「ニューヨーク 親切なロシア料理店」を観てきました。
ストーリーは、
ニューヨーク・マンハッタンの地で創業100年を超える老舗ロシア料理店「ウィンター・パレス」。かつての名店も、今では料理もひどい、ただ古いだけの店になっていた。さらに、店を立て直すためにマネージャーとして雇われた刑務所を出たばかりのマーク、仕事ばかりで他人のためだけに生きる変わり者の常連客アリスと、店に集まるのはクセのある人びとばかり。そんな店に2人の子どもを抱えたクララが飛び込んでくる。無一文の彼女は、ある事情で夫から逃げてきたというが・・・。
というお話です。
ニューヨークのマンハッタンで、創業100年を超える伝統を誇るロシア料理店〈ウィンター・パレス〉。だが、現在のオーナーであるティモフェイは商売下手で、かつての栄華は過去の栄光となり果て、今では経営も傾いていた。店を立て直すためにマネージャーがスカウトされるが、マークというその男は刑務所を出所したばかりの謎だらけの人物。
店を支える常連の一人である看護師のアリスも、恋人に裏切られて以来、救急病棟の激務に加え〈赦しの会〉というセラピーを開き、他人のためだけに生きる変わり者だ。そのアリスを、絶望的な不器用さから次々と仕事をクビになったジェフら、ワケありの過去を抱えた者たちが慕っていた。
そんな〈ウィンター・パレス〉に、まだ幼い二人の息子を連れて、事情を抱えて夫から逃げてきたクララが飛び込んでくる。無一文で寝る場所もないクララに、アリスとマークにジェフ、そしてオーナーも救いの手を差しのべる。
しかし、ある事件をきっかけに、夫に居所を知られるのも時間の問題に。追い詰められたクララは、皆から受け取った優しさを力に変えて、現実に立ち向かうことを決意するが…。(公式HPより)後は、映画を観て下さいね。
この映画、親切なロシア料理店というから、また料理の話で盛り上がるのかなと思っていたら、全く違っていました。ロシア料理店にやってくるお客様一人一人の出来事がストーリーになっていました。一番大きな出来事は、夫からDVを受けて逃げてきた母子のお話かな。この母子の問題が中心になり、色々な事が起きて行きます。
アリスという看護師の女性ですが、親の介護をしている間に彼氏との関係が悪くなり、介護が終わったけど一人になってしまったという状況のようでした。救急に勤めている為に、いつも忙しく、その上、シングルなんだから深夜に入ってくれると言われると、断れずに仕事を入れてしまうような性格でした。彼女は、看護師をやりながら、ボランティア活動をしており、<赦しの会>というセラピーを開いています。仕事でのストレスだけでなく、最近はボランティアでもストレスが溜まるようになり、そろそろ限界かなというところに来ています。彼女はロシア料理店の常連です。
マークという男性ですが、彼は刑務所から出てきて、このロシア料理店で弁護士と食事をしていたんです。帰ろうとした時に、この店のオーナーと出会い、マネージャーとして雇ってもらうことになります。
ジェフは、とても不器用で、何をやっても上手く出来ません。クリーニング屋でも仕分けに失敗して解雇になってしまいます。何をやってもダメなジェフは、とうとう部屋まで追い出され、ホームレスになってしまいますが、アリスの<赦しの会>のボランティア活動に参加し始め、アリスの助けられていきます。
バラバラの3人ですが、クララという女性が子供2人を連れて夫のところから逃げてきて、状況が変わっていきます。お金も無く、車も動かなくなり、ホームレスと一緒にボランティアの食事の列に並びます。そこでアリスに出会います。アリスはクララを心配して、世話をするのですが、人に頼るのを嫌がるクララは心を開きません。ある事件が起きて夫に居場所が知られてしまい、クララはロシア料理店のピアノの下に隠れてそっと眠ります。そんなクララに気が付いたマネージャーのマークは、クララを見守り、起きた彼女を彼の部屋に匿います。
アリスは、病院にいたクララの息子に父親が会いに来ているのを知り、病院から息子を逃がして、クララの元へ連れて行きます。クララは、今まで、誰も助けになってくれず、一人で子供たちを守ってきたのですが、この街の人々、そしてロシア料理店の人々の温かい心に触れて、彼らを信じ始め、夫を訴えようと立ち上がります。
みんなでクララと子供の為に、色々と考え、助けて行く過程が、全然、暑苦しく無くて、嫌がるクララに無理やり親切にするのではなく、なんとなく、そっと手を差し伸べる感じが、とても良かったです。自分も大変なジェフも、出来る事をクララにしてあげたりして、貧しいとか裕福とかは関係無く、人に優しくすること、そして人の優しさを受け入れることって、大切だなぁと感じました。
辛かったのが、クララの長男アンソニーと次男ジュードがいるのですが、父親が子供たちにDVをしていて、アンソニーにジュードを殴るように強要したらしいんです。アンソニーがジュードに殴ってごめんと言ったら、ジュードは僕も自分が兄さんだったら同じことをしていたから怒ってないと言ったというんです。もう、悲しくて泣けてきました。どういう父親なんだよっ!クララは、子供へのDVを最初は知らなくて、気が付いて直ぐに、子供たちを連れて逃げてきたらしいんです。本当に酷いですよね。クララの夫は警察官なので、警察に訴えてもダメだと判って、直ぐに逃げ出したんです。本当に可哀想でした。こういう母子は、直ぐに保護してあげないと。誰もが力になってあげるべきだと思いました。
とても心が温かくなる映画でした。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。あまり上映館が無いので残念ですが、単館系の映画館で再上映とかしてくれないかな。このまま終わったのでは勿体ないような内容の映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ニューヨーク 親切なロシア料理店」