「おとなの事情 スマホをのぞいたら」を観てきました。
ストーリーは、
ある出来事をきっかけに結びつき、年に1度集まっている3組の夫婦と1人の独身男性。今年も楽しい時間を過ごすはずだったが、1人の参加者の発言をきっかけに、それぞれのスマホに届く全てのメールと電話を全員に公開をすることに。後ろめたいことは何もないと言いながらも、実は全員が絶対に知られたくない秘密を抱えており、自分のスマホが鳴らないことを祈っていた。スマホに着信があるたびにパーティは修羅場と化し、事態は予測不能な方向へと転がっていく。
というお話です。
ある出来事をきっかけに結びついた3組の夫婦とひとりの独身男性。彼らは年に一回集まって友情を育んでいた。六甲隆と絵里夫婦、園山零士と薫夫婦、向井幸治と杏夫婦、そして小山三平。
向井夫婦は新婚夫婦なのだが、妻の杏がとてもネガティブな性格で、夫・幸治の浮気を疑っていた。幸治はイケメンでチャラ男なのである。二組の夫婦に結婚とは何かと問いかけ、話せない秘密が無いなら、スマホを公開出来ますよねと話し出す。そして、何故か全員のスマホをテーブルに置いて、ここにいる間だけ公開することになってしまう。
最初はみんな嫌がっているが、段々と後に引けなくなってしまい、全員がスマホをテーブルに差し出す。そして、メールなどが来るたびにドキドキすることに。零士は、水商売風な女性と浮気をしており、それを隠す為に、三平にスマホを交換して欲しいと話す。二人は同じ機種のスマホだったのだ。嫌がる三平だったが、半ば強制的に入れ替えられてしまう。すると、零士のスマホに水商売の女性から画像が送られてきて、三平は仕方なく、それを彼女だと言ってその場を収める。
すると、今度は零士が持っている三平のスマホにも動画付きのメールが・・・。その動画を巡り、薫は半狂乱になり、誰もが引いてしまうが、零士は落ち着いて対応し、その場は収まる。そして今度は薫のスマホにメールが・・・。
誰もが自分のスマホに知られたくない秘密を持っており、それが明らかになって行く。その場は何とか収めて行くのだが、そう簡単には収まらない事件が・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、本当に面白いストーリーですよねぇ。一番最初のイタリア版を観た時に、本当に良く出来てると思って感動したのですが、やはり凄い賞を貰って、沢山の国でリメイクされているようですね。そしてとうとう日本でもリメイクが作られました。これ観ると、スマホで危ない連絡を取るのは止めようとか思いますよね。スマホ以外にガラケーを1台持って、こっそり連絡を取るしかないなぁ、なんて思っちゃいます。
日本版は、海外のストーリーとはちょっと違っている部分がありました。確かに設定をこういう風に変えた方が、日本の常識や、日本人の考え方に合っていたのだと思います。ネタバレではない部分としては、パーティーに集まった人々は、幼馴染の仲間たちではなく、ある出来事で知り合った人々なんです。なので、ちょっと事情が違って、まぁ、色々あっても、納得出来るような終わり方に出来ているかなと思いました。
最初から最後まで、ほとんどが会話劇なので、演技の上手さが試されるんです。そこから行くと、良いキャストが集まったなぁと思うのですが、常盤さんや益岡さんは良く舞台に出ているし、他の方々も、鈴木保奈美さん以外は、皆さん、舞台経験がある方々なので、とっても安心して観ていられる感じでした。演技が上手いので、映像編集なんてほとんどいらなかったんじゃないかな。アップにしたり、長回しで撮っていたりと映像的には平凡な感じなのですが、役者さんの演技が上手いので、凄く観ている方に響いてくるんです。
それに、やっぱり脚本が上手いんだよなぁ。自分の事情が解ると困る人が悪い事をするんだけど、その後の展開で、実は凄い男気があって、ある人を助けようとする姿が面白かったなぁ。悪い事してるけど、実はとってもイイ奴っていう、このメリハリというか、バランスが上手いんです。この強弱によって、一人の人に幾つものレイヤーがあるんだという事が解って、許せないけど許せちゃうようになっちゃうんですよ。そこら辺が、上手いなぁと思いました。
ちょっとイラッとしたのが、ネガティブな向井杏がスマホを見せ合おうと言い始めた時、夫婦ってなに?隠し事はあっても、知られちゃいけない事はないんでしょ?って言うんです。隠し事ってのは、知られたくないからあるんだよっ!何アホな事言ってるんだよって思っちゃいました。夫婦だって、隠し事はあるし、知られたくないことだってありますよ。別に浮気とかでは無くても、恥ずかしかったり、悔しかったり、悲しかったりしたことを、知られたくないって思う事もあるんです。
夫婦って、何でもかんでも話せばいいって訳じゃなくて、お互いに相手を傷つけず、それ以上に出来れば心配をかけたくないからやっぱり話すのは止めておこうという事って沢山あるんです。自分だけでかたずけて上手く行けばそれでイイでしょ。余計な心配をかけるのも可愛そうじゃないですか。相手を思うからこそ、話さない、秘密にすることってのもあるんです。それって、相手の気持ちになって考えてみるという想像が出来る人間でないと無理なので、頭が悪いと出来ないかもしれません。
密室劇になっているので、これ、舞台でやるにも、とても面白いと思っているのですが、今のところ、舞台でやったという話は聞いたことが無いけど、やったことあるのかな?密室で真ん中にスマホを置いて、音が鳴る度にドキドキするというシチュエーションが面白いよねぇ。舞台でも観てみたいなぁ。豪華キャストでやってくれたら、凄く楽しそうなんだけどな。もちろん、映画も良かったですけどね。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。コロナで籠りっきりになってしまっていると思うのですが、もう少しして、少し感染が減ってきたら、ちょちょっと近所の映画館に行ってみて、サクッと観て帰って来てください。これは、解りやすくてスッキリする映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
今のところ、イオンシネマだけは、1席空けでチケット販売をしてくれているので、心配な方は、イオンシネマを見つけて観に行ってください。他の映画館でも、出来たら空いている時間に行く事をお薦めします。これだけ感染が出ているという事は、1つの映画館の中に感染している人が必ずいるという事です。満席の映画館など、怖くて入れません。本当に気を付けてください。
「おとなの事情 スマホをのぞいたら」