「恋する遊園地」物には付喪神が憑くから遊具との恋愛もあり得るのかもしれません。不思議な映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「恋する遊園地」を観てきました。

 

ストーリーは、

内気な性格で、テーマパークのアトラクションのミニチュアを制作することが趣味のジャンヌは、幼いころから通ってきたテーマパークで夜間スタッフとして働き始める。ある日、新たに導入されたアトラクション「ムーブ・イット」を目にした彼女は、こうこうと輝くライトや美しくメタリックなボディ、熱く流れる油圧のオイルなど、ムーブ・イットの全てに魅了される。ある夜、ムーブ・イットに「“ジャンボ”と呼んでいい?」とひとり語りかけるジャンヌ。やがて彼女の思いに応じるかのように、ジャンボはライトを灯して動き始めるが・・・。

というお話です。

 

 

ジャンヌは母子家庭で育ち、とっても内気で、男性が苦手だった。母親が何度も恋人を変えて、家に連れて来るのが嫌だったのだ。

彼女の唯一の心の拠り所は、遊園地などのアトラクションのミニチュアを制作すること。幼い頃から近所にあるテーマパークに通っており、その場所はジャンヌにとって大切な場所なのだ。そして、この度、そのテーマパークの夜間スタッフとして働くことになる。夜にパークを周り、清掃をする仕事だ。

初出勤するとある男性が現れる。彼は新しくこのテーマパークの支配人になった人だった。男性と親しくするのが苦手なジャンヌだが、彼は優しく、気遣ってくれるので、段々と接することが出来るようになって行く。



 

そんなある日、新しい遊具がテーマパークに仲間入りした。”ムーブ・イット”というアトラクションだ。タコ足のように何本もの足を振り回し、観客を喜ばせる遊具だった。ジャンヌは、輝くライトや美しいメタリックのボディに魅了され、その遊具がとても気に入ってしまう。

夜の清掃に周り、ムーブ・イットの清掃もしていると、不思議な金属音が聞こえたり、照明が点いたりする。最初は怖がっていたジャンヌだったが、段々とそれが自分への愛情表現なのではないかと思い出す。そして遊具に「ジャンボって呼んでいい?」と語りかけ始める。

その時から、ジャンヌとジャンボの交流が始まるのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

不思議な映画でした。主人公のジャンヌが、遊具ジャンボに恋をするお話です。ジャンボって、機械でしょって思うんだけど、彼女には、それが意識を持った生物に見えたのだと思います。そうは思っても、やっぱり機械にそんなに入れ込んで、ちょっとキモいと思ってしまいました。

 

恋というのは、相手が人でなくてもあり得るだろうとは思っています。だって、2次元のキャラに恋することだってあるでしょ。でもね、さすがに遊具と言われると、うーん、どこら辺が良いの?って聞きたくなりました。オーガニズムを感じるとか言うんですから、相当でしょ。映画の中でも、ジャンボの所に行って、裸になって抱きついたりしているから、何とも唸ってしまいました。まぁ、人それぞれ、考え方があるから、それがダメとは言わないけど、ちょっと受け入れがたかったなぁ。

 

 

とは言え、ジャンヌのジャンボへの恋は、本当に純粋で、心からジャンボを愛しているんです。驚くような事だけど、本当に真剣に恋をしているので、周りは引いてしまい、彼女を病院に入れた方が良いと考え始めます。確かに、こんな風に遊具に欲情するとか言われたら、さすがに引くと思います。母親も、自分の娘はおかしいと思って、病院に入れないとと、彼氏に相談します。

 

ジャンヌの母親は男関係にだらしなくて、ジャンヌはそういう母親の部分を嫌っています。母親は、男性を怖がり、閉じこもって遊具のフィギュアを作っている娘を心配しています。これ、一種の自閉症だと思うんです。でも、母親は、無理やりに外に出して、人と交流させようとして、娘の言い分をほとんど聞きません。ジャンボに恋をしたと話すジャンヌの言葉も全く聞かず、病院に入れと言ったりして、さすがにここで母親の彼氏が怒ります。この母親の彼は、とても良い人で、娘の話を聞いてやるべきだと思っているんです。この母親の彼がいたおかげで、ジャンヌは救われたと思いました。

 

 

おかしいと言われたジャンヌは、悩み、どうにかしてジャンボへの気持ちを断ち切ろうとするのですが、どうしてもジャンボへの気持ちを忘れられません。観ていて、ジャンヌはおかしいよって思いながらも、好きなら一緒にいたいよねって共感できる部分もあって、映画を観ていて、こんなに複雑な気持ちになることって珍しいと思います。頭の中の常識?という言葉が崩れて行き、好きなら相手が機械でもイイんじゃないのかな?っていう気持ちになって行くんです。不思議ですよねぇ。頭のどこかでおかしいよって思いながらも、好きなら許容しようよっていう考えに支配されていくというのが、何とも言えない感覚でした。

 

ジャンヌ役を、あの「燃ゆる女の肖像」のノエミ・メルランが演じています。今回も情熱的に、そして繊細に演じているので、惹き付けられるんです。彼女が美しいから、何となく共感出来る方に心が動くけど、これ、普通のオッサンとかが主人公だったら、直ぐに”病院に入れてください”と冷たく言い放ってしまっただろうなぁ。変態ですねの一言で終っていたかもしれない。(笑)

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ちょっと不思議な映画だけど、作り方が上手いし、主演女優が美しいので、どんどん惹き込まれていきます。通常なら”変態”の一言で終ってしまいそうな恋愛ですが、こんな風に描かれると、恋って不思議よねぇ~と考えさせられてしまいます。不思議な感覚を味わいに、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「恋する遊園地」

 

 

 

 

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