「Away」を観てきました。
ストーリーは、
飛行機事故でたった一人生き延びた少年は、森で地図を見つけ、オートバイで島を駆け抜ける。<黒い影>から逃れて、黄色い小鳥と共に。
というお話です。
この映画、セリフが全く無いんです。音楽と効果音だけはあるのですが、それ以外は無く、不思議な映画でした。これ、きっと、観る人が自分で物語を作りながら観て良い作品なのだと思いました。確かに、飛行機が墜落して、少年が一人パラシュートで助かって、その場所から人が居るであろう場所まで行くというお話なのですが、全く、意味不明な部分が多々あるんです。
巨人が出てきて襲ってきそうになるとか、何故か、地図を持っていて、バイクの鍵も持っていて、バイクまで用意してあるという周到ぶり。水筒もあって、準備がされているんです。
という訳で、私がこの映画で考えたストーリーを書いていこうと思います。
何かの事故かまたは病気で、この少年は生死の境に落ちてきてしまった。パラシュートをつけていたのは、何かの治療が功を奏して、なんとか死を食い止めているということだと思います。そして、目を覚ました少年は、今の状況に驚き、対処しようとします。パラシュートを外し、周りの状況を見ると、遠くに黒く大きな巨人がいて、こちらへ向かってきます。不安を感じた少年は、逃げようと思い、自分の身の回りを探すと、地図と鍵を見つけます。それは、逃げるべき場所と、バイクの鍵でした。
バイクを見つけ、その近くにあったリュックに水筒が入っている事を確認して、巨人から逃げる為にバイクに乗り、走り出します。落ちた場所近くで、黄色い飛べない鳥を見つけ、その子も助けて、一緒にバイクで
地図に描いてある街の場所に向かいます。巨人は、相変わらず付いてくるので、途中の橋を落として時間を稼ぎます。道すがら、色々な動物に出会います。
間欠泉がある場所に、大量の黒猫がいました。規則正しく、順番に水を飲み、その周りで眠っています。きっと、動物たちの魂が休む場所なのでしょう。そんな黒猫を、後から来た巨人が飲み込みます。きっと、巨人は”死”で、巨人に飲み込まれた黒猫たちは、天に召されたのだと思いました。
彼が連れていた黄色い鳥は、白い鳥たちに出会い、一緒に飛べるようになります。仲間も出来て、青い空を自由に飛べるようになるのですが、少年の傍を離れる事はありません。順調に目的地に進んでいるのですが、山脈に差し掛かります。雪の中をバイクで走りますが、バイクが倒れ、とうとう巨人に捕まり、覆い被さられてしまいます。もうダメというところで、黄色い鳥が彼を暗い闇から引っ張り上げ、巨人から逃れます。黄色い鳥は、日本で言う彼の守り神だったのかなと思いました。
必死で先を目指し、何とか巨人から逃れ、人間がいる街へたどり着きます。”死”である巨人から逃れ、街へたどり着いたということで、きっと、彼は生死の境を脱出し、人間の世界で目覚めるのだと思います。彼には、ずっと彼を守る”黄色い鳥”が付いていました。きっと、彼を守る家族の化身だったのかなと思いました。
私は、こんな風に解釈をしましたが、観る人によって、全く違うお話になるのかもしれません。でも、何かに必死になり、周りの助けも借りて、自分も周りを助けて、そして生きて行こうというメッセージが溢れていて、感動しました。
アニメーションは、監督一人で作られたと言っていました。観ていると、そんなに細かい訳でもなく、普通のCGアニメーションです。はっきり言うと、CG関係は初心者でも作れるレベルのアニメではないかと思うのですが、デザインやアートは本当に美しくて、レイアウト、構成、ストーリーの持って行き方が上手いのだと思いました。絵として、とっても美しくて、何とも言えない感動が沸きあがってくるんです。素晴らしいと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。素晴らしい映画なのですが、セリフがある訳でもなく、決まったストーリーがある訳でもないようなアート系の映画なので、想像力を試されるというか、想像しながら映画を観れる方でないと、楽しいとは思えないかもしれません。ちょっと普通の映画とは違うので、そこら辺は理解してから観に行ってください。気になった方は、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「Away」