「あの頃。」の試写会に行ってきました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の最速独占試写会でした。
ストーリーは、
大学院受験に失敗し、彼女もお金もなくどん底の生活を送る青年・劔。松浦亜弥のミュージックビデオを見て「ハロー!プロジェクト」のアイドルに夢中になった彼は、イベントで知り合ったコズミンら個性的な仲間たちとともに、くだらなくも愛おしい青春の日々を謳歌する。しかし時は流れ、仲間たちはアイドルよりも大切なものを見つけて離れ離れになっていく。そんなある日、コズミンがガンに冒されていることを知った劔は、かつての仲間たちと再会を果たすが…。
というお話です。
バイトに明け暮れ、好きで始めたはずのバンド活動もままならず、楽しいことなどなにひとつなく、うだつの上がらない日々を送っていた劔(つるぎ)。そんな様子を心配した友人・佐伯から「これ見て元気出しや」とパチンコの景品で貰ったDVDを渡される。何気なく再生すると、そこに映し出されたのは「♡桃色片想い♡」を歌って踊るアイドル・松浦亜弥の姿だった。思わず画面に釘付けになり、テレビのボリュームを上げる劔。弾けるような笑顔、くるくると変わる表情や可愛らしいダンス、圧倒的なアイドルとしての輝きに、自然と涙が溢れてくる。
すぐさま家を飛び出し向かったCDショップで、ハロー!プロジェクトに彩られたコーナーを劔が物色していると、店員のナカウチが声を掛けてきた。ナカウチは、ハロプロのイベントを行っているらしい。手渡されたイベント告知のチラシが、劔の人生を大きく変えていく。
ライブホール「白鯨」で行われているイベントに参加した劔。そこでハロプロの魅力やそれぞれの推しメンを語っていたのは、プライドが高くてひねくれ者のコズミン、石川梨華推しでリーダー格のロビ、痛車や自分でヲタグッズを制作する西野、ハロプロ全般を推しているイトウ、そして、CDショップ店員で劔に声を掛けてくれたナカウチら個性豊かな「ハロプロあべの支部」の面々たち。劔がイベントチラシのお礼をナカウチに伝えていると、「お兄さん、あやや推しちゃう?」とロビが声を掛けてくる。その場の流れでイベントの打ち上げに参加することになった劔は、ハロプロを愛してやまない彼らとの親睦を深め、仲間に加わることに。
夜な夜なイトウの部屋に集まっては、ライブDVDを鑑賞したり、自分たちの推しについて語り合ったり、ハロプロの啓蒙活動という名目で、劔の母校の大学の学園祭でイベントを開催するなど、ハロプロに全てを捧げていく。西野の知り合いで、藤本美貴推しのアールも加わり、劔たちはノリで“恋愛研究会。”というバンドを組む。「白鯨」でのトークイベントで、全員お揃いのキャップとT シャツ姿でモーニング娘。の「恋ING」を大熱唱。彼らは遅れてきた青春の日々を謳歌していた。
ハロプロ愛に溢れたメンバーとのくだらなくも愛おしい時間がずっと続くと思っていたが、それぞれの人生の中で少しずつハロプロとおなじくらい大切なものを見つけていく。そして、別々の人生を歩みはじめ、次第に離ればなれに。東京でライブハウスの経営を任され大阪から引っ越したナカウチと石川梨華の卒業コンサートで再会した劔は、東京で働いて見ないかと言われ、東京へと移転する。ナカウチの下でライブハウスのスタッフとして働いていると、久しぶりにコズミンから連絡があり、肺ガンを患い入院したという。驚くナカウチと劔だが、東京では直ぐに見舞いに行く事も出来ず、仲間に行って貰うと元気だという返事が。しかし・・・。(公式HPより) 後は、映画を観て下さいね。
この映画、良かったよぉ~!なんか、別に、何か事件が起こるとかじゃないんだけど、このハロプロにハマった”オタク”たちの日常が、笑っちゃうんだけど、本当に好きなモノを追っているという感じが凄く良いんです。オタ芸とかしてるとこは、ちょっとヒキそうになったけど、自分だって、好きなモノがあって、それをやっている時はわき目も振らずに必死だから、同じなんですよ。人の事は笑えない、一緒なんです。でもさ、好きだったらそれくらい必死でやった方が楽しいですよね。カッコつけて必死になれない方が寂しいし、悲しいですよ。だから、この映画の中で、好きなモノを共有して、一緒に楽しんでいる彼らは、とても幸せそうでした。
まず、ハロプロって、モーニング娘。とかが所属するグループというか、集団なのかな?大人気だったから、知ってはいても、それがどういうモノなのかを、この映画を観るまで考えたことが無くて、今回、初めて知りました。モーニング娘。だけじゃなくて、沢山いるんですね。松浦亜弥は、ハロプロだけどモー娘。ではないというのも、今回、解りました。AKBとは違って、どこかに劇場があって、握手会をするとかいうグループじゃなくて、普通にアイドルグループとして活動をしていたみたいですね。今更ながら、色々、知りました。
