「砕け散るところを見せてあげる」思わぬ方向に展開が変わっていくのでとても面白くて目が離せません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「砕け散るところを見せてあげる」をオンライン試写会で観ました。 ”coco”(@coco_official)さんのご招待でした。

 

ストーリーは、

人よりも正義感が強い普通の高校3年生・濱田清澄は高校1年生で学年一の嫌われ者の蔵本玻璃がいじめを受けている現場を目撃し、彼女を助ける。そのことをきっかけに、清澄は玻璃をいじめ問題から救おうとし、次第に2人の心の距離も縮まっていくが・・・。

というお話です。

 

 

ある朝、遅刻した濱田清澄は、体育館での朝礼に遅れて入り、一番後ろについていた。すると、1年が一人の女子を虐めている。上履きを投げつけたり、あからさまな虐めだった。3年の清澄は虐めを止めに入り辞めさせるのだが、いきなり、その女子が叫び出して驚いて固まってしまう。

 

その後、清澄のクラスメイトの女子の妹が、あの子の名前は蔵本玻璃と言い、学年一の嫌われ者で少しおかしいからという情報をくれるが、清澄は彼女の事が気になっていた。そして、玻璃がまたも虐めを受けて、水をかけられトイレに閉じこめられているのを見つけ、助け出す。冬の最中、濡れたまま帰す訳にも行かず、仲の良いクリーニング屋のおばちゃんを訪ね、玻璃の制服を乾かして貰い、乾くまで玻璃と一緒に過すことに。

 

 

玻璃はおかしいのではなく、ただ不器用で、極度にシャイな性格だった為に、そう思われていただけだった。お礼も言えるし、会話も成り立ち、話してみると普通の子だった。それから仲良くなり、登校時に心配なので一緒に学校に行ってあげたり、甘いモノが好きという玻璃にクリーニング屋のおばちゃんがおはぎをくれたりと、何気ないしあわせな毎日が始まっていた。

 

しかし、玻璃が清澄の家にノートを借りに行き、帰りが遅くなった日に、玻璃の様子がおかしくなり、早く家に帰らないとお父さんに怒られると慌て始める。清澄の母親が車で送っていくと、途中で玻璃の父親に遭遇する。清澄の母は平然を装い、玻璃の家庭の事などを訪ねるが、父親ははぐらかし、無理やりに玻璃を連れて帰ってしまう。何かがおかしい。

 

 

玻璃には誰にも言えない家の秘密があり、苦しんでいたのだった。玻璃を守りたいと思う清澄だったが、その日から玻璃に避けられるようになってしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

単純にいじめ問題と高校生の青春ラブストーリーかと思って観始めたら、とんでもない!凄い映画でした。この内容は、絶対に言えません。この映画ばかりは、ネタバレしちゃったら面白くないので、言いませんが、凄い展開になりました。最初の方に予兆はあるのですが、これだけ虐めを描いているので、そちらの問題だろうと甘く見ていました。そしたら、ええ~!っていう展開になりまして、そっちに行くんかいっ!って叫びそうになっちゃいました。いやぁ~、SABU監督、凄かったっす。

 

 

最初は、本当に酷いいじめ問題を描いていて、玻璃一人を、沢山の生徒が虐めているんです。それも、先生がいても平気なんですよ。おいおい、教師がそれは止めるべきでしょ。というか、それ、犯罪だから。虐めは犯罪だって、スクールポリスの嶋田さんが言ってたでしょ~!上履きを投げつけ、机を蹴り倒し、挙句、冬に水をかけてトイレに監禁って、それ、誰が考えても犯罪だよね。そんな事が許されちゃいけませんよ。ちゃんと訴えましょう。

 

で、虐めを助けるヒーローが清澄なんです。3年の清澄は、1年の虐めに介入して、1年から「ヒマセン」とあだ名をつけられます。ヒマな先輩の略だそうです。うーん、この辺りは、ちょっと田舎臭いというか、都会ではない感じよね。ま、そんな学校での虐め問題ですが、清澄の行動や、周りの目によって、段々と改善されていきます。それにより、玻璃も明るくなっていき、勉強もするようになっていきます。

 

 

だけど、どこか暗い影のある玻璃。そしてある日、玻璃の腕に酷い痣がある事に気が付きます。誰かに強く握られたような、そんな痕があったんです。清澄は、もしかして家で虐待があるのかもと疑い始め、清澄の母親も何かおかしいことに気が付いて、玻璃の父親と対峙するんです。この保護者同士の会話が凄かった。観ていてもハラハラするような、そんな感じでした。清澄の母親を矢田亜希子さん、玻璃の父親を堤真一さんが演じているんですよ。どちらも主役を張れる俳優さんで、その緊迫感が解るでしょ。

 

この映画、主演の二人も良いんだけど、周りが凄い俳優ばかりで、これだけの出演時間なのに、この人が出てるの?っていうくらい凄いんです。力の入れようが解るでしょ。面白い映画なんですよ。いやぁ、返す返すも、SABU監督、凄いです。

 

 

途中で玻璃が、こんなに大変なのは、UFOがもうすぐ攻撃してくるからなんだってお父さんが話してくれたことがあると言い、ファンタジー系かと思うような感じもありました。空にUFOが飛んでいるイメージ映像もあるので、あれ?と勘違いしちゃったりするんだけど、この映画はファンタジー映画ではありません。人間社会の怖い現実を描いていますので、途中でファンタジー色に染まっちゃわないように観ていてください。

 

公式サイトの相関図を見ると解かると思いますが、最初に出てくるのは清澄の息子(北村さん)です。そして彼が、父親はヒーローだったと思い返すのですが、その父親が清澄です。冒頭で、清澄は氾濫した川から人を助けて亡くなってしまい、息子は父親に逢ったことが無い事が語られます。そこから、昔のヒーローのお話に入って行きます。良い展開でしたよ。ヒーローの末路が語られ、その後、どうしてヒーローだったのかが語られ、そして現在に戻ってくるというところが、うんうん、良かったねって思わせてくれる作品に仕上がっていました。


 

中川さん、上手いですねぇ。表情が上手すぎる。最近、NHKのウッチャンの番組に中川さんが出演しているのですが、それが上手いのよ。若い頃のウッチャンを演じた時も、あの面白さを、あのイケメンの顔でやるからビックりしちゃう。マジで素敵です。最近の若い俳優さんは、よく勉強をしていて、演技も上手いですよね。驚きます。こういう若手が出てくると、アイドル上がりでは太刀打ちが出来ないでしょうね。何事も勉強です。


 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。超をもう一つ付けたいくらいだけど、まぁ、今回は2個にしておきます。公開がまだ先なので、他の方の意見も聞いてみて下さい。面白い意見が出てきそうな気がします。この映画は、4月頭に公開予定です。もう少し、早めてくれれば春休みに観に行けるんだけど、ちょっとハズれちゃいましたね。コロナでそれ以上、公開が延期されないよう願っています。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「砕け散るところを見せてあげる」