「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画」をオンライン試写会で観ました。cocoさん(@coco_official)のご招待でした。
ストーリーは、
2010年、インドの宇宙事業の命運をかけたロケット打ち上げが失敗に終わり、責任者のラケーシュとタラは火星探査プロジェクトという閑職に異動させられる。誰もが実現不可能だと考える火星探査だったが、タラは家庭での料理方法をヒントに、小さなロケットで探査機を火星に送る画期的なアイデアを思いつく。低予算ながらプロジェクト始動を承認されたものの、集められたスタッフは経験の浅い女性ばかり。始めはバラバラのチームだったが、ラケーシュのリーダーシップと女性たちの節約アイデアで、僅かな予算で打ち上げを成功させるべく結束していく。
というお話です。
2010年、インドの宇宙事業の命運をかけたロケットの打上げが失敗に終わり、プロジェクト責任者のタラとラケーシュは誰もが実現不可能と考える火星探査プロジェクトという「閑職」に異動させられる。
主婦でもあるタラは家庭料理など家事から閃いたアイデアで、小さなロケットでも探査機を火星に送る方法を思いつきラケーシュに訴えて、低予算ながらプロジェクトが始動する。
しかし、花形の月探査プロジェクトに比べれば陰の存在であるプロジェクトにチームとして集められたスタッフは、トップクラスとは言えない、経験の浅い、いわば二軍の寄せ集め。何度も挫折を味わい、予算も削られていたが、月チームの計画が延期となり、風向きが変わってくる。
はじめはバラバラのチームだったが、女性たちの節約アイデアで、わずかな予算でも火星打上げを成功に導くため、チームは結束し奮闘する。そして、2013年、彼らのアイデアと努力が詰まった火星探査機「マンガルヤーン」が火星へと打上げられたのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、インドの火星探査プロジェクトの実話をベースに作られているそうです。インドが数学系に強そうだという事は聞いていたのですが、宇宙開発に成功していることは全く知らなかったので、この映画を観る前も、完璧にフィクションだろうと思っていたのですが、違うんですね。本当に驚きました。
インドでも、月への探査プロジェクトが進んでいたのですが、失敗してしまい、ラケーシュとタラは、メインのプロジェクトから外され、火星探査チームに左遷されてしまいます。火星探査なんて、誰も出来る訳が無いと思っていて、そのチームに配置されたのは、俗に言う2軍チーム。女性と年配者ばかりで、いかにも当てにしてないぞと言わんばかりの配置でした。
日本と同じで、男女平等と言いながらも、やっぱり女性は低く見られている感じはありました。そんな状況の中、タラは揚げパンを作る時のように、一度熱した油は火を消しても予熱で揚げることが出来るという原理を元に、燃料を燃やして勢いをつけたら、直ぐに火を消して燃料を温存し、探査機を推進させれば、燃料の節約になり、軽くて済むという事に気が付きます。
インドの凄い所は、普通の主婦が宇宙開発チームで頑張っているっていう事。そのチームの女性は、みんな、自分の生活があり、それぞれにやることがあるんです。妊娠をしていて、出産を控えたりしている女性もいるのに、みんなで助け合って、産休取ればいいのにという考え方じゃなく、ギリギリまで働いて、生まれたらみんなで面倒を見てもいいよって感じなんです。
確かに産休を取るのも良いけど、能力の高い女性なら、あなたの能力が必要だから会社が補助しますと言ってあげれば、ギリギリまで仕事は出来るし、その女性だってやりがいがあるし、子供を職場で見てもいいじゃないですか。こういう考え方が、素敵だなと思いました。何でもかんでも、産休を取らせばいいという考えじゃない所に、ちょっと感動しました。
本当は、女性だって自分を認めてくれているなら仕事を続けたいですよ。昔、女優さんが言っていたように、卵で産めるならそれが一番ですよね。まぁ、無理だけど。生まれてからだって、職場の一角に託児所みたいのを作ってくれれば、子供を見ながら仕事が出来るでしょ。いつも仕事をしながら子供を心配しているより、近くにいれば仕事がはかどると思うのよね。何時に迎えに行かなくちゃなんて、心配しなくていいんだから。そういう事が、女性の能力を生かす第一歩なんじゃないかと思いました。何でも、通り一遍等な考え方ではなく、それぞれのやり方をやってみれば良いと思うんです。こういう宇宙開発という最先端の職場で、そういう事を考えているというのが、インドの凄い所だと思います。
そして、女性たちの能力が合わさり、火星探査プロジェクトが立ち上がり、沢山の困難を乗り越えて、探査機の打ち上げに辿り着きます。この映画を観ていたら、日本の”はやぶさ”の考え方に似ているなと思いました。やっぱり重量を軽くして、強度を上げて、小さい力で飛ばすという考え方が、宇宙開発には重要なのかなと思いました。
この映画、インド版「ドリーム」という感じでした。ハリウッド映画で、NASAの黒人女性3人が、人種差別や性差別に耐えながら、その能力を認められて、宇宙開発を成功させるという内容でしたが、そのインド版的な感じに思えました。あちらは1960年代でしたが、この映画は10年前くらいのお話なので、ちょっと違いますが。でも、面白かったなぁ。一つ、困ったのは、私、人の顔を覚えるのが苦手で、女性たちの顔の見分けがつき難くて困りました。あれ?さっき妊婦じゃなかったかな?なんて、解んなくなっちゃう場面がありました。(笑)
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。女性が活き活きと描かれていて、その能力をいかんなく発揮して宇宙開発が進んで行くというストーリーが、とても楽しいし勇気づけられます。2021年1月8日に公開です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画」