「どん底作家の人生に幸あれ!」デイヴィット・コパフィールドと入れてくれればもっと人気が出たのに。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「どん底作家の人生に幸あれ!」を観てきました。

 

ストーリーは、

デイヴィッドは幼い頃から、周囲の変わり者たちについて書き留めては空想して楽しんでいた。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らすデイヴィッドだったが、暴力的な継父によって工場へ売り飛ばされてしまう。どん底の日々の中でたくましく成長したデイヴィッドは、母の死をきっかけに工場から脱走。唯一の肉親である裕福な伯母の助けで上流階級の名門校に通い始め、今まで体験した“作り話”を同級生に披露して人気者となる。卒業後は法律事務所で働き、恋人もできてついに幸せを手に入れたかに見えたが…。

というお話です。

 

 

デイヴィッドは少年の頃、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては、空想して遊んでいた。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らしていたが、母親が再婚し、暴力的な継父のによって人生が一変してしまう。

 

都会の工場へ売り飛ばされ、強制労働のハメに!しかも里親は、借金まみれの老紳士だった。歳月が過ぎ、ドン底の中で逞しく成長した彼は、母の死をきっかけに工場から脱走。たった一人の肉親である裕福な伯母のところへ向かう。そして一緒に暮らし始める。

 

叔母は裕福で、ディックというちょっと変わった男性を同居させていた。ディックは脳に首をはねられた王の霊が憑依していると話し、幾度となく混乱する。それを見たデイヴィットは、凧にその言葉を乗せて飛ばせば消えますと教えて、一緒に凧を飛ばし始める。するとディックの思考は安定し始める。

 

 

叔母の助けで上流階級の名門校に通い始めたデイヴィッドは、友人も出来て楽しい学生生活を送る。パーティーで見かけたドーラに一目惚れをし、声をかけようとするがドジばかりして全く相手にされなかった。

 

卒業後に法律事務所で働き始め、ある程度の地位を手に入れたデイヴィットは令嬢ドーラと恋に落ち、順風満帆な人生を手に入れたかに見えた。だが、叔母が破産し、彼の借りている部屋に叔母とディックが同居しはじめ、その上、路上生活をしていたミコーバー一家を見捨てることが出来ずに一緒に住まわせることにする。狭い部屋に何人もの同居人がおり、ドーラとの新婚生活などままならない。

 


 

どうしたもんかと考えていると、叔母とディックが、小説を書きなさいとデイヴィットに執筆場所を作ってくれる。そして小説を書き始めたデイヴィットは、それまでに書き溜めた不思議な人々のメモを読み返し・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、チャールズ・ディケンズの「デイヴィット・コパフィールド」という小説を映画化したものです。ちょっと内容を変えてありますけど、ほとんど同じでした。でも、現代に映画化ということで、人種の使い方が面白かったです。ディケンズの時代だと、人種差別が強く、登場人物はほとんど白人だったと思うのですが、今回は、黒人の母親に白人の息子、白人の母親に黄色人の息子と、面白い組合せであり、映画の中に人種差別的なものは一切出てこないという、珍しい内容でした。この時代の映画なら、白人の上流階級の女性に黄色人が結婚を申し込むなんて許されなかったと思うのですが、デイヴィットはドーラに結婚を申し込み、家族が大喜びするという場面があって、珍しいなぁと思いました。

 

 

デイヴィットはとっても子供らしくて理知的な子でしたが、母親が再婚し、義父に酷い仕打ちをされて、その子供らしさは消え、少し諦めているような青年となって行きます。でも、母親の死後に叔母の家を訪ねて行ったことから、また、昔のような、希望を持った青年に変わっていきます。この少年~青年期に関しての描写ですが、裕福か貧困かによって、人間の人生と精神は大きく変わるのだという感じで描かれている気がして、うーん、お金在りきというのはイヤだなぁと思いました。まぁ、現実は、本当にお金在りきなのですが、それを目の前で描かれちゃうと、ちょっとキツいでしょ。

 

叔母のところで幸せになれたと思ったら、今度は叔母が破産しちゃって、デイヴィットの所に転がり込んでくるという、凄い展開で、面白かったです。この叔母とディックが、本当に面白かったです。この時代、こんなに簡単に破産したんですかね。まぁ、この破産にも裏があるのですが、それはネタバレになるから書きません。でも、ディケンズの”デイヴィット・コパフィールド”の小説は有名だから、知っている方は多いですよね。

 

 

あらすじには書きませんでしたが、デイヴィットの学生時代、学校の用務員のような事をユライヤ・ヒーブという男がやっているんです。年齢はデイヴィットと同じくらいかな。貧困層の人間で、何とかしてのし上がってやろうと爪を研いでいるんです。大人しい顔をして悪賢く、デイヴィットを脅して弁護士の助手になろうとしたり、嫌な奴でした。マジで酷いことをしているのですが、それは映画を観て下さいね。

 

そんなこんなで紆余曲折を経て、小説家として有名になるディケンズの人生をなぞったようなお話です。そんなデイヴィットを、今回は、デヴ・パテルが演じていて、可愛かったですよ。彼が演じると、バカな事でも可愛く見えるし、辛い事でもなんとかなるかもって思えるような演技なので好きなんです。

 

 

やっぱり叔母のベッツィ役のティルダ・スウィントンが良かったなぁ。ロバが庭に入ってくると、狂ったように追い出す所に笑いました。どうしてそんなにロバが嫌いなんだよって感じで、笑えました。めちゃくちゃな事を言ってそうだけど、実はちゃんとしていて、お金の管理もキッチリしているようでした。

 

そんなベッツィと同居しているディックですが、恋人かと思いきや違うようで、不思議な関係でした。でも、例えば一時でも恋愛関係があったとしても、腐れ縁的に一緒に住んでいるというのって、私は羨ましいと思いました。結婚という形でなくても、同居人として一緒に生活をして、家族として生きて行くというのは在りじゃないかな。年を取ったら助け合う相棒のような存在って大切でしょ。独居老人が増えているようだけど、こんな風に一緒に生活が出来る人がいたら良いのにね。

 

 

このデイヴィット・コパフィールドって、あまりにも有名な小説なので、今更という感じでしたが、考えてみたらあまり映画化されていないんですね。クリスマス・キャロルやオリバー・ツイスト、大いなる遺産は何度か映画化されているのに。

 

最後に一言ですが、何で邦題を「どん底作家の人生に幸あれ!」なんて題名にしたのかしら。全く目立たないし、あまり観たいと思わない題名です。それなら「デイヴィット・コパフィールド」という題名にして、副題にどん底作家~をつければ良かったのに。デイヴィット・コパフィールドなら、ディケンズの小説だと解るし、人の名前の方が、観たいとい気持ちになりますよ。この邦題は失敗だと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。何といっても、ディケンズの有名小説の映画化だし、デヴ・パテルがとても可愛くて面白いデイヴィットを演じています。あのオリバー・ツイストが大人になったら、こうなっていたかなという風にも思えて、私は気に入りました。でも、小説が長い事もあり、ちょっと端折り過ぎている感じもあったかな。有名作家の作品を読むのが辛いようなら、この映画で小説を読んだ気分になるのも良いのではないでしょうか。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「どん底作家の人生に幸あれ!」

 

 

 

 

 

 

 

寒い日には、健康管理に気を付けて。

 

ビタミンも取って、温かくして寝てください。