付ける。そして・・・。

主婦のミランは株式投資に失敗し多額の借金を背負ってしまう。夫の給料と、自分はホステスの仕事をしているが、簡単には返せそうもない。怒る夫にDVを受け、心も身体もボロボロだ。



 

夫を殺して保険金を受け取ろうと思ったが失敗してしまい、大きな問題を抱えて、働いている店の社長に相談をする。するとミランの話を親身になって聞いてくれる。そして・・・。

過去を清算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ。水商売の社長をしていたのだが上手く行かず、借金を残して一度は逃亡してしまうのですが、ある考えが浮かび・・・。

親から継いだ家業を廃業させてしまい、深夜のアルバイトをして生計を立てているジュンマン。母親が認知症となり、仕事と介護で手一杯だ。妻にも迷惑をかけ、悪いと思っているのだがどうしようもない。



 

そんなある日、勤め先のロッカーを清掃をしていると、見知らぬバッグが置き忘れている事に気が付く。中を見ると10億ウォン(1億円)もの大金が入っており、持ち主は解らない。忘れ物の管理場所に収納するが、後から、あの金があればという思いが沸きあがり・・・。

全く繋がりの無いように思える人々だが、実は、同じ金を狙って右往左往していることが解ってくる。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、面白かったです。最初は、バラバラしていて、何がどうなっているのか分からないんです。最初にお金がロッカーに入れられるところから始まるんだけど、そのお金は何処から湧いて出て、誰の所へ向かって行くのかを、過去に戻ったり、未来へ進んだりして解明されていくのですが、そのスピード感が良くて、解らないながらも進んで行くと、全部解明されて、スッキリするんです。

 

私が書いたあらすじは、時系列ではなくて、ストーリーのまんま書いているので、どことどこが繋がっているというのが解らないと思いますが、ちゃんと繋がっている事が最後に解ります。難解ではありません。誰もが、そうだったのねって納得出来て、スッキリすると思います。うんうん、楽しかった。

 

 

まず、税関職員のテヨンかな。彼はクラブの女性と付き合っていて、良いように騙されて借金の保証人にされちゃうんです。そして女は逃げちゃって、借金だけテヨンに残り、みんなに騙されちゃったねって同情されるのですが後の祭り。借金は返さなければならない。高校の同級生で詐欺師の男を騙して、お金をだまし取ろうと画策するけど空振りしてしまい、何故か警察にも目を付けられてしまうという踏んだり蹴ったり。でも、彼の前にもお金が回ってきます。それで起死回生を図るんだけど、どうなることやら。真面目そうな公務員だったのにねぇ。

 

主婦のミランは、夫の給料で株式投資に失敗して、多額の借金を作ってしまいます。夫は怒ってDVをするようになり、借金返済の為にホステスとして働くんだけど、そこで若い男と関係を持っちゃって、その男に夫を殺させようと画策するんだけど・・・。まぁ、素人の考える事だから、上手く行く訳が無いわよね。そういう失敗が重なって、面白い展開になって行くんだけど、それはお楽しみです。

 

 

そして社長だったヨンヒは借金で逃げていたのですが、彼女も、ある巡り合わせにより、大金を手に入れて、これでやり直そうとするのですが、そう簡単には上手く行きません。カッコイイ女性なんだけどねぇ。

 

最後に、アルバイトをしているジュンマンですね。痴呆症の母親を抱え、妻と共に必死で働いているんです。母親の介護でアルバイトに遅刻することも多く、上司に文句を言われ、辛い毎日を送っていました。そんな時、仕事場のロッカーで客の忘れ物を見つけて、中を確認すると大金なんです。この人は、とっても良さそうな人なので、もしかしたら、このまま警察に届けるのかなぁと思ったら、ちょっと違いました。でも、この人の行動が一番一般的なんじゃないかなぁ。欲しいけど、ダメだよねっていう思いもあって、あぶあぶしちゃう感じがとっても良かったです。

 

 

こんな人々が絡み合って、絡み合って、この人って、そこに繋がるんだっ!とか、ああ、その人って、この人と一緒なのねとか、時々、全く関係の無い人が入ってきて、勝手に殺されていくみたいな場面もあり、面白かったです。重要な人物かと思ったら、どーでもイイ人だったりして、予想が付かない面白さという感じでした。

 

原作は日本の小説です。曽根圭介先生の作品なのですが、私はまだ読んでいません。先生のコメントを見ると、原作に小説ならではの手法を使っているため、映画化は難しいだろうと思っていたそうですが、原作の構成を生かしつつ、監督が巧みな手法で脚本を書きあげて下さったそうです。本当に面白く出来上がっていたので、成功したのではないかなと思いますが、原作も読んでみたくなりました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。超!を付けようか迷ったのですが、今日は、ちょっとだけ厳しくつけちゃいました。でも、本当に面白いですよ。何かあるとすれば、私のタイプのイケメンがいなかったというくらいかしら。(笑)でも、韓国映画の有名俳優が勢ぞろいでしたので、韓国俳優を良く知っている方は、楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「藁にもすがる獣たち」