【フランス映画祭】「私は確信する」実際の裁判記録を元に映画化された裁判サスペンスは面白いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【フランス映画祭】「私は確信する」を観てきました。

 

ストーリーは、

スザンヌ・ヴィギエが3人の子どもたちを残して姿を消した。数々の証言や疑惑により、大学教授の夫ジャックが妻殺害の容疑者となる。ジャックの無実を確信するシングルマザーのノラは、彼の無実を勝ち取るため、敏腕弁護士のデュポン=モレッティに事件の弁護を懇願する。自らアシスタントとなったノラは、事件の調査を進めていく。食い違いを見せる、刑事、ベビーシッター、スザンヌの愛人らの証言。次第にこの事件の新たな真実や疑惑が浮かび上がっていく。
というお話です。

 

 

2000年2月、フランス南西部トゥールーズ。38歳の女性スザンヌ・ヴィギエが3人の子供を残して忽然と姿を消した。夫ジャックに殺人容疑がかけられるが、明確な動機がなく、決め手となる証拠は見つからない。

 

ジャックは第一審で無罪となるがすぐさま検察に控訴され、翌年の第二審で、再び殺人罪を問う裁判が行われる。

 


 

無実を確信するシングルマザーのノラは、敏腕弁護士デュポン=モレッティに弁護を懇願。自らも助手となり250時間の電話記録を調べるうちに、新たな真実と疑惑に気がついていく。

 

ヴィギエの家族でもないノラは、自分の息子の家庭教師であったヴィギエの娘との縁で、彼女を助けたいが為に動いたのだったが、事件の真実を探り始めると、その事件にのめり込んで行き、自分の家庭をも顧みずに集中してしまい、周りが見えなくなっていってしまう。そんなノラにモレッティは、ヴィギエの無罪を証明する裁判で、犯人を見つける裁判ではないと言い放つ。

 

 

スザンヌ・ヴィギエの遺体も見つからず、行方も分からず、殺人なのか失踪なのかも全く解らないまま、人々の想像だけで裁判は進んで行く。失踪かもしれないのに、殺人罪を追求する検察に応戦するのだが、弁護側の要求が通らなかったり、裁判官が非協力的だったりで、段々と追い詰められていくのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、面白かったなぁ。よく出来た法廷劇だと思いました。カッコいい裁判の映画ではないんです。裁判としては、既に1審で無罪になっているのに、検察が再度訴えてくるんです。フランスって凄いなって思ったのは、スザンヌの遺体も無いのに、殺人罪で訴えているって事。死んでるのか生きてるのかも分からないのに、殺人罪って、あり得ないでしょ。せめて死んでいる証拠を提示してから殺人罪で訴えるべきじゃないの?だって、失踪しているかもしれないんだよ。

 

 

失踪する理由が無いし夫が怪しいと大騒ぎしたのは、妻の愛人なんです。あんた、自分が一番悪い奴だって自覚が無いのかな?夫と子供がいる女性と不倫してたんだよ。夫も、こいつを訴えてやれば良かったのに。どう見ても、この愛人が怪しいんです。それなのに、マスコミは愛人のいう事を真に受けて、夫が犯人だっていう考えで取材をしてくるから、まぁ、質問が酷いこと。マスゴミって言われるのは当たり前だと思いました。3人の子供がいるところで、父親を責めるんだから、酷いよね。

 

その上、ヴィギエに事情聴取した警察官は、その父親に脅迫めいたことを言って、殺人をしたと言わせようとしていたんです。この映画を観ていて、本当に汚いなぁと思いました。日本でも、警察が無理に自白を強要するとかあると聞くので、なんだか本当にイヤだなぁと思いました。精神的に追い詰めるとかじゃなくて、真実を言わせる機械とか、薬を作って、精神的負担を与えずに、真実を調べられないのかしら。こういう精神的な事で、痛めつけられるのは本当に辛いだろうと思うんです。犯罪者かそうでないかは、もっと負担が無いように判るようにならないのかしら。薬とかはダメとかじゃなくて、精神的な虐待を与えずに出来るなら、その方が良いじゃないですか。少し、考えた方が良いと思います。

 

 

裁判が進んで行くと、ベビーシッターが嘘を言っていたり、スザンヌの愛人と口裏を合わせていたり、色々な疑問が出てくるんです。それを、ノラが、沢山の録音テープの中から疑問を見つけて、モレッティに訴えて、裁判で明らかにして行くという展開なのですが、このノラが、あまりにものめり込み過ぎて、まるで自分が探偵になったかのような感じで、ここでこう言っているとか、この部分が怪しいとか、色々な考えをモレッティに訴えて行くんですが、モレッティは聞き入れません。何故なら、真実を明らかにする裁判なので、”かもしれない”という個人的な考えは排除していかなければいけないんです。先入観を持ってしまったら、現実から反れてしまうので、モレッティは、それを恐れて、ノラにいい加減にしなさいと言います。この弁護士は、とてもマトモな方でした。

 

監督のお話が聞けたのですが、この裁判の一審を彼が傍聴していて、この映画を作ろうと考えたそうです。そして、このノラという人物は架空の人物ですが、自分がノラのような視点で裁判を見ていたので、こんな映画になりましたとおっしゃっていました。面白いですよね。現実と想像を掛け合わせて、この映画が作られているというところが、とても生々しくて、面白いと思いました。

 

 

この弁護士のエリック・デュポン=モレッティは、有名な弁護士で、「無罪請負人」と呼ばれるような実在の人物です。現在は、フランスの法務大臣に任命されて大臣になってしまいました。モレッティ氏をオリヴィエ・グルメさんが演じていますが、とてもイイ感じです。実在の人物もこんな方なのかもしれませんね。

 

この事件ですが、ヒッチコック狂の完全犯罪だと騒がれた未解決事件なんです。確かに、何も証拠が出ないのですから、完全犯罪って言われますよね。でも、スザンヌの失踪なら、証拠なんて出ない訳ですから、本当のところ犯罪なのかもわからないのに、よく、こんなに騒いだなという感じの感想でした。日本でこんな裁判したら、怒られるでしょ。だって、何の証拠も無いのに検察が2回も裁判するなんて、あり得ないと思います。税金の無駄遣いでしょ。警察がもっとマトモに捜査すべきです。

 

 

この映画、本当に面白かったので、感想が長くなってしまいました。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は楽しめました。好きなタイプの映画です。もしかしたら、ヒッチコックなどの映画を良く知っている人には、もっとリンクする部分が解るのかもしれません。私は、あまり分からないのでそこら辺は残念でした。日本公開は、2021年の2月12日です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「私は確信する」