【フランス映画祭】「MISS ミス(原題)」性別など関係無いミスコンが生まれたら世界が広がるかな | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

【フランス映画祭】「MISS ミス(原題)」を観てきました。

 

ストーリーは、

9歳の美少年アレックスが抱いた将来の目標、それはミス・フランスになることだった。15年後、両親を失い生きる意味を失った彼は、偶然の出会いから忘れていたはずの子供時代の夢を思い出し、男性であることを隠しながらミス・フランスのコンテストに出場することを決意する。個性豊かな友人たちに支えられ、熾烈なコンテストを勝ち進んでいくアレックスだったが。
というお話です。

 

 

24歳のアレックスは、少年の頃に両親を失い、親族の家をたらい回しにされ、今は一人で寂しく暮らしていた。ボクシングジムの雑用をしながら、何とか生活をしていたのだ。ある日、ボクシングジムで子供の頃に仲が良かった友人と再会する。次のチャンピオンと言われている彼は、子供たちにボクシングを教えに来たのだった。、子供の頃の夢を叶えた彼と話をしている内に、アレックスは、自分が9歳の時に夢を聞かれて、「ミス・フランスになりたい。」と言った事を思い出す。

 

アレックスは、昔も今も、とても美しい顔立ちをしていて、LGBTではないのだが、男性として行動をしているより、女性的な生き方をする方が自分に合っていると思っていた。男として生まれたことも生きている事も全く違和感は無いのだが、自分の行動は女性のようにしていたいと思っていた。

 

 

そんなアレックスは、自分の夢に挑戦してみたいと思い立ち、住んでいる部屋の仲間たちに”ミス・フランス”に出場しようと思うと相談する。みんな、え?ミス・フランスに男って出れるの?と、ポカンとした顔をするが、出場資格は女性のみ。誤魔化すってことなのねとみんな大喜び。そこから、無謀な挑戦が始まる。

 

アレックスは仲間に協力して貰いながら、女性としての様々な行動を勉強し、教わっていく。そして、地方大会で見事優勝し、ミス・フランスの本選に参加出来る事になった。本選に向けての合宿があり、その旅行に出かけることになるが、男とバレたら即クビになってしまう。ライバルたちに見つからないように、必死で隠しながら本選までの課題をこなして行くのだった。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、ちょっと今までとは違う見方が出来る映画でした。今まで、LGBTを描いた映画が多かったのですが、このアレックスは違います。男として生きていていいんです。でも、女性として行動したい。オネエというくくりなのかしら。ゲイでもないし、性同一性障害でもなく、という人なんです。こういう方をどう表現するのかしら。そういうくくりが無いので、表現のしようがないのですが、そういう事らしいのです。

 

そんなアレックスが、ミス・フランスを目指すというから、さぁ、大変!いくら美しくたって、女に見えていたって、そういうコンテストなら、必ず証明書を出しなさいって言われるでしょ。パスポートを持ってきてくださいと言われて、仕方なく偽造パスポートを手に入れて、それを出すんです。とりあえずはOKになって、良かったと思っていたら、今度は水着審査とかで、おいおいモッコリしてたらダメだぞってことで上手く隠すんだけど、水着のサイズが小さくて肩紐が切れちゃったりして、もう、大騒ぎなんです。沢山の問題が起きて、どう対処していくのかを楽しめますよ。

 

 

でね、アレックスが住んでいるアパートの大家さんが母親の代わりをやってくれるんだけど、彼女は女性がミスコンなどで、見世物になっているのを凄く嫌っているんです。そして、ミスコン側のチーフに喰って掛かるのですが、チーフも、どこか含みがあるような受け答えをしていて、ミスコンというモノの在り方を問題視しているような内容も盛り込まれていました。

 

ミスコンって、別に悪い事じゃないと思うけど、確かに女性だけしか出れないっていうのはおかしいですよね。どんな性別でも、美しくて社会貢献出来る能力のある人なら男性でも良いと思うんです。例えば、性別は問わないけど、ドレスが似合う人とか、上腕二頭筋が何センチ以下の人とか、そういう規制のかけ方なら良いと思うけど、男性はダメというのは、性差別のような気がしました。

 

それに、女性だからって水着審査とかって必要あるの?身体の線の美しさを観たいのだったら、ピッタリしたボディースーツを着せて、身体の線を測定すれば良いでしょ。スキャンして、データを出させたら一発で判るよね。女性を商品のように選定するのがムカつく気がします。どーも、厭らしい目的があるようで、腹が立ちました。

 

 

そんな性差別についても、とても考えさせられるように作っていて、いいとこ突いてるなぁと感心しました。ミスコンって、今までにも随分と批判をされてきたけど、男性も女装して出られるということになったら、性差別というのとは変わってくるかもしれませんよ。そうそう、それに、ミスっていうのも問題じゃないですか?ミセスでもいいよね。そこのところも、どうなっているのかしら。年齢とかも決まっているのかな?とにかく、今の時代、ミスコンなどは、考えるべきだと思いました。

 

それにしても、アレックス、綺麗だったなぁ。アレックスを演じているのは、アーティストとして活動をしているアレクサンドル・ウェターさんで、彼自身も、この映画のアレックスのように、男性だけど女性として行動するような方でした。いわゆるオネェ的な感じでした。監督も、彼と同じような方で、男性だけど女性として行動したいという考えを持っていて、二人でお話をされた時にとても共感したんだそうです。それで、アレクサンドルにこの役を頼んだそうでした。映画を観ていても、アレックス=アレクサンドルって感じで、ピッタリでしたもん。

 

 

こんなにLGBTとか、男だけど女として行動したいとか、色々な生き方が出てきている現代なので、あまり何も考えずにいた方が良いのかもしれませんね。自分の生きたいように生きることが許される世の中になってきたのは、とても良い事だと思います。うーん、でも、不思議に思ったら、私、質問をしたくなっちゃうので、そういう時は、ちゃんと説明して欲しいなぁ。何で男なのに女みたいに話すの?とか、女なのに男の恰好をしているのはどうして?とか、聞きたくなると思うので、怒らないで答えて欲しいです。別に、差別とかそんなことを考えているのではなく、他の人と違うけどどうして?っていう素朴な疑問なんです。そこら辺は、みんなの認識の変換期なので、対処して欲しいです。

 

この映画、私はカルチャーショックでした。ゲイとか性同一性障害とか、そういう方がいることは理解しているつもりだったけど、それとは別に、こういう人達も居るのだということを、この映画で知りました。まぁ、日常ではそんな事、気にしていないので良いのですが、知っておけば、何かの時に、あー、そうだったんだと言えますからね。何事も、知っておくことは大切です。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。とっても気に入りました。だって、マジでアレックスが美しいんですもん。これで男性だって言われても、全く信じられません。嘘でしょ?って聞き返してしまうと思います。そんな彼が、必死で自分の夢を叶えようとする姿は、元気をくれるし、自分ももう一度、夢にチャレンジ出来るかもなんて気持ちにさせてくれる映画でした。これは、必見の映画だと思います。日本公開日は決まっていませんが、既に日本の配給会社は決まっているので、公開されると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「MISS ミス(原題)」