「詩人の恋」それが恋とは気が付かなかったけど、やっぱりあれは恋だったんですよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「詩人の恋」を観てきました。

 

ストーリーは、

自然豊かな済州島で生まれ育った30代後半の詩人テッキは、スランプに陥っていた。そして、稼げないテッキを支える妻のガンスンが妊活を始めたことから、平凡だったテッキの人生に波が立ち始める。乏精子症と診断され、詩も浮かばずに思い悩むテッキは、ある時、港に開店したドーナツ屋で働く美青年セユンと出会う。セユンのつぶやきをきっかけに新しい詩の世界を広げることができたテッキは、セユンについてもっと知りたいと思うようになるが・・・。

というお話です。

 

 

自然豊かな済州島で生まれ育った詩人のテッキは、ここ数年スランプだった。稼げない彼を支える妻ガンスンがそろそろ子供が欲しいと妊活を始めたことから、テッキの人生に波が立ちはじめる。

テッキとガンスンは産婦人科で相談をすると、ガンスンの準備は万端だが、テッキの精子が少なく、動きも悪い。乏精子症と診断され、ショックを受けてしまう。人工授精を行うことになり、費用もかさむので、テッキは学校の教師のバイトをし始める。



 

色々な事が突然に起こり、詩も浮かばなくなり、思い悩むテッキは、ある日、港に開店したドーナツ屋で働くセユンに出会う。セユンは、不幸な家庭環境で育っているが感受性が強く、彼がつぶやいた言葉がセユンの心を動かし、新しい詩の世界への扉を開かせてくれたのだ。セユンは、溢れる言葉を詩に紡いでいく。

もっと彼を知りたい。30代後半にして初めて芽生えた“守ってあげたい”という感情を隠しながら、テッキは孤独を抱えるセユンと心を通わせていく。そんなテッキの行動を不審に思ったガンスンは、テッキを問い詰めると、セユンという少年を助けたいと話す。ガンスンは、まさか若い青年に特別な思いを抱いているとは思わなかったのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

最初、この映画をBLと呼んでよいのか、テッキのセユンへの思いは恋だったのか、私には何とも言えませんでした。恋と言ってしまえば、確かに恋なのかもしれませんが、違う見方をすると、自分が助けた動物をペットとして飼いたいけど、親が許してくれないから隠れて飼っているという風にも見えて、ちょっと考えてしまいました。もし、妻のガンスンが、そんなに怒らずに、しばらく家で面倒を見てあげましょうかと言っていれば、息子のようになったのではないかと思ってしまったんです。

 

でも、後半になると、セユンの目が違ってきて、テッキへの依存が大きくなっていくんです。そして段々と二人の関係が崩れて行くのですが、この崩れ方は、恋人同士の関係と同じでした。こんな風に恋愛って壊れるんですよ。どちらか一方が、依存し過ぎてバランスが崩れると、どうしても持たなくなってしまいます。でも、バランスが悪くなっても、どちらかが許して我慢をすることが出来ると、結婚になるんですけどね。

 

 

テッキはセユンと生きて行きたいという思いが強いのですが、そんな時に、ガンスンの妊娠が解るんです。まぁ、ここら辺は、恋愛映画で良くある話なのですが、テッキはそれでもセユンへの気持ちを抑えられずに、ガンスンと住んでいた家を出て行くんです。酷いでしょ。私は許せないと思いました。

 

子供って、母親だけのモノじゃないんですよ。妊娠したのはお前だと思っているかもしれないけど、させたのは男でしょ。どんなに好きな人がいるからと言って、出て行って責任を放棄するのは許せません。ほっんと、男に妊娠させたいよ。男って、自分が妊娠しないから、自分勝手なんですよね。卵子と精子が受精したら、男か女か、どちらが妊娠するという選択が出来ると良いのにね。ゆくゆくは、そんな遺伝子操作も出来るようにして貰いたいです。そうしたら、どちらが育休を取るとか、問題にならないでしょ。女だけが妊娠するから問題なんだから、男女どちらも妊娠出来るようにすればいいのよ。いやぁ、マジで腹が立ちました。

 

 

映画に戻って、セユンという青年は、最初は親切なオジサンだなぁと思っていたと思うんです。病気の父親も心配してくれるし、布団や色々な物をくれるし、自分を哀れだと思って恵んでくれているんだろうと思っているんです。きっと、テッキも、最初はそんな気持ちだったと思うんです。施しをするのって、気持ちイイですからね。でも、その内、セユンの優しさや繊細さに触れて、本当に助けてあげたいと思うようになるんです。その気持ちの変化が、良く描かれていたと思いました。

 

 

最後の最後で、テッキの気持ちは、やっぱり恋だったのかなと思わされました。テッキもセユンも気が付いていなかったけど、やっぱりあれは本当の恋だったのだと、そこで気が付いたのではないかと思いました。一緒に泣きたくなりましたもん。こんなに苦しい恋、始めて見たっていうくらい、これは辛い恋でした。いやぁ、テッキ役のヤン・イクチュンが上手いから、もー、辛さが伝わってきました。この俳優さん、本当に上手いです。「息もできない」も良かったけど、「あゝ、荒野」が素晴らしかったですもんね。好きな役者さんです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。同性愛とか思わず、普通の恋愛映画として観て頂ければ、とても感動すると思います。たまたま、相手が少年だったというだけで、純粋な恋愛映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「詩人の恋」