主人公の劔は、大学を卒業してバイトをしながらバンド活動をしていたみたいなんですね。だけど、バイトが忙しくて練習が出来ず、上手くならなくて、仲間に怒られるんです。凄く凹んでいる時に、友達がパチンコの景品で松浦亜弥のDVDをくれるんです。それを見た瞬間から、まるで火が付いたように、ハロプロオタクとして暴走するんです。落ち込んでいる時に元気をくれたモノや人って、自分にとって、何か他とは違うモノになるよね。彼にとっては、松浦亜弥とハロプロがそれになったんだと思います。
バイト以外の時間は、ほとんどハロプロに夢中になっていて、休みの日は、仲間と一緒にうだうだしているみたいでした。でも、好きなモノを囲んで、仲間でうだうだしているのがイイのよね。下らない事ばかりを話しているだけなんだけど、この”たむろっている”という状況が、まるで猫がコタツに入ってぬくぬくしているのと同じ状態になっているんだから、しあわせよねぇ~。うんうん、本当に幸せそうでした。
このうだうだ仲間たち、キャストが素晴らしかった。松坂さんは上手いのでピッタリに演じていたのですが、その他の方々も素晴らしい。まず、コズミンの仲野さん、いっつも”勝つ”みたいに言っていて、このトゲトゲ加減が”いるいる~こんな人!”って感じで笑えました。ロビ役の山中さんは、毎度ながらイイ味を出してオッサンしてくれていて、もー、この役、大好きになりました。西野役の若葉さん、イケメンなのに平然とアホな事をやりまくるのが最高です。ナカウチ役の芹澤さんは、大人しいのに好きなモノを追求する姿は良かったです。イトウ役のコカドさん、演技も出来るんですね。お笑いの方ですよね。上手かったから驚きました。馴染んでましたねぇ~。もー、この6人、最高でした。一緒にいるだけで、まるでスルメを噛んでいるようなイイ味が出てくるんですよぉ。
主要キャストとは別に西田尚美さんが出演されていまして、劔とハロプロのコンサートで一緒になるのですが、この役、本当にちょっとの出演だけど、凄く共感出来るなぁと思いました。ちょっと年のいったおばさんで高校の先生をしているという女性なのですが、ハロプロが好きでコンサートに来たようなんです。劔の横の席で、卒業コンサートを涙ぐんで観ているんですよ。女性だって、アイドルを可愛いと思うし、唄も好きだったりするし、やっぱり好きなモノは好きなんです。ちょっとハズかしそうにしている姿が、とっても共感出来ました。私もちょっとハズかしいと思いながらも、どうしても観たかったり、欲しかったりするモノってありますもん。だから、その場に合わないおばさんがいても許してね。私も若い頃、なんでここにオバサンがって思ったけど、今なら解かる、好きなモノは好きなんです。
あとね、気になったのが、コズミンが”勝ち”にこだわっていて、ある出来事で”俺の勝ちだ!”って騒ぐ場面があるんです。でも、友達たちとの間に勝ち負けってなんだって思うのよ。私が思うに、勝ちっていうのは、自分がどんな社会の中でも楽しく幸せに生きていると実感出来たら、「私って、勝ってるな。」って思って良いと思うんです。どんな世界でも、自分はしあわせだと思えたら、人生勝ちなんです。もし、勝ち負けをいうなら、人相手じゃない部分で言った方が良いですよ。だから、劔も、きっと、大好きなハロプロと出会えて、人生の勝ち組に入ったと思いますよ。好きな事が出来て、しあわせだったんだから。
この映画、本当に良い映画で、感想を書いていたら、いつまでも書いてしまいそうなので、ここら辺で終わりにしておきます。これは、公開されたら、また観に行っちゃう作品ですね。好きな映画です。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。もう一つ”超”を付けても良いんだけど、私がハロプロを良く知らなかったので、一つ減らしました。ハロプロが好きだった人は、私よりももっと楽しめると思いますよ。オタク文化は不滅です。どんなモノでも、好きなモノが出来た人はしあわせだと思いました。そんな彼らをぜひ、観に行ってみてください。公開は、2月19日です。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「あの頃。」
映画館で気になったらウエットティッシュを使ってね。
最近、ラベルレスボトルを購入するようにしています。