「クローゼット」只のホラー映画ではなく児童虐待問題も描かれており人間の怖さに驚きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「クローゼット」を観てきました。クロックワークスさんのSNS劇場招待券プレゼントに当選して、観に行ってきました。

 

ストーリーは、

妻を事故で亡くしたサンウォンは、自身も事故のトラウマに苦しんでいた。娘のイナを連れて新居に引っ越し、イナとの間にできた溝を埋めようとするが上手くいかない。やがてイナは新しい友達ができ、サンウォンはクローゼットから聞こえてくる奇妙な声に悩まされはじめる。そんな中、イナがこつ然と姿を消してしまう。必死で娘を捜すサンウォンの前に、彼女の行方を知るという謎の男ギョンフンが現れ、クローゼットにすべての秘密が隠されていると言うが・・・。

というお話です。

 

 

交通事故で妻を亡くしたサンウォンは、事故後のトラウマに苦しんでいた。一緒に車に乗っていた娘のイナも、事故からあまり喋らなくなってしまった。サンウォンは、精神科の医者の薦めで自然の多い静かな場所に引っ越しをすることに。

 

新居に着き、娘との再出発を期待しながら、新しい生活を始めるのだが、夜に仕事をしていると、イナのバイオリンの音が響いてくる。あまりの騒音に驚いて娘の部屋に行くとイナは既に寝ており、バイオリンもしまってある。勘違いかと思い、そのまま下に下りる。後日、今度はイナの悲鳴を聞き、驚いてイナの部屋へ飛んでいくと、イナは笑顔で人形と遊んでおり、とても気分が良さそうだった。何かがおかしいと感じながらも何も出来ず、サンウォンは、このままでは仕事も手につかないので、イナをしばらく施設に預けようと考え始める。

 

 

やっと頼んでいたベビーシッターが来て、これで仕事に打ち込めると現場に行ったサンウォンだったが、現場に電話が来て、ベビーシッターが突然に帰るという。怒るサンウォンだったが、家に帰ってみると、ベビーシッターもおらず、イナの部屋に行くと、イナも部屋にいない。どんなに探してもイナは見つからず、警察に失踪として届けて捜査をして貰うが、全く進展が無い。

 

イナを探し続けるサンウォンの前に、突然にギョンフンという男性が現れる。彼が言うには、イナの前にも、30人以上の子供が行方不明になっているらしい。そして、彼らは此の世ではなく、異世界に行ってしまったというのだった。そんな話、信じられる訳が無いというサンウォンに対して、ギョンフンは自分以外にイナを見つけられる人間はいないと断言する。藁にも縋る思いで、サンウォンはギョンフンに、イナを探してくれるように依頼をし、家に色々な装置を取り付けて調査を始めると、クローゼットに異世界との扉が開き、そこから邪悪なモノが姿を現し始め・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、ただのホラー映画かと思ったら違うんですよ。確かに怖いんだけど、子供に対しての、親の虐待や放置などの問題が描かれていて、簡単に子供たちが居なくなっている訳ではないという事が重要な鍵になっているんです。面白いと思いました。

 

韓国映画なので、キリスト教的な考え方が強く、やはり悪魔的なモノが襲ってくるんだけど、その悪魔が、悪魔と見せておいて、実は・・・ってことなんです。悪気はないんだけど、思い残したことが多く、恨みや悔しさなどにより、悪魔というか悪霊になってしまったというお話です。そりゃ、なりますよ。うんうん。

 

 

今の時代は、虐待とかに敏感になって、近所に通報されたり、学校や病院などが気が付いて通報してくれたりするので、昔よりは良くなったとは思うけど、今も隠れている虐待、DVなどは、後を絶たないのでしょう。この映画でも、娘のイナが失踪して、SHSなどでは、父親が殺したんじゃないかという投稿が沢山出て、サンウォンが苦しむんです。

 

もちろん、サンウォンは娘を本当に探しているんだけど、それまでに、何人も失踪している子供たちの中には、虐待を受けていたりして、実は、親に殺されて隠されてしまった子供たちもいるのではないかという事なんです。ここら辺が、とっても難しい所ですよね。本当に子供がいなくなって苦しんでいる人たちも凄く多いのだと思うけど、その中には、自分で殺して隠してしまった親も居るのかもしれない。でもね、きっと殺したような親は、マトモな人生は送れませんよ。必ず報いがあるはずです。人間の思いって強いので、その念は決して消えませんから。そんな感じの事も、この映画では描かれていました。

 

 

そうそう、でね、サンウォンは、本当に娘がいなくなって悲しんでいるん

だけど、確かに、仕事が忙しくて娘が邪魔だと感じていた時間もあるんです。ここが、この映画のネックになってくるんですけど、娘が大切だけど、仕事が無くなると養っていけないし、かといって一人で置いておけないし、仕事場にも連れて行けない。どうしようもなくて、子供がいなければとふと思ってしまう。

 

これ、私、凄く解るんですけど、家族の事を気にかけなくちゃと思いながらも、仕事が佳境に入ってしまうと、どうしてもそちらを優先したくなってしまう。だって、ここで仕事を断ってしまったら、次に続かなくなって経済的に大変なことになるかもと思ってしまうと、家族を養えなくなるかもという部分につながって、どちらを取るかと思ったら、まず仕事になってしまうんです。一緒にいても、食べさせられなければどうしようもないですからね。この部分って、仕事をしていれば、皆さん、考え処でしょ。男性は特にだと思います。随分と男女平等にはなっているけど、まだまだ、女性の中には、夫に養って貰うのが当たり前と思っている人がいますから。

 

 

そんな生活の苦しさも描かれていて、考える場所が多かったです。でもね、所々に、面白いギャグも交えてあって、面白かったですよ。主演が、あの「神と共に」のハ・ジョンウさんで、映画の中で、サンウォンに向かってギョンフンが「神と共にを観たこと無いの?」っていうセリフがあって、笑ってしまいました。そりゃ、観てないわよ、出てるのよって言い返してやれば良かったのに。(笑) 「神と共に」を観ていると、地獄での時間などが出ているので、この映画の中の内容に繋がっていて、確

かに、観ていれば解るわよねって思いました。

 

 

この映画、私は、お薦めしたいと思います。面白いです。ホラーとかオカルトという感じに見えますが、確かに、その部分もあるけど、どちらかというと、人間の恐ろしさを描いていて、悪霊よりも人間が一番怖いわよねってお話かな。でも、結構、怖い場面はありますので、覚悟して行ってくださいね。上映館が少ないのが残念だけど、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「クローゼット」